第37話 ローズマリーの赤ちゃん

文字数 800文字

『ローズマリーの赤ちゃん』は、アイラ・レヴィンの小説を原作とした、1968年制作のアメリカのホラー映画。

 血や死体といった直接的なスプラッタ描写をほとんど用いず、サスペンスのみで恐怖を生み出していく。
 人間の心理を巧みに演出した恐怖映画。

 徐々に追いつめられていくミア・ファローの演技も見事だ。ストーリーの細部についても物語の序盤から伏線が巧みに張られており、2度3度観ても新たな発見がある作品に仕上がっている。

 また物語の内容に負けず劣らない曰くつきの映画としても知られている。

 本作の撮影はジョン・レノン、オノ・ヨーコ夫妻が住んだことで有名なダコタ・ハウスで行われた。
 つまりこのアパートの前でジョン・レノンはファンによって射殺された。
 
 プロデューサーのウィリアム・キャッスルは、悪魔崇拝者とされる謎の人物から
「苦痛を伴う病気を発症するだろう」
という手紙を受け取った後で腎不全を起こした。

 映画公開から半年後、音楽を担当したクシシュトフ・コメダは、屋外パーティの最中、脚本家だったマレク・フラスコにふざけて突き飛ばされて崖から転落し、脳血腫を起こして昏睡状態となった。
 担ぎ込まれた先の病院はプロデューサーのキャッスルが入院した病院であった。

 コメダは翌1969年4月23日に37歳で死去。結果的にコメダを死に追いやったフラスコは、コメダの死のわずか2か月後に35歳で謎の死を遂げた。

 映画公開から約1年後、ロマン・ポランスキー監督宅がカルト教団に襲われ、監督の妻だった女優のシャロン・テート、ヘア・スタイリストのジェイ・セブリング、監督の親友ヴォイテック・フライコウスキー、その恋人のアビゲイル・フォルジャーが惨殺される「テート・ラビアンカ殺人事件」が起きた。
 亡くなったシャロン・テートも劇中のローズマリー同様、当時妊娠8か月の妊婦だった。

『ローズマリーの赤ちゃん』の恐怖。
 ク、ク、ク。 
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