第61話
文字数 1,497文字
「いや、やられたぜ。どうやったらそんなに強くなるんだ?」
蘇生して貰ったヘンリーが近付いてきた。ちゃんと腕も戻ったらしい。
「毎日の鍛錬だな。後は……精霊の加護でも受けるんだな」
「なんだそりゃ」
事前の試合でヘンリーの力を見る事が出来ていた為、油断せずに勝てた。何も知らなければ、キルクラッシュをかわす事は出来なかっただろう。全体的に運が良かったのだ。
「レイス選手、おめでとうございます。これは記念のトロフィーとメダルです。あと、副賞として賞金が出ます」
「有難う」
「これで世界大会出場は来年までお預けか」
「まあ、今回は俺に任せておけ」
「仕方がないか。今年は任せたぜ、優勝してくれよ」
「レイス選手は来月に行われる世界大会に出場する権利が得られます」
世界大会……全国大会の優勝者が集う大会だ。つまり各国の1番強い人間が揃って、この世界で1番強い奴を決める大会だ。
「よし、金も入ったし何処かに飯でも行くか。奢ってやるよ」
「おっ、そうこなくちゃな」
「じゃあ部屋で汗だけ流してくるわ。30分後にロビーで待ち合わせだ」
魔法陣で部屋に戻る。次にこの魔法陣を使用すると、受付のあるロビーへ移されるらしい。希望者は今日1日部屋を使用しても良いらしい。
「まあ、この部屋に居てもな」
軽くシャワーを浴びて帰る支度を整える。今回の大会はハードだった。光の精霊の加護を受けた勇者でなければ、普通に敗れていただろう。
ロビーではヘンリーに加えドーンも居た。
「あ、レイスさん。おめでとうございます」
「ドーン、有難う。何とか優勝できた。今から飯に行くんだが、お前も来れるか?」
「1度、国王の護衛で城へ戻ります。それ以降は空いていますので、大丈夫ですよ」
「それだったら、城の前にある酒場で良いだろう」
「じゃあ予約はヘンリーに任せるわ。ドーン、先に始めてるぞ」
「はい」
その夜は3人で盛り上がった。疲れもあってじじいとヘンリーは大いに酔い、ドーンは2人を宿へ送り届ける。
「ケーオは結局姿を現さなかった。しかしいずれ捕まえてやる。」
「ふえっ?」
「レイスさん、宿に着きましたよ」
「おお、すまんなぁ」
じじいはフラフラと部屋に行き、そのまま寝てしまった。
翌日じじいは二日酔いのまま船に乗り、家に戻って行った。家に着く頃には二日酔いは船酔いに変わっていた。
「おお、帰ってきたか。大会はどうだったよ?」
「ふっふっふ……これを見やがれってんだ!」
トロフィーとメダルを掲げる。
「おお、やりやがったな。流石だな」
「優勝じゃー!」
「あのヘンリーにも勝ったのか」
「ああ、決勝戦がやつだったぜ」
「へぇ、そう言えばケーオはどうなったんだ?」
「いや、それが奴は居なくてな」
「ふーん」
そんな会話をしながら荷物を片付ける。
この夜は豪華なお祝いをした。
「そう言えば、あの赤い宝石あったじゃん」
「ああ、そう言えば……何か分かったのか?」
「あれは身に着けている者の魔力を増幅させる力があるな。その変わり、使用中は命を削られていくデメリットがある魔法のアイテムだ」
「なにそれこわい」
「まあ、置いておくだけなら問題ねえよ」
「しかしデスは何の為にこの宝石の所に居たんだろう。」
「さあな。もしかしたら魔王を復活させようとしていたのかもな」
「魔法で何とかしようとしていたのかな?」
「そうかもな」
「魔王の封印はどうよ?」
「……あんまり良くはないな。近いうちに綻びそうだ」
「今年中に復活ってのは、ありそうなんだな」
「あるな。超高確率だ」
そんな会話をして宴は終了した。じじいは疲れを癒す為に、数日は休養する事にした。
