ニャン太編 エンディング

文字数 838文字

 ここは精霊界。

 天界から最近、分離した新しい世界。


 そこに1羽の鶏が居た。




「ニャン太は上手く動物の国を守った様だな」


 天界と同じく、この精霊界からも地上の様子はよく見える。


「よくやったな、ニャン太。人間に被害は出たかもしれないが……あの瞬間、間違いなくお前は英雄だったぞ。動物たちにとっては間違いなく勇者だったぞ。……俺と同じ様にな」


 鶏は変身を解く。そこには精霊王の姿が残った。



 去年、前の精霊王が引退した。新しく精霊王に任命されたのは、人間であった。

 寿命で亡くなった後に天界へ召喚されて、半強制的に精霊王に任命された元勇者レイスだった。




 さて、そろそろニャン太の休暇も終了で良いだろう。

 戦艦の爆発で負った傷が回復したら、この世界に案内しよう。光の精霊様にも話は付けてある。



「俺が精霊王として転生したのはまだニャン太には言ってないからな。どうんな反応するのか楽しみだな~」





 【神回】死んだはずのじじいが精霊王に転生して使い魔だった精霊に会ってみた


「じじい、何でこんな所に!」
「ふっふっふ、驚いたか」
「まさか成仏できずにこの世を彷徨っているなんて……」
「違うわい!」




……なんて事を想像しながら、レイスは1人で笑ってしまった。



「さて、来週位には迎えに行くか……いや、感動の再開はギリギリまで取っておくべきか? だったら、師匠である光の精霊様に行って貰って……」



「……また下らない事を考えている様ですね」
「元人間であった影響かもしれんな。精霊王としてはまだまだだ。暫くは教育しないといけない様だ」
「あらまあ、お手柔らかに」
「……お前も十分に人間に染まっていると思うがな」


光の精霊と元精霊王は2人で精霊王レイスを眺めていた。





 どうやら、本人の知らない間に、ニャン太は完全にレイス付きの精霊になった様である。

 レイスのドッキリ企画にニャン太がどう反応したのかは分からない。

 精霊ニャン太と元勇者である精霊王レイスの生活は、これからも永く永く続いていくらしい。





【聖剣の光 エンド】




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登場人物紹介

【レイス】

本作の主人公。

200年前に魔王を打ち破った勇者。

光の精霊の加護を受けており、光属性の魔法や魔法剣を使用する。

【ニャン太】

勇者レイスの使い魔。

光の精霊がレイスに遣わせた精霊見習い。。

猫の姿は仮の姿である。


【ポコポコビッツ】

200年前に勇者に敗れた魔王。

封印されており、復活する時を待っている。

闇属性の魔法を使用する。

【ドーン】

ルファウスト王国の宮廷魔術師。

とある要件でとある人間を追っている。

主に無属性の爆発魔法を使用する。

【ヘンリー】

ルファウスト王国に住む魔法剣士。

世界大会で優勝するのが夢。

無属性の魔法剣を使用する。

【ポーン】

サーザリッド王国の兵士。

研修でルファウスト王国へ来ており、大会での案内等を行う。


【光の精霊】

レイスに光の加護を授け、ニャン太を遣わせた本人。

レイスに間違えて「不老不死」でなく「不死」を与えてしまったおっちょこちょいさん。

【魔王直属軍】

200年前は大きな軍だった。

レイスと戦って敗れた事でかなり数を減らしてしまった。

魔王が封印された後は、殆どの者が目的も無く過ごしている。

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