第59話 初夢

文字数 649文字

 なぜかこの頃、ブティック時代の店長の夢をよく見る。ときどき投稿しているからなのだろうか?
 初夢にも出てきた。店で叱られている夢。

 高圧的な方だった。
 自分がいちばん。
 何人も辞めていき、ついには補充されなくなった。
 だから、朝から晩までひとりで……ということもよくあった。気楽だったが、売り上げがないとゼロでは閉められないので、スカーフ等を買う。
 それでも辞めることができなかった。責任感なのか、面倒くさかったのか?

 初夢があの人、だなんて……それもかなりはっきりした夢。
 そういえば投稿するようになって、両親の夢をときどきみる。特に父の夢を。認知症になり迷惑をかけられた。
 ーーと思っていた。自分の生活に必死だったから。
 姉夫婦との仲までおかしくなりそうだった。
 
 マンションのお隣さんが、認知症の父親と面倒をみている娘さんのふたり暮らし。
 大晦日も元日も関係なく、父親は叫ぶ。夜中も明け方も。泊まりにきた孫が怖がる。
「おばあちゃん、引っ越せば?」

 私たちも、ああなるかもしれないからね。特に、正月だからと飲み過ぎの夫は。
 2階のしっかりした奥さんが、本当にしっかりした奥さんが、毎日デイケアに通っている。目が大きく魅力的な方だったが、別人のようになってしまった。
 旦那さんも杖をついていた。息子がひとりいたはず。

 40年以上経つマンション。
 どこかの犬も歳を取り、外へ連れて行くまで間に合わずに粗相をする。エントランスやエレベーターがすごい匂いで息を止める。後始末をしているのも高齢の男性。
 
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み