第90話 ある悲劇

文字数 531文字

 あるところにバカな親父さんがいた。
 宝くじを買い続け、ついに当選した。
 親父さんは3人の娘たちの中で、老後の面倒をみてくれるものに金を与えることにした。

 長女と次女は、言葉巧みに美辞麗句を並べて親父さんを喜ばせたが、末娘は父への感謝の気持ちを述べたのみで、姉たちのようにお世辞を言わなかった。
 親父さんは実直な物言いをする末娘に腹を立てて勘当し、姉2人に金を譲った。

 そして贅沢をし、金を使い果たした親父さんだったが、長女と次女は金を譲り受けるや本性を現して、父を疎んじるようになった。その後、すべてを失った親父さんは、さまようことになった。

 その後親父さんは、末娘の助けを借りて暮らした。末娘は父親のために働いた。
 親父さんは末娘にもらった小遣いで宝くじを買い続けた。そしてまた当選した。
 今度は父親思いの末娘にだけあげよう。
 しかし、働き過ぎた末娘は死んだ。親父さんは末娘の遺体を抱きながら、狂乱。
 悲嘆のうちに親父さんも息を引き取った……

 宝くじの当選金は長女と次女のところへ……

 しかし非情、悪女ぶりでは互いに譲らない長女と次女は、同じ男に夢中になり、妹を姉が毒殺した。
 そして犯行がバレた姉も、事実を白状して自刃した。



【お題】 宝くじに当選した!
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