第38話
文字数 1,228文字
ドーンの持ってきた肉や野菜を焼いて食べる。少しの酒も飲み、色々喋った。人間と焼肉をして宴会するなんて、何時ぶりだろう。
「だから最近はニャン太と手合わせしてるんだ」
「単純な格闘なら全然出来るからな」
「デスやデスハーピーみたいな魔法を駆使してくるようなヤツは、何か苦手なんだよな。俺が魔法自体そこまで得意って訳じゃないけどな」
ニャン太はドーンの方を見る。
「でさ、ドーン。出来る範囲で良いから、じじいの修行を手伝ってくれないか?」
「私がですか?」
「魔法が得意で俺たちの事情も知ってるヤツ、他に居ないんだ」
「そうだな。ドーンが手伝ってくれるなら助かる。」
「……分かりました。世界を救う事にも繋がりますしね。私で良ければお手伝いさせて貰います」
「サンキューな。ほれ、どんどん食え」
「いやそれ、ドーンが持ってきたやつ……」
次の日からドーンも住み込みで手伝ってくれた。森で力の実集め、ニャン太とのスパー、ドーンとのスパー。そうこうしている間に2週間が過ぎた。
「レイスさんが勇者だと確信したからこそ言います」
「え、どうした?」
修行後の夕食時に、いきなりドーンが話し始めた。
「私が大会に出場した目的です。」
「ん? 力試しじゃないのか?」
「違います。実は私は国に抱えられてる宮廷魔導師なんです」
「国の魔導師?」
確かにあれだけの実力があるなら、国に抱えられていてもおかしくは無いか。
「今世界で、とあるクスリが流行っているのを知っていますか?」
「いや、知らないな。こんな生活をしていると、どうしても世間の事に疎くなってな」
「俺もじじいと同じで分からん。どんなクスリなんだ?」
「新種の麻薬なのですが、それを服用していると精神が集中されてすごく強くなります」
「そんな夢のような薬が!」
「クスリ、ダメ、ゼッタイ」
そんなポスターあるよな。
「違う地区大会に参加していた選手が、そのクスリを服用しているのでは無いかと疑われています」
「そうなのか」
「そのクスリは今の所、検査してもいまいち判明しないのです。でも副作用があり、段々と身体を蝕んでしまうのです」
「ほうほう……で、何で大会に参加を?」
確かにそれでどうして大会に?
「検査してもダメなので、クスリを服用するところを現行で捕まえなければならないのです。でもそいつの出た大会はもう終了してしまっていたので」
「だからこっちの大会に出たのか。優勝して次の全国大会でそいつと一緒になる為に」
「ええ。もちろん国の要請で全国大会から出場する事も可能だったんですけどね。あいつは用心深い奴なので、順番に大会に出ていく冪だと思いまして」
「確かに他の大会を見ていたら、知らないやつがいきなり全国大会に来たら不審に思うだろうな。じじいみたいにボケていない限りは」
いちいちうるさい猫だ。
「分かった。じゃあ俺がそいつを倒してやるよ。せめて追い詰めたらクスリを使うかもしれないし」
「ありがとうございます」
「そいつの名前は?」
「魔法剣士、ケーオ・ブケーです」
「だから最近はニャン太と手合わせしてるんだ」
「単純な格闘なら全然出来るからな」
「デスやデスハーピーみたいな魔法を駆使してくるようなヤツは、何か苦手なんだよな。俺が魔法自体そこまで得意って訳じゃないけどな」
ニャン太はドーンの方を見る。
「でさ、ドーン。出来る範囲で良いから、じじいの修行を手伝ってくれないか?」
「私がですか?」
「魔法が得意で俺たちの事情も知ってるヤツ、他に居ないんだ」
「そうだな。ドーンが手伝ってくれるなら助かる。」
「……分かりました。世界を救う事にも繋がりますしね。私で良ければお手伝いさせて貰います」
「サンキューな。ほれ、どんどん食え」
「いやそれ、ドーンが持ってきたやつ……」
次の日からドーンも住み込みで手伝ってくれた。森で力の実集め、ニャン太とのスパー、ドーンとのスパー。そうこうしている間に2週間が過ぎた。
「レイスさんが勇者だと確信したからこそ言います」
「え、どうした?」
修行後の夕食時に、いきなりドーンが話し始めた。
「私が大会に出場した目的です。」
「ん? 力試しじゃないのか?」
「違います。実は私は国に抱えられてる宮廷魔導師なんです」
「国の魔導師?」
確かにあれだけの実力があるなら、国に抱えられていてもおかしくは無いか。
「今世界で、とあるクスリが流行っているのを知っていますか?」
「いや、知らないな。こんな生活をしていると、どうしても世間の事に疎くなってな」
「俺もじじいと同じで分からん。どんなクスリなんだ?」
「新種の麻薬なのですが、それを服用していると精神が集中されてすごく強くなります」
「そんな夢のような薬が!」
「クスリ、ダメ、ゼッタイ」
そんなポスターあるよな。
「違う地区大会に参加していた選手が、そのクスリを服用しているのでは無いかと疑われています」
「そうなのか」
「そのクスリは今の所、検査してもいまいち判明しないのです。でも副作用があり、段々と身体を蝕んでしまうのです」
「ほうほう……で、何で大会に参加を?」
確かにそれでどうして大会に?
「検査してもダメなので、クスリを服用するところを現行で捕まえなければならないのです。でもそいつの出た大会はもう終了してしまっていたので」
「だからこっちの大会に出たのか。優勝して次の全国大会でそいつと一緒になる為に」
「ええ。もちろん国の要請で全国大会から出場する事も可能だったんですけどね。あいつは用心深い奴なので、順番に大会に出ていく冪だと思いまして」
「確かに他の大会を見ていたら、知らないやつがいきなり全国大会に来たら不審に思うだろうな。じじいみたいにボケていない限りは」
いちいちうるさい猫だ。
「分かった。じゃあ俺がそいつを倒してやるよ。せめて追い詰めたらクスリを使うかもしれないし」
「ありがとうございます」
「そいつの名前は?」
「魔法剣士、ケーオ・ブケーです」