第140話 洗熊
文字数 695文字
『なんかさぁ、久しぶりだね』
思わず口から出た言葉だったが、自分で言っておきながら不思議だった。
『え?そーお?ついこの間来たばっかじゃない?』
泪も首を傾げる。
『いや…そうじゃなくて。なんか、会うのが…』
『ははっ、何言ってんの?あたしたちほぼ毎日顔合わしてると思うんですけど』
泪は呆れて言うが、確かに言われてみればずーっと一緒だった気がする。
『そうだよね。なんでかな?あたし何言ってんだろ』
もうかれこれ小学校の頃からこの泪とはずーっと一緒にいる。昨日も、一昨日も一緒だった。そうだ、なんで自分はそんなことを…
高校に上がって走り屋のチーム焔狼を作って、自分と泪と琉花と千歌、これからもずっと一緒にって口ぐせのように言ってたのは自分じゃないか。
『ねぇねぇ聞いて!さっきさぁ、超可愛いのがいたの。あれなんだろ、アライグマ?』
『アライグマなんてこんなとこにいないと思うけど。タヌキじゃない?』
『えぇぇ!?タヌキってあんなに可愛いの!?なんかマンガとかで見るのと全然違くない!?あたしあの子飼いたいんですけど!』
『いや、結構狂暴だってなんかで見たよ?飼うのは無理じゃない?』
『だってあの子超~可愛いかったんだよ!?あっ!写真撮ればよかった!まだ近くにいないかな?瞬、ちょっと一緒に行こっ!』
『え?行こって?えっ?』
泪は瞬の手を引きグイグイ林の中を進んでいった。
『ねぇ泪、あんま行きすぎると戻れなくない?』
『へーきへーき。この人間磁石泪ちゃんに任せなさい。もうちょっと向こうなんだ』
そう言って泪はどんどん奥に入っていってしまう。ちゃんと帰れるだろうか。
いや…というより、何か忘れてるような…
思わず口から出た言葉だったが、自分で言っておきながら不思議だった。
『え?そーお?ついこの間来たばっかじゃない?』
泪も首を傾げる。
『いや…そうじゃなくて。なんか、会うのが…』
『ははっ、何言ってんの?あたしたちほぼ毎日顔合わしてると思うんですけど』
泪は呆れて言うが、確かに言われてみればずーっと一緒だった気がする。
『そうだよね。なんでかな?あたし何言ってんだろ』
もうかれこれ小学校の頃からこの泪とはずーっと一緒にいる。昨日も、一昨日も一緒だった。そうだ、なんで自分はそんなことを…
高校に上がって走り屋のチーム焔狼を作って、自分と泪と琉花と千歌、これからもずっと一緒にって口ぐせのように言ってたのは自分じゃないか。
『ねぇねぇ聞いて!さっきさぁ、超可愛いのがいたの。あれなんだろ、アライグマ?』
『アライグマなんてこんなとこにいないと思うけど。タヌキじゃない?』
『えぇぇ!?タヌキってあんなに可愛いの!?なんかマンガとかで見るのと全然違くない!?あたしあの子飼いたいんですけど!』
『いや、結構狂暴だってなんかで見たよ?飼うのは無理じゃない?』
『だってあの子超~可愛いかったんだよ!?あっ!写真撮ればよかった!まだ近くにいないかな?瞬、ちょっと一緒に行こっ!』
『え?行こって?えっ?』
泪は瞬の手を引きグイグイ林の中を進んでいった。
『ねぇ泪、あんま行きすぎると戻れなくない?』
『へーきへーき。この人間磁石泪ちゃんに任せなさい。もうちょっと向こうなんだ』
そう言って泪はどんどん奥に入っていってしまう。ちゃんと帰れるだろうか。
いや…というより、何か忘れてるような…