第14話 華麗なる蒸発

文字数 404文字

 作品が売れて印税ががっぽり……というのは夢の夢夢、だったけど。 

 もしも宝くじが当たったら? 
 今まで、くじ運は悪く、選んだ夫も大ハズレ。
 でも、お金はないし、帰る実家もないからずっと我慢した。そういう女は多いわよね。

 宝くじが当たったら、黙って消えると決めている。荷物はたくさんは必要ない。これからはなんでも買えるのだから。
 タクシーが来るまでの5分ですべて完了。

 とりあえずホテルに泊まり、どうしようか?
 部屋など借りなくてもずっとホテル暮らしでもいい。最期は豪華な、ついのすみかで。 

 明日からはエステに通って、ネイルもして、優雅に暮らす。

 今までは頭を下げて買っていただくほうだったけど、これからは逆よ。高級ブティックで値段も見ないで買ってやるの。

 そんな暮らし、3日でいいからやりたかった。

 実際は、宝くじなんて不確かなものは買わないし、選んだ夫は、ハズレではないかも。

お題 【5分後の家出決定】
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