第95話 さすが関西一の女

文字数 760文字

 その頃人質救出班の5人は、とりあえず1番顔のムカつく人間を乱闘の中から素早い動きで引っ張り出し、ひと気のない影の方へ連れていくと早速作業が始まった。

 玲璃と麗桜がタッグになり玲璃が体を羽交い絞めに押さえつけ麗桜がサンドバッグにした。

『おい!人質の居場所を言え!』

 殴りつけながら何回も聞くが相手は知らないの一点張りだった。

『ちっ。よし、麗桜交代だ。次はあたしの番だ。嫌でも吐かせてやるぜ』

 玲璃が馬乗りになりパンチを連打したが質問する前にストップがかかった。

『おい、やめやめ。お前らは全然やり方がなっとらん』

 と天王道眩が前に出た。

 相手は少なくともボクサーの麗桜のパンチを受け凶暴な玲璃に引きずり回され、もう抵抗する力も残っていないようだ。

『よーし。今からお前が質問に答えへん度に歯を奥からバキバキにしたるからな。早よ答えんのやで。ほな質問や、人質はどこにおんねん』

 2秒。2秒待って言葉が出ないと見るや眩は遠慮なくフルスイングで殴り飛ばした。

 文字にしたならバッチコーン!!というような音と共にCRSの女は勢いよく吹っ飛び転がっていった。
 玲璃と麗桜は思わず顔を見合わせ目が点になっていた。
 これはちょっと、もしかしたら豹那よりも強烈かもしれない。

(嘘じゃない…関西一ってゆーのは全然嘘じゃない…)

 2人はその恐るべき力に息を呑んだ。更にだ。

『あ!あぁ!泡吹いてるよ眩さん!』

『もう、姉さん!姉さんがおもいきり殴ったら喋れるものも喋れなくなっちゃうわよ!ちょっとは手加減してよ!』

『いやっっ、すまん。つい力が入りすぎてしもた。あかん…こいつ目覚めるか?』

『いや、完全にのびちゃってるよ…』

 離れて見ていた蘭菜が溜め息をついた。

『2人目に行くしかないわね…』

 人質の居場所を突き止めるまではもう少しかかりそうである。
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