第37話

文字数 807文字

 3日程休息してから活動を再開した。午前は森や洞窟で魔物と戦い、力の実をゲットする。午後からはニャン太とスパーリングなどをして地力の強化。



「なんだかんだで俺、まあまあ強くなってんだよ」
「そうだな」
「何で未だにお前に攻撃当たらないの?」
「なんでだろうな。」


 結構ガチに攻めて行ってもニャン太には掠りもしない。何発か避けられた所でカウンターの肉球を貰う。


「このクソ猫!」
「フシャアア!」


 ついつい悪口を言って強烈な一撃を貰ってしまう。



 多分222年の人生の中で1番吹き飛んだと思う。


 ドガン!


 家に激突。壁が壊れなかったのはラッキーだった。


「お前が大会出たら余裕で優勝しそうだな」
「まあ今のじじいよりは強いと思うよ」
「くそっ、もっと修行してやる」

「そうですね。頑張りましょう」
「おうよ」


 ……何かいた。


「ドーン!?」
「喋る猫がこの世に存在するとは思いませんでしたが……」
「……にゃあ」


 ニャン太は猫の真似をした。


「いやいや、もう手遅れだろ」
「……全く、変な所を見られちまったな」
「この猫さんは……魔物?」
「じじい、魔物と思われてはかなわん。もう説明しちまうぞ」
「う、うむ。仕方あるまい」





「なるほど……一応、納得はしました」
「え、そうなの?」
「先の大会でレイスさんの奥義を見ていなければ、未だに疑っていたでしょうが」
「じじいの奥義を見て?」
「ええ。あの奥義の聖なる光の魔力。あれを見ればレイスさんが魔の部類でないのは分かります」


 確かにあの光の魔力は、魔物には絶対に出せないものではある。


「……このドーンってヤツ、なかなかやるじゃん。じじい、お前よく勝てたな」
「まあ結構、追い詰められたのは事実だが」
「まあまあそれより。色々と食材を持ってきました。約束通り祝勝会をしましょう」
「おっ、それは楽しみだな。ニャン太、今日の修行はここまでだ」
「良いねえ。俺もそう言いたかった所だぜ」



 勇者たちの一番の弱点は食べ物のようである。




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登場人物紹介

【レイス】

本作の主人公。

200年前に魔王を打ち破った勇者。

光の精霊の加護を受けており、光属性の魔法や魔法剣を使用する。

【ニャン太】

勇者レイスの使い魔。

光の精霊がレイスに遣わせた精霊見習い。。

猫の姿は仮の姿である。


【ポコポコビッツ】

200年前に勇者に敗れた魔王。

封印されており、復活する時を待っている。

闇属性の魔法を使用する。

【ドーン】

ルファウスト王国の宮廷魔術師。

とある要件でとある人間を追っている。

主に無属性の爆発魔法を使用する。

【ヘンリー】

ルファウスト王国に住む魔法剣士。

世界大会で優勝するのが夢。

無属性の魔法剣を使用する。

【ポーン】

サーザリッド王国の兵士。

研修でルファウスト王国へ来ており、大会での案内等を行う。


【光の精霊】

レイスに光の加護を授け、ニャン太を遣わせた本人。

レイスに間違えて「不老不死」でなく「不死」を与えてしまったおっちょこちょいさん。

【魔王直属軍】

200年前は大きな軍だった。

レイスと戦って敗れた事でかなり数を減らしてしまった。

魔王が封印された後は、殆どの者が目的も無く過ごしている。

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