第7話
文字数 963文字
「はい、これで受付完了です。お部屋は二階の一番奥です」
「ありがとう。」
宿屋に辿り着いたじじいは、船酔いでフラ付く身体を引きずって部屋に入る。だいぶ強くなったとは思うが、船酔いには勝てない。
じじい「あー疲れた。もうこのまま寝ちゃおっかな?」
宿に着いたのはもう日付が変わろうかという時間で、旅の疲れも手伝って睡魔が襲ってくる。明日は体調を整えながら、少し素振りでもしておかなければ。そして早めに休んで大会に備えなければ。
腹減ってきたな……ねむ……
いつの間にかじじいは眠りに落ちていた。
~翌日・大会前日~
思いの外眠れた俺は、遅めの朝食を食べてから町を散策していた。
「あそこに見えるのが闘技場だな。明日はあそこで戦いになるのか」
思えば、人間と腕試しなんて長い間していない。200年前、魔王を倒してからは時々挑戦者が現れていた。40代になって身体の衰えを感じ始めてからは、今も住んでいる離島にひっそりと移り住んだ。
近くの森の奥にたまたまあった洞窟の奥に魔法陣を作り、魔王が復活した時にそこに出現するようにした。ああ、それは光の精霊様がやってくれたんだけど。
いつ復活するかも分からない魔王の監視役として、何年も何年も老いと戦いながら生きてきたんだ。
「もし俺がこっちに居る時に魔王が復活したらどうすれば良いんだか。光の精霊様に怒られちゃうかな?」
幸い家にはニャン太が居る。何かあればすぐに俺を連れに来るだろう。もしかしたら、それを見越して付いてこなかったんだろうか?
~200年前~
「え……猫?」
「これは私の使い魔で、精霊の見習いのようなものです。これから貴方に付き、色々とサポートして貰います」
「よう、宜しくな勇者様」
猫は陽気に挨拶し、身軽に俺の所へ跳ねてきた。
「うわっ、猫が喋った!?」
「そんな驚くなよ。 俺は猫じゃねえよ」
「いやいや、どっから見てもただの白猫じゃないか」
「この子は人間の世界に馴染めるように猫の姿になって貰っています。名前はありませんので、好きに名付けて下さい」
正直名付けは得意ではないが……
「え~と、ゴンザレス?」
「ちょ、勘弁してくれ。 もっとキュートなやつにしてくれ」
「決定権無いのかよ」
「ではニャン太とかはいかがでしょう?」
「はい、喜んで!」
「なにこの格差社会みたいなの……」
ろくな想い出じゃないな……
「ありがとう。」
宿屋に辿り着いたじじいは、船酔いでフラ付く身体を引きずって部屋に入る。だいぶ強くなったとは思うが、船酔いには勝てない。
じじい「あー疲れた。もうこのまま寝ちゃおっかな?」
宿に着いたのはもう日付が変わろうかという時間で、旅の疲れも手伝って睡魔が襲ってくる。明日は体調を整えながら、少し素振りでもしておかなければ。そして早めに休んで大会に備えなければ。
腹減ってきたな……ねむ……
いつの間にかじじいは眠りに落ちていた。
~翌日・大会前日~
思いの外眠れた俺は、遅めの朝食を食べてから町を散策していた。
「あそこに見えるのが闘技場だな。明日はあそこで戦いになるのか」
思えば、人間と腕試しなんて長い間していない。200年前、魔王を倒してからは時々挑戦者が現れていた。40代になって身体の衰えを感じ始めてからは、今も住んでいる離島にひっそりと移り住んだ。
近くの森の奥にたまたまあった洞窟の奥に魔法陣を作り、魔王が復活した時にそこに出現するようにした。ああ、それは光の精霊様がやってくれたんだけど。
いつ復活するかも分からない魔王の監視役として、何年も何年も老いと戦いながら生きてきたんだ。
「もし俺がこっちに居る時に魔王が復活したらどうすれば良いんだか。光の精霊様に怒られちゃうかな?」
幸い家にはニャン太が居る。何かあればすぐに俺を連れに来るだろう。もしかしたら、それを見越して付いてこなかったんだろうか?
~200年前~
「え……猫?」
「これは私の使い魔で、精霊の見習いのようなものです。これから貴方に付き、色々とサポートして貰います」
「よう、宜しくな勇者様」
猫は陽気に挨拶し、身軽に俺の所へ跳ねてきた。
「うわっ、猫が喋った!?」
「そんな驚くなよ。 俺は猫じゃねえよ」
「いやいや、どっから見てもただの白猫じゃないか」
「この子は人間の世界に馴染めるように猫の姿になって貰っています。名前はありませんので、好きに名付けて下さい」
正直名付けは得意ではないが……
「え~と、ゴンザレス?」
「ちょ、勘弁してくれ。 もっとキュートなやつにしてくれ」
「決定権無いのかよ」
「ではニャン太とかはいかがでしょう?」
「はい、喜んで!」
「なにこの格差社会みたいなの……」
ろくな想い出じゃないな……