第107話 人質救出班2人
文字数 1,317文字
『あのマンションで間違いない?蘭菜』
『うん。そうみたいね』
蘭菜と蓮華は琉花、千歌、泪、冬の監禁されているマンションに到着していた。
マンションの入り口ではCRSと思われる女が3人たむろしている。
『ということは、今部屋の中は守りが薄いのかもしれないわね』
『どうする?蘭菜。あの3人と戦う?』
それならそれでもいいが万が一人質を盾にされてしまうと一貫の終わりだ。都河泪はあまりにも無力すぎる。
『得策じゃないわね…』
外に3人いるということは中は1人、いても2人ではないだろうか。
『…多分、中の人間は油断してるはずだわ。まさか来るとは思ってないだろうから』
蘭菜は決断した。
『蓮華。回り込んで1人で中に行ってもらえる?私があの3人をなんとかするから』
『蘭菜…分かった。あたし、行くよ』
逆もしかりだが外の頭数を減らせなければ失敗する確率が増える。外から中に人質をやれと連絡されても中から外に応援を呼ばれてもやはり上手くいくとは思えない。
危険だが同時に進めるのが相手にとっても1番嫌な訳だ。
『えぇ…頼むわね。蓮華…』
『ちょっと!点滴替えなさいよ!』
琉花は声を大にして言う。今部屋では熊小路瞳が1人見張りをしていた。
『おい、人質のくせに口のきき方気をつけろよ?そんな奴どーなったってこっちには関係ねーんだぞ?』
『人質は丁重に扱えって、あんた言われてたでしょ!?』
八代と霞ヶ﨑と見張りを交代する時、熊小路はヘコヘコしていた。
『さぁな。そんなこと聞いた覚えねぇよ』
『ねぇ、お願いだから泪の点滴替えてあげて。泪に何かあったら困るから…』
琉花は頼みこむが熊小路はその様子を見て楽しんでいる。
『そうだなぁ、じゃあ3回回ってワンて言え』
言われて琉花は顔をピクッとさせたが怒りをなんとか噛み殺した。
『え?できねぇのか?じゃあ替えねぇぞ』
琉花は手足を手錠されながらも歯を食いしばって回り始めた。
上手く回れず何度か倒れながら、やっとの思いで3回まわった。
『…ワン』
『ははっ!聞こえねーよ。ダメだ、もう1回だ』
さすがに千歌も冬もその卑劣さに頭にきたようで熊小路をにらんだ。
『なんだその面ぁ。点滴替えなくていいのか?よし分かった。もう替えねぇ』
琉花は立ち上がった。
『分かった…もう1回やるから』
琉花はもう1回その場で回り始めた。しかし今度は琉花めがけて熊小路がおもいきり蹴りこんできた。
『うぅ!』
琉花は無防備な所を蹴り飛ばされ勢いよく倒れてしまった。
『くっ…』
『ははは!え?どうした?転んだからもう1度最初っからだ』
見ていた千歌が思わず立ち上がった。だが琉花がそれを止める。
『やめて千歌。座って。大丈夫だから』
『琉花…』
膝を抱えて座っていた冬も機嫌の悪そうな顔を向けている。
中ではアヤメが我慢ならず代われと言っているが冬はそれをしなかった。
泪という人質の状態があまりにもよくないからだ。下手な動きはできない。たとえ全員で熊小路の靴の裏を舐めようと点滴をしなければならないだろう。
『おうおう。ずいぶん反抗的な目だなぁ、てめぇら。決めた。もう点滴なんてしねぇからな』
熊小路がそう言うと部屋のインターホンが鳴った。
『ん?なんだ、交代か?』
『うん。そうみたいね』
蘭菜と蓮華は琉花、千歌、泪、冬の監禁されているマンションに到着していた。
マンションの入り口ではCRSと思われる女が3人たむろしている。
『ということは、今部屋の中は守りが薄いのかもしれないわね』
『どうする?蘭菜。あの3人と戦う?』
それならそれでもいいが万が一人質を盾にされてしまうと一貫の終わりだ。都河泪はあまりにも無力すぎる。
『得策じゃないわね…』
外に3人いるということは中は1人、いても2人ではないだろうか。
『…多分、中の人間は油断してるはずだわ。まさか来るとは思ってないだろうから』
蘭菜は決断した。
『蓮華。回り込んで1人で中に行ってもらえる?私があの3人をなんとかするから』
『蘭菜…分かった。あたし、行くよ』
逆もしかりだが外の頭数を減らせなければ失敗する確率が増える。外から中に人質をやれと連絡されても中から外に応援を呼ばれてもやはり上手くいくとは思えない。
危険だが同時に進めるのが相手にとっても1番嫌な訳だ。
『えぇ…頼むわね。蓮華…』
『ちょっと!点滴替えなさいよ!』
琉花は声を大にして言う。今部屋では熊小路瞳が1人見張りをしていた。
『おい、人質のくせに口のきき方気をつけろよ?そんな奴どーなったってこっちには関係ねーんだぞ?』
『人質は丁重に扱えって、あんた言われてたでしょ!?』
八代と霞ヶ﨑と見張りを交代する時、熊小路はヘコヘコしていた。
『さぁな。そんなこと聞いた覚えねぇよ』
『ねぇ、お願いだから泪の点滴替えてあげて。泪に何かあったら困るから…』
琉花は頼みこむが熊小路はその様子を見て楽しんでいる。
『そうだなぁ、じゃあ3回回ってワンて言え』
言われて琉花は顔をピクッとさせたが怒りをなんとか噛み殺した。
『え?できねぇのか?じゃあ替えねぇぞ』
琉花は手足を手錠されながらも歯を食いしばって回り始めた。
上手く回れず何度か倒れながら、やっとの思いで3回まわった。
『…ワン』
『ははっ!聞こえねーよ。ダメだ、もう1回だ』
さすがに千歌も冬もその卑劣さに頭にきたようで熊小路をにらんだ。
『なんだその面ぁ。点滴替えなくていいのか?よし分かった。もう替えねぇ』
琉花は立ち上がった。
『分かった…もう1回やるから』
琉花はもう1回その場で回り始めた。しかし今度は琉花めがけて熊小路がおもいきり蹴りこんできた。
『うぅ!』
琉花は無防備な所を蹴り飛ばされ勢いよく倒れてしまった。
『くっ…』
『ははは!え?どうした?転んだからもう1度最初っからだ』
見ていた千歌が思わず立ち上がった。だが琉花がそれを止める。
『やめて千歌。座って。大丈夫だから』
『琉花…』
膝を抱えて座っていた冬も機嫌の悪そうな顔を向けている。
中ではアヤメが我慢ならず代われと言っているが冬はそれをしなかった。
泪という人質の状態があまりにもよくないからだ。下手な動きはできない。たとえ全員で熊小路の靴の裏を舐めようと点滴をしなければならないだろう。
『おうおう。ずいぶん反抗的な目だなぁ、てめぇら。決めた。もう点滴なんてしねぇからな』
熊小路がそう言うと部屋のインターホンが鳴った。
『ん?なんだ、交代か?』