第8話

文字数 909文字

「レイス選手、ですね。はい、これで受付完了です。奥の部屋でお待ちください」
「ありがとう」


 ついに地区予選大会の当日、受付を終わらせて先に進む。奥の部屋には沢山の選手が集まっていた。早めに入ったつもりだったが、皆やる気だな。


「何か注目されているな」


 よくよく考えれば、それもそうだ。じいさんが武術大会にエントリーしているんだ。何だこのじじいいは? となっておかしくはない。


 暫く待っていると、兵士が入ってきた。



「お待たせしました、これよりトーナメントの抽選を行います。受け付けの順でくじを引いて頂きます」


 トーナメント表を確認すると全部で31人いるみたいだ。最後の31番だけ一回戦が免除になっている。いわゆるシード扱いってやつだな。

 戦士・魔法使い・剣士……様々な奴が順番にくじを引いていく。


「次、レイスさん」
「どれどれ……おっ、31番! シードじゃないか」
「そうですね。おめでとうございます」


 なんだろう。普通であればシードは周りから羨ましがられるハズなんだが、じじいがシードを獲得した所為か何も思われていない様に感じる。




 そうしてくじ引きは終了した。


「それでは、この先に進むと道が二手に分かれます。1番から16番は左のAブロックの部屋に。17番から31番は右のBブロックの部屋に進んでください」




 部屋はまあまあ大きな空間で、番号ごとに簡単に区切られていた。机と椅子と……少し奥の方では軽く身体を動かせそうなスペースもある。そして奥には、更に奥へと続く扉がある。


「それではルールの確認にはいります」


兵士によるルール説明が始まった。





~基本ルール~





 バトルは1VS1。相手が動けなくなるかギブアップすると試合終了。武器も魔法も使用可能だが、銃・爆弾は不可。爆発魔法はOK。あまりに一方的な内容の時のみ、止める事がある(TKO)。


「まあ、シンプルな内容だな」
「こちらのテレビで対戦の様子を見る事が出来ます」


 なるほど。ゆっくりするも良し、相手を研究するも良しか。


「それでは10分後より対戦を開始していきます。名前を呼ばれた方は、奥に進んで下さい」
「31番だから、最初は待ち時間が長そうだな」



 こうして、ついに大会が始まった。




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登場人物紹介

【レイス】

本作の主人公。

200年前に魔王を打ち破った勇者。

光の精霊の加護を受けており、光属性の魔法や魔法剣を使用する。

【ニャン太】

勇者レイスの使い魔。

光の精霊がレイスに遣わせた精霊見習い。。

猫の姿は仮の姿である。


【ポコポコビッツ】

200年前に勇者に敗れた魔王。

封印されており、復活する時を待っている。

闇属性の魔法を使用する。

【ドーン】

ルファウスト王国の宮廷魔術師。

とある要件でとある人間を追っている。

主に無属性の爆発魔法を使用する。

【ヘンリー】

ルファウスト王国に住む魔法剣士。

世界大会で優勝するのが夢。

無属性の魔法剣を使用する。

【ポーン】

サーザリッド王国の兵士。

研修でルファウスト王国へ来ており、大会での案内等を行う。


【光の精霊】

レイスに光の加護を授け、ニャン太を遣わせた本人。

レイスに間違えて「不老不死」でなく「不死」を与えてしまったおっちょこちょいさん。

【魔王直属軍】

200年前は大きな軍だった。

レイスと戦って敗れた事でかなり数を減らしてしまった。

魔王が封印された後は、殆どの者が目的も無く過ごしている。

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