第１１５話　明かされる真実

　槐は圧倒的な力で、あれ程愛羽たちが４人がかりで手も足も出なかったアジラナをどんどん追いつめていった。

『ほらどないした。さっきとまるで別人やないか。偉そなことゆーてみーや。その下手っくそな日本語で！』

　アジラナは全く口を開かなくなってしまった。

　まさかアジラナがここまでやられるとはＳＥＸＹＭＡＲＩＡの女たちも思っていなかったはずで周りも少し静かになってしまっていた。

　どこからか甲高い音を響かせて単車が走ってくる音が聞こえた。
　それはどんどん近くなりその場に現れた。

　渋いワインレッドの特攻服に鬼音姫の３文字。

　その下には縦で「暴走夢浪漫」とある。

　ＲＺに跨がって現れたのは他でもない哉原樹だった。

『樹さん！』

『麗桜から話は聞いた。ここにすぐ静火たちが鬼音姫を全員引き連れてやってくる。それまで悪いが辛抱してくれ。あたしは行かせてもらう』

『ま、待て！哉原樹！』

　樹が発進しようとすると心愛が樹を呼び止めた。

『誰だ？なんだよお前』

『私は優子の仲間だ。少し時間をくれ。お前に伝えなければならないことがある』

『伝えなければならないこと？…』

　心愛は一方的に話を始めた。