第40話 閃き

文字数 825文字

 愛羽と玲璃に風雅、数に燃は綺夜羅たちが戻ってくるのを公園で待っていた。

 まさか入院することになろうとは誰も予想しておらず、すぐ戻ってくると思っていた。

『あっ!そうだ。のんびりしてないで伴さんたちにも今日のこと教えてあげなきゃ!』

 愛羽は伴、玲璃が豹那、風雅は神楽にそれぞれ電話をかけた。

『あれ?伴さん出ないなぁ…』

『んだよ豹那の奴。寝てやがんな?風雅はどーよ?』

『…神楽さんも、出ないよ』

『はぁ!?全く、4大総長さんたちは何やってんだよ。こうしちゃいらんねぇな。あたし、豹那んとこ行ってくるぜ』

 得意の1人行動先走りGOGOだ。

 言うが早いか玲璃はXJにまたがるとさっさと行ってしまった。

『あーあ、行っちゃった。もう…本当に素直じゃないんだから玲ちゃんは。豹那さんに会いたいならそうやって言えばいいのに。風ちゃんはどーする?』

『こういう話はどっちにしても電話じゃなくて直接会って話した方がいいと思う。いずれか会いに行くなら今の内に行っておいた方がいいかもしれないから僕も行ってくるよ』

 と風雅も行ってしまった。

『あたしも伴さんのとこ行った方がいいのかな?でもあたし伴さんがどこで何してるかなんて分かんないしなー。どうしよっかなー』

 愛羽は腕を組みながら空を眺めていた。その様子を少し離れた所で燃と数が見ている。

『なぁ燃。あいつ大丈夫か?1人で喋ってんぞ』

 少しヤバい奴を見るような目で数は愛羽を警戒した。

『なんであんたはそーゆーことしか言わないの?あの子あー見えてすごい子なんだよ?多分神奈川のこれからのこととか考えてないフリして考えてんのよ。あれ』

『…本当かぁ?』

 数はいまいちピンとこないようだ。すると愛羽が何かを閃いたように2人の方へやってきた。

『ねぇねぇ2人共!あたしいいこと考えた!』

 燃と数はその言葉を心して聞こうとした。

『ど、どうしたの?』

『うん。あのさ、3人で缶蹴りやんない!?暇だから!』

 二階堂燃と京極数は魂が抜けそうになった。
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