第130話 娘の受験

文字数 453文字

 娘は中学は吹奏楽部。朝練昼練夕練。土日も長い休みもほとんど練習。3年のコンクールが終わるまで。
 体力がないから、そのほかのことは無理。勉強は無理。塾に行く時間には眠ってしまいどうやっても起きない。
 仕方ないので受験前の数ヶ月、家庭教師を頼んだ。
 来たのは大学院生の女性。駅からバスだから、交通費もかかる。菓子と茶も用意する。
 最初の家庭教師代は¥450,00くらいだった。ちょっと、カンマの位置がずれてます……言えなかったけど。
 何回か払ったら来なくなった。派遣するところに電話してもわからない。連絡がつかないそうだ。
 私立受験はすぐなのに。いちばん大事な時期に、代わりが来るわけでもなく、もう、怒るのを通り越して笑った。
 
 しばらくして郷里に帰り入院していると。詳しく聞きはしなかったが。
 受験は、私立も都立も受かって良かった。

 無責任なことをしたのだ。最後の家庭教師代はもちろん結構ですから……
 なんてことにはならなかった。
 しっかり取りにきました。

 こちらも小さな菓子折りを用意しておきましたけど。
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