第156話 使い方次第

文字数 548文字

 サツキ、花火大会行こうか?

 5月に花火大会あるの?


✳︎

 隅田川で開催される花火大会が初めて行われたのは、1733年 (享保18年)の5月28日。
 前年の飢饉とコレラの流行により、1万2千人もの死者が出た。その霊を弔うことを目的として、隅田川で花火が打ち上げられるようになった。

 現在日本で行われている伝統的な花火大会は、「戦没者慰霊」や「災害による死者の供養」などを目的として開催され始めた。
 他にも「豊作祈願」のために花火を打ち上げる地方もある。


 花火は下から打ち上げて、空で散開して祈りの花火になるが、同じ火薬を上から落とすと爆弾になってしまう。
 戦争による爆弾は敵を滅ぼし、経済を生むため、世界は花火より爆弾の方が多い。
 しかし、人間に爆弾をつくる力も花火をつくる力も同等にあるならば、爆弾ではなく、花火をつくる方向に向かおう。
(『この空の花―⻑岡花火物語』で大林宣彦監督が作品に込めた言葉)

 同じ火薬から作られながら、使い方次第で人を楽しませも殺めもする花火と爆弾。



【お題】 五月の花火


https://tenki.jp/amp/suppl/daaaaamegane/2017/05/28/23061.html

https://www.eiga.ac.jp/eigadaifes/2024/
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