第144話 戦国原の誤算
文字数 1,248文字
『嘘だ…そんなバカな…』
今までは完全に鷹爪が撃たれて死ぬ場面をイメージしてきた。それが今変わってしまった。
ということは鷹爪を殺させまいと愛羽が盾になったか、はたまた逆に優子を殺させまいと撃たれるというのか。
『…嘘だ。そんなことありえない』
ここへ来て戦国原はうろたえていた。
『どうした?ずいぶん楽しそうだな、へへ。さぁ、もっと楽しもうぜ』
自分が描いたシナリオは完璧だ。いや、完璧だったはずだ。ここまでは全てがその通りだった。そしてそれはあらゆる可能性も考慮され、何がどう動いても結果がそこに結びつくようになっている。そう動いて、そうなるように他を動かしてきた。それが今変わった。
『…だって?まさか…今更未来は変わらない。あんな奴1人ここを抜けた位で変わる訳ない!』
『でももしかしたら変わってしまうかもしれない』
綺夜羅はボコボコの顔で笑った。
『そーゆー顔してるぜ、お前。そもそもだ、お前の言ってることはあたしにはよく分からねぇぜ。決まってる未来なんてねぇ。最後の最後、その瞬間まで何が起こるかなんて分からねぇ。多分、人生ってそーゆーもんだろ?だって最初っから全部決まってて全部その通りだったらよ、それ生きてるって言えんのか?お前、それで楽しいのか?』
『はい?あなたは本当に目障りですね』
『あいつは負けないとか、あいつにあいつは止められないとかあいつにあいつを殺させるとか、全部想像通りだぁ?てめえがそんなこと決めてんじゃねぇよ。たとえそれが想像のつく結果だとしても、それを出したのはお前じゃねぇ。その為に本気で走った奴らの力だ!そこ勘違いして見てるだけのお前が、偉そうに言ってんじゃねぇよ!』
戦国原は綺夜羅の顔面をムキになって殴りつけた。
ゴリッ。鈍い感覚が走った。治りかけようとしていた頬がおそらく砕けてしまったのだ。
戦国原は綺夜羅を殴り飛ばすと単車にまたがりエンジンをかけた。
やはり愛羽を先に、やはり愛羽だけは完全に潰しておくべきだった。今からでも追うしかない。ギアを入れると学校を目指し走り始めた。
『さてはてめぇ相当焦ってやがんな?』
言われて振り向くとなんと綺夜羅が単車にかろうじてしがみつきついてきていた。
『くっ、しつこい奴め!』
戦国原は走りながら蹴り落とそうとするが綺夜羅は耐えた。そして攻撃を浴びながらも戦国原の背後まで来ると、バッと手を伸ばしキーをオフにして抜き取りポイッとその辺に投げてしまった。単車は停止してしまう。エンジンは切れるがまだスピードが残ったままで走っている。
『行かせねぇよ。てめぇもここで道連れだ』
『何を!』
綺夜羅はおもいきり両手でハンドルを左にきった。
単車は勢いよく倒れ2人は吹っ飛んでいき地面に叩きつけられ、それぞれ擦りながら転がっていった。
『ざ…ざまぁ…みやがれ』
綺夜羅はもう立てそうになかった。しかし戦国原は傷を負うもなんとか立ち上がった。
『なんて人だ…全く予測がつかなかった』
立ち上がると少し体をかばいながら早足で学校へ向かった。
今までは完全に鷹爪が撃たれて死ぬ場面をイメージしてきた。それが今変わってしまった。
ということは鷹爪を殺させまいと愛羽が盾になったか、はたまた逆に優子を殺させまいと撃たれるというのか。
『…嘘だ。そんなことありえない』
ここへ来て戦国原はうろたえていた。
『どうした?ずいぶん楽しそうだな、へへ。さぁ、もっと楽しもうぜ』
自分が描いたシナリオは完璧だ。いや、完璧だったはずだ。ここまでは全てがその通りだった。そしてそれはあらゆる可能性も考慮され、何がどう動いても結果がそこに結びつくようになっている。そう動いて、そうなるように他を動かしてきた。それが今変わった。
『…だって?まさか…今更未来は変わらない。あんな奴1人ここを抜けた位で変わる訳ない!』
『でももしかしたら変わってしまうかもしれない』
綺夜羅はボコボコの顔で笑った。
『そーゆー顔してるぜ、お前。そもそもだ、お前の言ってることはあたしにはよく分からねぇぜ。決まってる未来なんてねぇ。最後の最後、その瞬間まで何が起こるかなんて分からねぇ。多分、人生ってそーゆーもんだろ?だって最初っから全部決まってて全部その通りだったらよ、それ生きてるって言えんのか?お前、それで楽しいのか?』
『はい?あなたは本当に目障りですね』
『あいつは負けないとか、あいつにあいつは止められないとかあいつにあいつを殺させるとか、全部想像通りだぁ?てめえがそんなこと決めてんじゃねぇよ。たとえそれが想像のつく結果だとしても、それを出したのはお前じゃねぇ。その為に本気で走った奴らの力だ!そこ勘違いして見てるだけのお前が、偉そうに言ってんじゃねぇよ!』
戦国原は綺夜羅の顔面をムキになって殴りつけた。
ゴリッ。鈍い感覚が走った。治りかけようとしていた頬がおそらく砕けてしまったのだ。
戦国原は綺夜羅を殴り飛ばすと単車にまたがりエンジンをかけた。
やはり愛羽を先に、やはり愛羽だけは完全に潰しておくべきだった。今からでも追うしかない。ギアを入れると学校を目指し走り始めた。
『さてはてめぇ相当焦ってやがんな?』
言われて振り向くとなんと綺夜羅が単車にかろうじてしがみつきついてきていた。
『くっ、しつこい奴め!』
戦国原は走りながら蹴り落とそうとするが綺夜羅は耐えた。そして攻撃を浴びながらも戦国原の背後まで来ると、バッと手を伸ばしキーをオフにして抜き取りポイッとその辺に投げてしまった。単車は停止してしまう。エンジンは切れるがまだスピードが残ったままで走っている。
『行かせねぇよ。てめぇもここで道連れだ』
『何を!』
綺夜羅はおもいきり両手でハンドルを左にきった。
単車は勢いよく倒れ2人は吹っ飛んでいき地面に叩きつけられ、それぞれ擦りながら転がっていった。
『ざ…ざまぁ…みやがれ』
綺夜羅はもう立てそうになかった。しかし戦国原は傷を負うもなんとか立ち上がった。
『なんて人だ…全く予測がつかなかった』
立ち上がると少し体をかばいながら早足で学校へ向かった。