第15話 ババアと言われて
文字数 378文字
ブティックに勤めていた頃、店長に頼まれワインを買いに行った。
彼女は毎日赤ワインを1本飲む。買い置きしないのは1本以上飲んでしまうから。
ドンキホーテが品切れで、少し遠くの酒屋まで行った。いくらか高くなるが。
時間がかかってしまったので、帰りの信号が変わる前に一歩出た。
女子高生の乗った自転車がスピード出してきて、ぶつかりそうになった。
「あぶねえな、ババア」
娘と同じくらいの女子高生。
店長と出かけた。まだパスモやスイカのない時代。切符売り場で手間取っていたら、後ろの若い男の子が言った。
「ババア、モタモタしてんじぁねえ」
怒った店長は言い返した。
「今、なんて言った?」
60歳近かったが、すごい威圧感。目力。
「今、なんて言った?」
若い男の子はスゴスゴといなくなってしまった。
その話はしばらく、店での自慢話になった。
ああ、強く、生きたかった。
彼女は毎日赤ワインを1本飲む。買い置きしないのは1本以上飲んでしまうから。
ドンキホーテが品切れで、少し遠くの酒屋まで行った。いくらか高くなるが。
時間がかかってしまったので、帰りの信号が変わる前に一歩出た。
女子高生の乗った自転車がスピード出してきて、ぶつかりそうになった。
「あぶねえな、ババア」
娘と同じくらいの女子高生。
店長と出かけた。まだパスモやスイカのない時代。切符売り場で手間取っていたら、後ろの若い男の子が言った。
「ババア、モタモタしてんじぁねえ」
怒った店長は言い返した。
「今、なんて言った?」
60歳近かったが、すごい威圧感。目力。
「今、なんて言った?」
若い男の子はスゴスゴといなくなってしまった。
その話はしばらく、店での自慢話になった。
ああ、強く、生きたかった。
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