第98話

文字数 1,149文字

「ここが魔王の居る孤島か」
「思ってたより良い無人島じゃないか」


 着いた島は、景色の良い無人島だった。ちょっとサバイバルするには良い位かもしれない。


「あれ……? この島のどこに魔王が居るんだ?」
「え、知らない」
「まあ1日あればこの島全体の捜索も出来そうだ」
「じゃあ、探しに行くか? 暗くなる前に船に戻って来ようぜ」


「……いや、テントも持って来ている。取り敢えずは何処かにキャンプを設置しよう」
「船酔いが嫌なんだな」




 浜より少し離れた位置にテントを設置する。次は薪集めをする。



「自然がいっぱいで、どんだけでも燃やせそうなモンがあるぜ」
「よっしゃ、今の内に集めまくろう」
「1番の目的は魔王の討伐だからな」
「まずは足元を固めないと」
「……船酔いが残ってるんだな」




 薪拾いをしながら島を見て回る。端から端まで歩いて約10分程の小さい島だ。怪しい洞窟が2つだけあった。これは明日見に行く事にする。

 夜になり、焚火で肉を焼いて食べる。この頃には船酔いも収まっていた。


「やっぱ船酔いだったんじゃねえか」



 こうやって楽しく食事するのも最後顔しれない。いくら不死で、死ななくても帰っては来れない可能性はある。


「あの洞窟のどっちかに魔王は居るんだろうか?」
「さあな。でも他に目ぼしい場所も無かったしな」
「そうだな」




 テントの中で寝袋に入る。この寝袋は本当に寝心地が良い。






 翌日、朝食を済ませてから洞窟を見に行くことになった。近い方の洞窟に向かう。


「思ったより深そうだな。家の近くの洞窟以外の洞窟……200年振りだな」
「塔の地価も似た様なモンじゃん」


 中に入る。松明の予備も準備してある。塔の地下へ行った時のよう途中で暗くなってしまう事は無いだろう。




 少し降りると、すぐに大きいフロアに出た。


「奥の方に扉があるな」
「扉の前に魔物も居るな」


 ニャン太の言う通り、扉の前にはガイコツの魔物が居た。こちらには気付いている。音も立てずに剣を構えてきた。


「ニャン太……明かりを頼むぞ」


 ニャン太に松明を渡して聖剣を構える。




 魔物は何も喋らずに襲い掛かってきた。



 ギィン!


 剣がぶつかる。思ったより力がある。魔物は再び剣を振るって来た。先読みでギリギリかわし、カウンターで斬り付けた。


 ガギイッ


 直撃し、魔物は一気にバラバラになった。




「ふう、そんなに強くは無かったか」
「そうだな。……って、ええ!?」



 バラバラになった骨が集まっていき、魔物は元通りになって復活した。


「マジか、復活しやがった」
「パワーが足りなかったんじゃないのか?」


 魔物はまた斬り掛かって来る。さっきよりスピードが速い。先読みでかわし今度はライト斬りを放つ。直撃し、魔物はバラバラになる。展開はさっきと同じだ。


「また復活するのか?」


 思った通り、魔物はまた復活した。





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登場人物紹介

【レイス】

本作の主人公。

200年前に魔王を打ち破った勇者。

光の精霊の加護を受けており、光属性の魔法や魔法剣を使用する。

【ニャン太】

勇者レイスの使い魔。

光の精霊がレイスに遣わせた精霊見習い。。

猫の姿は仮の姿である。


【ポコポコビッツ】

200年前に勇者に敗れた魔王。

封印されており、復活する時を待っている。

闇属性の魔法を使用する。

【ドーン】

ルファウスト王国の宮廷魔術師。

とある要件でとある人間を追っている。

主に無属性の爆発魔法を使用する。

【ヘンリー】

ルファウスト王国に住む魔法剣士。

世界大会で優勝するのが夢。

無属性の魔法剣を使用する。

【ポーン】

サーザリッド王国の兵士。

研修でルファウスト王国へ来ており、大会での案内等を行う。


【光の精霊】

レイスに光の加護を授け、ニャン太を遣わせた本人。

レイスに間違えて「不老不死」でなく「不死」を与えてしまったおっちょこちょいさん。

【魔王直属軍】

200年前は大きな軍だった。

レイスと戦って敗れた事でかなり数を減らしてしまった。

魔王が封印された後は、殆どの者が目的も無く過ごしている。

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