第147話 氷床融解

文字数 659文字

 氷が解ける。解ける。 (氷は溶けるとは書かない)

 気温の上昇に伴う氷床融解や、海水の膨張により、この100年の間に海面が19センチ上昇した。
(海が温暖化によって暖められると体積が膨れ上がる。水は熱せられると膨らむ特性がある。海水温が上がると海面も上昇する。 例えば水深500mで2度上がると水位が25cm上昇する)

 さらに、現在は、1990年代のころと比較して6倍のスピードで、氷床の融解が進んでいるという。

 このペースで氷が解け続ければ、海水面は劇的に上昇し、今世紀末までに1メートル程度上がるのではないか、と推測されている。

 ちなみに、海水面が1メートル上がると、東京では江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区のほぼ全域で、海水の侵入などの影響が起こる。
 また、大阪でも、北西部から堺市までの海岸線のほぼ全域が水没するということで、私たちの子孫の生活にも大きな変化がもたらされると考えられる。

 
 氷山が解ける映像を観ると、氷河期が来る! と思ってしまう。
 氷床が解けて大量の真水が海水に混ざると…… 熱塩循環が弱まり、止まる。

 2004年公開の映画『デイ・アフター・トゥモロー』では、熱塩循環がほぼ一晩で止まり、ヨーロッパと北米が氷河期と化した。

 人々は街中で凍え死に、ヘリコプターは墜落、巨大な津波がニューヨークを飲み込んだ。
 もちろん、映画の中で起こった現象は科学的に正確ではなく、大げさに描かれているが、大西洋の循環が止まるという考えは、まったくありえないわけでもない。
 だが当分の間は、まず起こらないだろうが。
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