第114話 長いので

文字数 455文字

 母は真面目だった。質素で堅実。常に予備費は置いてある。いつでも両替もできます。(最近は現金はあまり使わなくなりましたが)

 母は寝込んだことがない。丈夫だ。夫も子ども3人も、入院、手術を経験しているけど、私が入院したのは3度のお産の時だけ。

 母は歳の割にはかなり若いはず……努力してるもんね。
 職場では歳を言うと驚かれる。
「え〜、見えないね〜」
「若いよね〜」
 しかし、長女は、辛辣だ。
「老けたよね〜。顔のマッサージやれば?」
 言われたから、やってます。フェイスニングの本を買って。


 さて、長男が独身で独り暮らしをしていたときのこと。
 忙しくて、宅配便が来る時間には帰れなかった。だから、電話が来た。
「釣り竿、そっちに届くから払っておいて⚪︎万円」
 ⚪︎万円? ひえ〜! あるとお思いか?
 1度は立て替えたけど。また……
「釣り竿そっちに届くから、受け取って置いて」
「受け取るだけね。お金は払ってあるのね?」
 
 宅配便が来た。2メートルもある長い筒だ。
「着払いです」
「高〜い!」



【お題】 着払いで届いたものとは…?
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