第87話
文字数 1,266文字
「ダークフレイムを撃つ気だな」
「大丈夫なのか?」
「あくまでも人間の身体が放つダークフレイムだ。光の勇者であるじじいなら問題ないだろう」
じじいは聖剣に魔力を込める。
「食らえ!」
ケーオの手から闇属性の魔法、ダークフレイムが放たれた。闇の炎がじじいに向かって行く。
「来たな、ライト斬り!」
光属性の魔法剣は闇の炎をたやすく切り裂いた。魔王やデスが相手であればこうまで簡単にはいかないだろうが、魔物と人間の根本的な魔力の差が出たのだ。
「!? まさか本当に効かないのか」
「行くぞ」
じじいはそのままケーオに突撃。ライト斬りで斬り掛かった。
「ぐっ、かわせない」
ケーオは剣でガードする。が、勢いに負けて吹っ飛んだ。剣も遠くへ弾き飛ばされた。
「はあはあはあ……」
確かに強いって言っていた。
ヘンリーが注意していた。
ドーンが注意していた。
でもここまで強いなんて。
こうなったら…………
「決まったか?」
「いや……何か様子がおかしいです」
ケーオは懐から錠剤を取り出した。誰からも見えない位置で、それを口に入れる。
「この試合さえやり過ごせれば、後は賞金で自由に暮らしてやれるんだ。最後の……クスリだ」
錠剤を噛み潰す。普段は液体で流し込んでいる為、その苦さに驚く。
「どうだ?」
「…………」
「おい、これはもしかして?」
「ケーオ……お前、やりやがったのか?」
「……くくく」
「えっ?」
突然ケーオが笑い出した。その異常さは何も知らない人でさえハッキリと分かる程だ。
「うひゃひゃひゃ! あーひゃっひゃひゃ!」
「な、何なんだコイツ? まさか、クスリを?」
ケーオは凄まじい速さで立ち上がり、じじいに向かって体当たりを出す。先読みでかわしたじじいだが、ケーオは反撃しようとしたじじいの腕に噛みつく。
「うわっ、犬かこいつ!?」
じじいは何とか振り払う。
「いぬぅ……? わんわん、わんわん。ひゃっひゃひゃ!」
ケーオは笑いながら殴りかかて来る。クスリのせいで反応しづらい速さである。じじいは肩を殴られてたじろぐ。ケーオはその肩に噛みつこうとする。
「くっ、この薬中め!」
身体をひねって噛みつきをかわす。しかし次にケーオが出した頭突きはかわせず、頭に被弾する。
「ぐう!」
じじいは一瞬、目がくらんで座り込んだ。こいつは尋常ではない。ケーオは落ちていた自分の剣を拾い上げる。その目は未だ狂気に満ちている。
「流石にこんなにいつまでも付き合っていられないな。奥義・光の風!」
じじいは光の風を発動し自身の能力をアップさせた。常時MP消費していく奥義だ。これでゆっくりとはしていられなくなった。ケーオは休みなしに攻撃を仕掛けて来る。剣で攻撃し、蹴ってきたりし等無茶苦茶な戦い方だ。
「こいつ、動きを読みにくい!」
「おい、どうすんだ?」
「これだけの目撃者が居ます。ケーオは言い逃れ出来ない」
「ですが、今出て行っても返り討ちにあってしまいます」
「くそっ、クスリの効果が弱まるまで見ているしか出来ないのか!」
「クスリの効果が弱まったと感じたら、すぐに飛び出して確保しましょう」
「大丈夫なのか?」
「あくまでも人間の身体が放つダークフレイムだ。光の勇者であるじじいなら問題ないだろう」
じじいは聖剣に魔力を込める。
「食らえ!」
ケーオの手から闇属性の魔法、ダークフレイムが放たれた。闇の炎がじじいに向かって行く。
「来たな、ライト斬り!」
光属性の魔法剣は闇の炎をたやすく切り裂いた。魔王やデスが相手であればこうまで簡単にはいかないだろうが、魔物と人間の根本的な魔力の差が出たのだ。
「!? まさか本当に効かないのか」
「行くぞ」
じじいはそのままケーオに突撃。ライト斬りで斬り掛かった。
「ぐっ、かわせない」
ケーオは剣でガードする。が、勢いに負けて吹っ飛んだ。剣も遠くへ弾き飛ばされた。
「はあはあはあ……」
確かに強いって言っていた。
ヘンリーが注意していた。
ドーンが注意していた。
でもここまで強いなんて。
こうなったら…………
「決まったか?」
「いや……何か様子がおかしいです」
ケーオは懐から錠剤を取り出した。誰からも見えない位置で、それを口に入れる。
「この試合さえやり過ごせれば、後は賞金で自由に暮らしてやれるんだ。最後の……クスリだ」
錠剤を噛み潰す。普段は液体で流し込んでいる為、その苦さに驚く。
「どうだ?」
「…………」
「おい、これはもしかして?」
「ケーオ……お前、やりやがったのか?」
「……くくく」
「えっ?」
突然ケーオが笑い出した。その異常さは何も知らない人でさえハッキリと分かる程だ。
「うひゃひゃひゃ! あーひゃっひゃひゃ!」
「な、何なんだコイツ? まさか、クスリを?」
ケーオは凄まじい速さで立ち上がり、じじいに向かって体当たりを出す。先読みでかわしたじじいだが、ケーオは反撃しようとしたじじいの腕に噛みつく。
「うわっ、犬かこいつ!?」
じじいは何とか振り払う。
「いぬぅ……? わんわん、わんわん。ひゃっひゃひゃ!」
ケーオは笑いながら殴りかかて来る。クスリのせいで反応しづらい速さである。じじいは肩を殴られてたじろぐ。ケーオはその肩に噛みつこうとする。
「くっ、この薬中め!」
身体をひねって噛みつきをかわす。しかし次にケーオが出した頭突きはかわせず、頭に被弾する。
「ぐう!」
じじいは一瞬、目がくらんで座り込んだ。こいつは尋常ではない。ケーオは落ちていた自分の剣を拾い上げる。その目は未だ狂気に満ちている。
「流石にこんなにいつまでも付き合っていられないな。奥義・光の風!」
じじいは光の風を発動し自身の能力をアップさせた。常時MP消費していく奥義だ。これでゆっくりとはしていられなくなった。ケーオは休みなしに攻撃を仕掛けて来る。剣で攻撃し、蹴ってきたりし等無茶苦茶な戦い方だ。
「こいつ、動きを読みにくい!」
「おい、どうすんだ?」
「これだけの目撃者が居ます。ケーオは言い逃れ出来ない」
「ですが、今出て行っても返り討ちにあってしまいます」
「くそっ、クスリの効果が弱まるまで見ているしか出来ないのか!」
「クスリの効果が弱まったと感じたら、すぐに飛び出して確保しましょう」