第58話
文字数 1,392文字
テレビでは3位決定戦が始まろうとしていた。じじいはMP回復薬を飲みながらそれを見る。
「単純な実力としては明らかにスボイトの方が強い。だが、あの鎌鼬の術をどう対処するか?」
「それでは3位決定戦を始めます。スボイト選手VS影牙選手」
今までと変わらず、影牙はニヤニヤしている。じじいに敗れたとはいえ、あの魔法に絶対的な自信があるのだろう。スボイトは落ち着いている。何か対策があるのだろうか。
「3位でも充分な賞金は出る。一気に終わらせて貰うぜ」
「またあの魔法で来るんでしょう? 一応、やめておいた方が良いと言っておきます」
「何だそりゃ」
「バトル、スタート!」
影牙はすぐさま例の魔法を発動した。
「その澄ました態度を止めさせてやる。食らえ、超絶鎌鼬の術!」
「愚かだな。リフレクトバースト」
「そうか、その手があったのか」
魔法を反射させるリフレクトという魔法がある。リフレクトバーストはその反射した魔法の威力を倍にさせる魔法。まあ、思いついたとしてもじじいには扱えない魔法だったが。
影牙の放った魔法はすべて反射され影牙を襲う。それ単体でも相手の命を奪えそうな巨大竜巻に加え、真空の刃が次々と影牙を切り刻む。竜巻は血で一気に赤に染まる。威力が強すぎて中がどうなっているかもよく見えない。
竜巻が収まった時、その場には何も残っていなかった。いや、何と言うか……影牙であったであろう肉の破片がそこら中に散らばっていた。
「思っていたより凄い威力だ。威力を倍増させているとは言え、これは酷い」
「それまで、スボイト選手の勝利。本大会第3位はスボイト選手に決定です!」
賢者がすぐさま蘇生に向かう。一般的に想像されるバラバラ状態どころでは無い。あんなミンチ状態であっても蘇生・回復が出来るなんて。
「魔法って本当に凄いよな」
試合時間にして訳5秒。何の休憩にもならなかったな。まあ試合ごとのインターバルはあるんだろうが。
「レイス選手、今から30分後に決勝戦を始めます。準備をしておいて下さい」
スピーカーから時間の連絡が入った。そう、今から決勝戦を控えているじじいにとって3位が誰かなんて事はどうでも良かった。問題は今から戦うヘンリーの事。ヘンリーVSスボイト戦であいつの力は大体分かっている。ヘンリーは実際、かなりの実力を持っている。普通に戦って、絶対に勝てるとは言い難い。
「いきなり奥義をぶっ放していくのはどうか?」
奥義・光の一撃の威力であれば、ヘンリーと言えど倒せるだろう。今までの大会用ではなくガチの奥義ならば。
しかし仮によけられてしまったらどうだ。隙は大きいし、カウンターで攻撃されてよけきれるか? 先読みで対応できる技であれば良い。しかし範囲攻撃を繰り出されるとどうしようもない。ヘンリーもこっちの手の内は大体分かっているだろう。
「耐久戦覚悟でジリジリ削っていくか?」
歳を取って洞察力や戦法に関してはこちらに分があるかもしれない。しかし力や瞬発力はどうしても若さには勝てないだろう。それにヘンリーのあの“とっておき”のキルクラッシュ。あれを急に出されるとヤバイ。はっきり言って反応できるレベルでは無かった。あれをコンボで出されるとどうしようも無いだろう。
結局はいつもの戦い方になってしまうのだろう。隙を作り、一気に決める。
「レイス選手、まもなく決勝戦が始まります。魔法陣へお願いします」
「単純な実力としては明らかにスボイトの方が強い。だが、あの鎌鼬の術をどう対処するか?」
「それでは3位決定戦を始めます。スボイト選手VS影牙選手」
今までと変わらず、影牙はニヤニヤしている。じじいに敗れたとはいえ、あの魔法に絶対的な自信があるのだろう。スボイトは落ち着いている。何か対策があるのだろうか。
「3位でも充分な賞金は出る。一気に終わらせて貰うぜ」
「またあの魔法で来るんでしょう? 一応、やめておいた方が良いと言っておきます」
「何だそりゃ」
「バトル、スタート!」
影牙はすぐさま例の魔法を発動した。
「その澄ました態度を止めさせてやる。食らえ、超絶鎌鼬の術!」
「愚かだな。リフレクトバースト」
「そうか、その手があったのか」
魔法を反射させるリフレクトという魔法がある。リフレクトバーストはその反射した魔法の威力を倍にさせる魔法。まあ、思いついたとしてもじじいには扱えない魔法だったが。
影牙の放った魔法はすべて反射され影牙を襲う。それ単体でも相手の命を奪えそうな巨大竜巻に加え、真空の刃が次々と影牙を切り刻む。竜巻は血で一気に赤に染まる。威力が強すぎて中がどうなっているかもよく見えない。
竜巻が収まった時、その場には何も残っていなかった。いや、何と言うか……影牙であったであろう肉の破片がそこら中に散らばっていた。
「思っていたより凄い威力だ。威力を倍増させているとは言え、これは酷い」
「それまで、スボイト選手の勝利。本大会第3位はスボイト選手に決定です!」
賢者がすぐさま蘇生に向かう。一般的に想像されるバラバラ状態どころでは無い。あんなミンチ状態であっても蘇生・回復が出来るなんて。
「魔法って本当に凄いよな」
試合時間にして訳5秒。何の休憩にもならなかったな。まあ試合ごとのインターバルはあるんだろうが。
「レイス選手、今から30分後に決勝戦を始めます。準備をしておいて下さい」
スピーカーから時間の連絡が入った。そう、今から決勝戦を控えているじじいにとって3位が誰かなんて事はどうでも良かった。問題は今から戦うヘンリーの事。ヘンリーVSスボイト戦であいつの力は大体分かっている。ヘンリーは実際、かなりの実力を持っている。普通に戦って、絶対に勝てるとは言い難い。
「いきなり奥義をぶっ放していくのはどうか?」
奥義・光の一撃の威力であれば、ヘンリーと言えど倒せるだろう。今までの大会用ではなくガチの奥義ならば。
しかし仮によけられてしまったらどうだ。隙は大きいし、カウンターで攻撃されてよけきれるか? 先読みで対応できる技であれば良い。しかし範囲攻撃を繰り出されるとどうしようもない。ヘンリーもこっちの手の内は大体分かっているだろう。
「耐久戦覚悟でジリジリ削っていくか?」
歳を取って洞察力や戦法に関してはこちらに分があるかもしれない。しかし力や瞬発力はどうしても若さには勝てないだろう。それにヘンリーのあの“とっておき”のキルクラッシュ。あれを急に出されるとヤバイ。はっきり言って反応できるレベルでは無かった。あれをコンボで出されるとどうしようも無いだろう。
結局はいつもの戦い方になってしまうのだろう。隙を作り、一気に決める。
「レイス選手、まもなく決勝戦が始まります。魔法陣へお願いします」