第82話
文字数 1,138文字
「まもなく準決勝を始めます。こちらへお願いします」
「分かった」
「さて、ポーンだな」
「出し惜しみすんじゃねえぞ。全力を出したらじじいの方が強い」
「頑張って下さい」
「おう、期待して応援してな」
じじいは闘技場へ向かう。階段の手前でポーンに会う。
「宜しくお願いします。結果がどうであれ、試合が終わったらまた集まりましょう」
「そうだな」
「準決勝、第1試合。魔法剣士・レイス選手VS兵士・ポーン選手」
「貴方の戦いは予選大会と本選大会。それにこの大会の1回戦・2回戦で見ています」
「じゃあ情報不足だろう? 最新のじじいパワーを見せてやるよ」
「バトル、スタート!」
「申し訳ないですが、早めに終わらせます」
「そうだな、俺の勝利でな」
こいつに組み付かれると面倒だ。投げの対応は練習していない。ポーンがいきなり斬り掛かってきた。じじいは先読みでかわす。
「貴方の強みはそのギリギリでかわせる動体視力と反射神経にあります。でもそれが弱点にもなるんです」
ポーンは剣から片手を外し、じじいを掴む。そして身体を捻りじじいのバランスを崩す。
「くっ、投げられるもんか」
何とか耐えたじじいだが、ポーンは今度は反対方向へ引っ張る。そのままじじいを投げ飛ばした。
「ぐっ、こんな簡単に!?」
すぐさまポーンは槍を出してくるが、先読みで脱出する。
「あんな状態からでも回避できるんですね。これは予想外です」
「いやいや、ちょっとでも遅れたらアウトだった」
「ポーンの常套手段を崩したぞ」
「ええ、しかしどうでしょう。あれはポーンが早く終わらせるために行っていただけの戦法」
「つまりポーンの実力はまだ分からないと?」
「思った通り強いな」
「私も同意見です。決して貴方を見くびっていた訳では無いのですが」
そう言ってポーンは再び斬り掛かって来る。下手に先読みは使わない方が良いのかもしれない。ポーンは身体ずらし押してくる。見た目以上の勢いに押され、じじいは横へずらされる。そのままポーンは更に斬り込んできた。
「レインソード!」
斬りと突きを混ぜた連続攻撃。じじいのソードレインと似た様な技だ。
ギィン! ギイィン!
ガードするも何発か被弾する。両腕から血が垂れる。
「そんな技も使えるのか」
何とか踏みとどまり、攻撃する。
「ライト斬り!」
ライト斬りを放つも簡単によけられてしまう。バランスが崩れたままの攻撃だった為、じじいは更にバランスを崩す。
「これでどうですか」
ポーンは槍で突きを放った。自力ではかわし切れず、止む無く先読みを発動する。ポーンはすかさずじじいを投げ飛ばし、地面へ叩きつけた。今までとは違う、ダメージを与える投げ。一瞬、呼吸が止まる。
「やるな……だが、追撃の無いお陰で距離は取れた」
じじいは剣に魔力を込めた。
「分かった」
「さて、ポーンだな」
「出し惜しみすんじゃねえぞ。全力を出したらじじいの方が強い」
「頑張って下さい」
「おう、期待して応援してな」
じじいは闘技場へ向かう。階段の手前でポーンに会う。
「宜しくお願いします。結果がどうであれ、試合が終わったらまた集まりましょう」
「そうだな」
「準決勝、第1試合。魔法剣士・レイス選手VS兵士・ポーン選手」
「貴方の戦いは予選大会と本選大会。それにこの大会の1回戦・2回戦で見ています」
「じゃあ情報不足だろう? 最新のじじいパワーを見せてやるよ」
「バトル、スタート!」
「申し訳ないですが、早めに終わらせます」
「そうだな、俺の勝利でな」
こいつに組み付かれると面倒だ。投げの対応は練習していない。ポーンがいきなり斬り掛かってきた。じじいは先読みでかわす。
「貴方の強みはそのギリギリでかわせる動体視力と反射神経にあります。でもそれが弱点にもなるんです」
ポーンは剣から片手を外し、じじいを掴む。そして身体を捻りじじいのバランスを崩す。
「くっ、投げられるもんか」
何とか耐えたじじいだが、ポーンは今度は反対方向へ引っ張る。そのままじじいを投げ飛ばした。
「ぐっ、こんな簡単に!?」
すぐさまポーンは槍を出してくるが、先読みで脱出する。
「あんな状態からでも回避できるんですね。これは予想外です」
「いやいや、ちょっとでも遅れたらアウトだった」
「ポーンの常套手段を崩したぞ」
「ええ、しかしどうでしょう。あれはポーンが早く終わらせるために行っていただけの戦法」
「つまりポーンの実力はまだ分からないと?」
「思った通り強いな」
「私も同意見です。決して貴方を見くびっていた訳では無いのですが」
そう言ってポーンは再び斬り掛かって来る。下手に先読みは使わない方が良いのかもしれない。ポーンは身体ずらし押してくる。見た目以上の勢いに押され、じじいは横へずらされる。そのままポーンは更に斬り込んできた。
「レインソード!」
斬りと突きを混ぜた連続攻撃。じじいのソードレインと似た様な技だ。
ギィン! ギイィン!
ガードするも何発か被弾する。両腕から血が垂れる。
「そんな技も使えるのか」
何とか踏みとどまり、攻撃する。
「ライト斬り!」
ライト斬りを放つも簡単によけられてしまう。バランスが崩れたままの攻撃だった為、じじいは更にバランスを崩す。
「これでどうですか」
ポーンは槍で突きを放った。自力ではかわし切れず、止む無く先読みを発動する。ポーンはすかさずじじいを投げ飛ばし、地面へ叩きつけた。今までとは違う、ダメージを与える投げ。一瞬、呼吸が止まる。
「やるな……だが、追撃の無いお陰で距離は取れた」
じじいは剣に魔力を込めた。