しかし、身体を休め切らない内に事態は変わるのだった。
蘇生して貰ったヘンリーが近付いてきた。ちゃんと腕も戻ったらしい。
「毎日の鍛錬だな。後は……精霊の加護でも受けるんだな」
「なんだそりゃ」
事前の試合でヘンリーの力を見る事が出来ていた為、油断せずに勝てた。何も知らなければ、キルクラッシュをかわす事は出来なかっただろう。全体的に運が良かったのだ。
「レイス選手、おめでとうございます。これは記念のトロフィーとメダルです。あと、副賞として賞金が出ます」
「有難う」
「これで世界大会出場は来年までお預けか」
「まあ、今回は俺に任せておけ」
「仕方がないか。今年は任せたぜ、優勝してくれよ」
「レイス選手は来月に行われる世界大会に出場する権利が得られます」
世界大会……全国大会の優勝者が集う大会だ。つまり各国の1番強い人間が揃って、この世界で1番強い奴を決める大会だ。
「よし、金も入ったし何処かに飯でも行くか。奢ってやるよ」
「おっ、そうこなくちゃな」
「じゃあ部屋で汗だけ流してくるわ。30分後にロビーで待ち合わせだ」
魔法陣で部屋に戻る。次にこの魔法陣を使用すると、受付のあるロビーへ移されるらしい。希望者は今日1日部屋を使用しても良いらしい。
「まあ、この部屋に居てもな」
軽くシャワーを浴びて帰る支度を整える。今回の大会はハードだった。光の精霊の加護を受けた勇者でなければ、普通に敗れていただろう。
ロビーではヘンリーに加えドーンも居た。
「あ、レイスさん。おめでとうございます」
「ドーン、有難う。何とか優勝できた。今から飯に行くんだが、お前も来れるか?」
「1度、国王の護衛で城へ戻ります。それ以降は空いていますので、大丈夫ですよ」
「それだったら、城の前にある酒場で良いだろう」
「じゃあ予約はヘンリーに任せるわ。ドーン、先に始めてるぞ」
「はい」
その夜は3人で盛り上がった。疲れもあってじじいとヘンリーは大いに酔い、ドーンは2人を宿へ送り届ける。
「ケーオは結局姿を現さなかった。しかしいずれ捕まえてやる。」
「ふえっ?」
「レイスさん、宿に着きましたよ」
「おお、すまんなぁ」
じじいはフラフラと部屋に行き、そのまま寝てしまった。
翌日じじいは二日酔いのまま船に乗り、家に戻って行った。家に着く頃には二日酔いは船酔いに変わっていた。
「おお、帰ってきたか。大会はどうだったよ?」
「ふっふっふ……これを見やがれってんだ!」
トロフィーとメダルを掲げる。
「おお、やりやがったな。流石だな」
「優勝じゃー!」
「あのヘンリーにも勝ったのか」
「ああ、決勝戦がやつだったぜ」
「へぇ、そう言えばケーオはどうなったんだ?」
「いや、それが奴は居なくてな」
「ふーん」
そんな会話をしながら荷物を片付ける。
この夜は豪華なお祝いをした。
「そう言えば、あの赤い宝石あったじゃん」
「ああ、そう言えば……何か分かったのか?」
「あれは身に着けている者の魔力を増幅させる力があるな。その変わり、使用中は命を削られていくデメリットがある魔法のアイテムだ」
「なにそれこわい」
「まあ、置いておくだけなら問題ねえよ」
「しかしデスは何の為にこの宝石の所に居たんだろう。」
「さあな。もしかしたら魔王を復活させようとしていたのかもな」
「魔法で何とかしようとしていたのかな?」
「そうかもな」
「魔王の封印はどうよ?」
「……あんまり良くはないな。近いうちに綻びそうだ」
「今年中に復活ってのは、ありそうなんだな」
「あるな。超高確率だ」
そんな会話をして宴は終了した。じじいは疲れを癒す為に、数日は休養する事にした。
しかし、身体を休め切らない内に事態は変わるのだった。