第3話

文字数 719文字

 野生の魔物が出る森は小さな森だが、奥には洞窟がある。森にはスライム、洞窟にはゴブリンが出現する。洞窟の奥にはちょっとした空間があるのだが……


「今のじじいじゃスライム相手がせいぜい、って所だろうな」
「うん、そんな気がするわ」
「さあ、ボケ老人みたいに森を徘徊してくれよ」
「この!」


 襲い掛かるじじいをニャン太は蹴り飛ばした。


「おい、剣で襲い掛かるなよ!」
「ぐ……聖剣も宝の持ち腐れか」
「あ、後ろ」
「え?」


 いきなり現れたスライムの体当たり攻撃!うん、たとえ不死でも痛いものは痛い。


「俺が普通のじじいなら骨折してるぜ、危ないな!」
「いや、なかなかの体当たりだったぜ。怪我しなくて良かったな」
「蹴とばしたり引っ掻いたり肉球攻撃したやつが言う事か!」
「自業自得じゃねえか!」


 とは言え、じじいでも勇者。スライムを一刀両断する。スライムは消えて一粒の宝石が残る。


「これが力の実?」
「多分……実物は見た事ないからアレだけど」
「本当に小さいんだな。あ、見失った……」
「老眼かよ!」
「違うわ! 森の中で1センチ程度の宝石なんてドロップすんなよ!」


 久し振りの実践に息を切らせながら、やっと力の実を発見する。


「これ1つでどれくらいパワーアップすんの?」
「え~と。一応各種パラメータから選択して、規定値あがる……みたいな?」
「おいおい、プレイヤーじゃないんだしパラメータとか見れないぞ」
「まあ微々たるものだしな。チリツモだよチリツモ」


 例え不死でも疲れるものは疲れる。じじいは数匹のスライムを倒した所でギブアップした。


「お前がスライム倒して力の実を集めてくれれば早くね?」
「そういうゲームじゃねえから!」
「今回はゲームじゃなくて小説だし」
「メタんじゃねえ!」




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登場人物紹介

【レイス】

本作の主人公。

200年前に魔王を打ち破った勇者。

光の精霊の加護を受けており、光属性の魔法や魔法剣を使用する。

【ニャン太】

勇者レイスの使い魔。

光の精霊がレイスに遣わせた精霊見習い。。

猫の姿は仮の姿である。


【ポコポコビッツ】

200年前に勇者に敗れた魔王。

封印されており、復活する時を待っている。

闇属性の魔法を使用する。

【ドーン】

ルファウスト王国の宮廷魔術師。

とある要件でとある人間を追っている。

主に無属性の爆発魔法を使用する。

【ヘンリー】

ルファウスト王国に住む魔法剣士。

世界大会で優勝するのが夢。

無属性の魔法剣を使用する。

【ポーン】

サーザリッド王国の兵士。

研修でルファウスト王国へ来ており、大会での案内等を行う。


【光の精霊】

レイスに光の加護を授け、ニャン太を遣わせた本人。

レイスに間違えて「不老不死」でなく「不死」を与えてしまったおっちょこちょいさん。

【魔王直属軍】

200年前は大きな軍だった。

レイスと戦って敗れた事でかなり数を減らしてしまった。

魔王が封印された後は、殆どの者が目的も無く過ごしている。

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