第132話 スーパー戦隊

文字数 520文字

 小さい頃によく日曜日はヒーローのテレビを欠かさず見ていた。

 妹の煌はアニメの女の子の可愛らしいヒロインを好んでいたが眩は特撮のヒーローやアニメでも女の子らしさなどない少年が好む激しい戦いのものが好きで、キャラ物の文房具や服は決まって全て男の子の物と言われる方を選んだ。

 じゃあ今からなりたいものになりきって遊ぼうとなった時はお気に入りのヒーローの名前を大声で言って、その必殺技を繰り出す真似をした。

『お姉ちゃんは女の子やろ?』

 妹は姉が一緒におままごとやお人形遊びをしてくれないとよく泣いていた。

 眩に悪気はない。だが

『そんなんやりたないねんもん。しゃあないやん』

 自分だって煌があまりにもセンスのない悪者役、又は相棒役しかやってくれないからつまらない思いはしてる。
 だから小さい頃は

『煌と遊ぶんはつまらん』

 と何回言ったか分からない。

 本当に悪気はない。そうやって突き放した結果が煌を驚異的な関西一の、はたまた日本一のシスコンに育てあげた。

 眩は不思議だった。

 何故あぁやって特撮のヒーローは男ばかりで戦隊ものの赤、真ん中のリーダーは男だけなのか。

 何故現実を超越した戦うマンガやアニメの主人公は男ばかりなのか。

 眩には分からなかった。
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