第186話 部屋中に

文字数 456文字

 6月になると出回るかぐわしい梅……
 ではなく、アレ、です。

 一昨年まで、鳥取砂丘のものを取り寄せていた。10キロを2回。分けるのは、皮を剥くのが大変だから。
 夫とふたり、座卓に座って、えんえんと剥く。
 大きな保存瓶3つに、塩漬け、醤油漬け、甘酢漬け。
 それぞれ、新聞紙にくるみ、ビニール袋に入れ、コンテナに入れ、北の部屋に置いておく。

 それでも、子どもたちが来ると、臭い臭い、と嫌な顔をする。
 でも、食べさせれば絶品。醤油漬けが1番人気。

 昨年から大変な初夏の仕事もなくなった。
 塩分制限の必要な夫は、もう食べられないのだ。

 空いた瓶は洗っても洗っても匂いが取れず、キッチンハイターに付け、ベランダにしばらく置き、それでも取れず炭を入れておいた。

 大きな瓶が3つ、邪魔だ。
 匂いが取れたら梅酒を漬けよう。いつもは1キロだけなので、すぐになくなるから。
 
 匂いを嗅いだら大丈夫そう。
 もう1度洗って2瓶漬けました。梅4キロ、焼酎4本。氷砂糖2キロ。
 来年が楽しみ。
 ほのかに、らっきょうの匂いなどしませんように。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み