第157話 白桐優子追悼集会

文字数 1,000文字

 11月22日、時刻は0時。相模原の橋本五差路に樹は鬼音姫を集合させた。
 皆、菊の花や追悼用の花を用意している。

 そこに愛羽たち暴走愛努流が単車に乗ってやってきた。樹は6人を握手で迎えた。

『おうお前ら、今日は来てくれてありがとな!』

『いいえ。こちらこそ呼んでくれてありがとね』

 愛羽は特攻服の胸ポケットにひまわりの花を一輪差していた。

『はは。お前らしいぜ、特攻向日葵』

 愛羽はいつもの調子でニコッとした。玲璃も蘭菜も風雅も蓮華も麗桜も思い思いの花を差している。

『おぉ麗桜。そういやお前、優子と何かあたしのこと喋ってくれたのか!?』

『えっ!?あ、あぁ…なんだったっけなぁ…はは』

 もちろん覚えているがそういうテンションで来られると恥ずかしくて話しづらい。

『なんだよ~、何話したか聞きたかったのによ~』

 するとすぐに静火が麗桜に耳打ちした。

『ごめんね。樹、夢で優子に会ったなんて言っててね、麗桜ちゃんが樹のこと優子に話したらしいんだとか言ってるの。まぁ、だいぶ元気になったけど今はまだショックが強いだろうと思うからさ、それとなく聞いてあげてよ』

『え?あ、はい…』

 え?どういうことだ?麗桜は頭の中がこんがらがっている。

 そうこうしていると今度は綺夜羅たちがやってきた。みんな新しい青い特攻服に暴走愛努流のチーム名を刺繍している。
 正式に話し合って決めた訳ではないのだが愛羽たちとはまた別の暴走愛努流ということになったらしい。

『お、来たな暴走愛努流2』

『おい、なんだ2って!それじゃあたしらが2番目みてーじゃねぇか!どちらかといやあたしらは新しいNEWタイプの暴走愛努流なんだからよ、呼び方にゃ気をつけて欲しいぜ』

 そんな中旋と珠凛だけは今日は違う。旋は優子のCRSの特攻服。そして珠凛は今回樹たちが特別に作った優子の鬼音姫の特攻服を着ていた。

 今日は白桐優子の追悼集会。だから優子の妹分の旋と珠凛にその特攻服で共に先頭を走ってほしいと樹が頼んだのだ。

『樹先輩。本当にあたしたちでいいんですか?』

『お前ら以外に誰がいんだよ。今日はお前らが主役みてーなもんだ。気合い入れて頼むぜ、よろしくな』

 2人は声を揃えた。

『はい!』

『いいかテメーら!今日はこのまま129ずっと平塚の方行くからよぉ!ずっと真っ直ぐ行ってたどり着いた海。そこがゴールだ!』

 あの日自転車で光を目指して走ったルートを今日は走るつもりなのだ。
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