第77話 監禁所
文字数 1,101文字
『ねぇ…心愛さん』
『なんだ?』
『オレら一体なんなんすか?』
『どうした燎。急に改まって』
八代心愛と霞ヶ﨑燎は緋薙豹那襲撃作戦の後、特別任務についていた。
2人は今とあるマンションの1室でひたすらゲームをしていた。
『つーか心愛さんはなんとも思わないんすか?もうこうやってずーっとゲームしてテレビ見ての繰り返しですけど』
『燎、これは特別任務だ。それよりどうだ?私の上達ぶりは』
『いや、そりゃすごいっすよ。最初あんな下手くそだったのに今やオレとどっこいどっこいですからね。…いや、そうじゃなくて…なんかオレらいいように使われすぎじゃないすか?』
『まぁそう言うな。夜道で人を襲わされるよりいいじゃないか。ずっとゲームしてられるんだぞ?こんないい仕事はない』
『はぁ…そうっすね』
霞ヶ﨑が肩を落とすと向こうの部屋から呼ぶ声がした。
『ねぇちょっと!点滴終わり!交換して!』
『む、燎、仕事だ。ゲームを一時停止していこう』
『はぁ…』
霞ヶ﨑が新しい点滴のパックを持つと2人はその部屋に向かった。
『うむ、ご苦労。よく知らせてくれた。今日の夕飯は何にするか。ピザか?それとも寿司でも取るか?』
すかさず琉花が文句を言った。
『そんなんばっかじゃん。なんかもっとヘルシーな物にしてよ!あたしササミのサラダとかがいいんだけど』
『ん、そうか。じゃあ燎、今日は七条琉花のリクエスト通りササミのサラダで頼む。ヘルシーなやつな』
『えぇ!?オレが作んすか!?』
『当たり前だ。人質は丁重に扱えと言われている。それに私は作れない』
『…はぁ、分かりました』
今このマンションの1室では拉致られた七条琉花、龍千歌、都河泪、そして疎井冬が監禁されているのだが、その監視役がこの2人という訳なのである。
千歌は霞ヶ﨑の方をにらんでいる。
『うっ!な、なんすか!もう謝ったじゃないすか!今は1つ屋根の下なんすから、にらむのとかやめましょうよ…もう、怖えーったらねぇや…』
『すまんな龍千歌。私が行かなかったから燎が行く羽目になってしまったのだ。こいつに罪はない。私を恨んでくれ』
敵ではあるのだがこの2人との生活の中で確かに力が抜けてしまってはいた。
何かと気は使ってくれるし多少のわがままも八代が首を縦に振ってしまうし一切危害を加えたりしない。
それどころか何より泪のことをちゃんと見てくれた。
先程は琉花が知らせていたがこまめに点滴の残りや泪の様子を気にしてくれている。
少し前の自分たちだったらこうはならなかった。
だからこの2人をただの悪者だとは思えなかった。
『間違っても私の趣味じゃないことは分かってくれ。ここに監禁されているのは、我々も一緒だ』
『なんだ?』
『オレら一体なんなんすか?』
『どうした燎。急に改まって』
八代心愛と霞ヶ﨑燎は緋薙豹那襲撃作戦の後、特別任務についていた。
2人は今とあるマンションの1室でひたすらゲームをしていた。
『つーか心愛さんはなんとも思わないんすか?もうこうやってずーっとゲームしてテレビ見ての繰り返しですけど』
『燎、これは特別任務だ。それよりどうだ?私の上達ぶりは』
『いや、そりゃすごいっすよ。最初あんな下手くそだったのに今やオレとどっこいどっこいですからね。…いや、そうじゃなくて…なんかオレらいいように使われすぎじゃないすか?』
『まぁそう言うな。夜道で人を襲わされるよりいいじゃないか。ずっとゲームしてられるんだぞ?こんないい仕事はない』
『はぁ…そうっすね』
霞ヶ﨑が肩を落とすと向こうの部屋から呼ぶ声がした。
『ねぇちょっと!点滴終わり!交換して!』
『む、燎、仕事だ。ゲームを一時停止していこう』
『はぁ…』
霞ヶ﨑が新しい点滴のパックを持つと2人はその部屋に向かった。
『うむ、ご苦労。よく知らせてくれた。今日の夕飯は何にするか。ピザか?それとも寿司でも取るか?』
すかさず琉花が文句を言った。
『そんなんばっかじゃん。なんかもっとヘルシーな物にしてよ!あたしササミのサラダとかがいいんだけど』
『ん、そうか。じゃあ燎、今日は七条琉花のリクエスト通りササミのサラダで頼む。ヘルシーなやつな』
『えぇ!?オレが作んすか!?』
『当たり前だ。人質は丁重に扱えと言われている。それに私は作れない』
『…はぁ、分かりました』
今このマンションの1室では拉致られた七条琉花、龍千歌、都河泪、そして疎井冬が監禁されているのだが、その監視役がこの2人という訳なのである。
千歌は霞ヶ﨑の方をにらんでいる。
『うっ!な、なんすか!もう謝ったじゃないすか!今は1つ屋根の下なんすから、にらむのとかやめましょうよ…もう、怖えーったらねぇや…』
『すまんな龍千歌。私が行かなかったから燎が行く羽目になってしまったのだ。こいつに罪はない。私を恨んでくれ』
敵ではあるのだがこの2人との生活の中で確かに力が抜けてしまってはいた。
何かと気は使ってくれるし多少のわがままも八代が首を縦に振ってしまうし一切危害を加えたりしない。
それどころか何より泪のことをちゃんと見てくれた。
先程は琉花が知らせていたがこまめに点滴の残りや泪の様子を気にしてくれている。
少し前の自分たちだったらこうはならなかった。
だからこの2人をただの悪者だとは思えなかった。
『間違っても私の趣味じゃないことは分かってくれ。ここに監禁されているのは、我々も一緒だ』