第100話 作戦変更

文字数 600文字

 愛羽、玲璃、蘭菜、蓮華、それに眩は改めてどうするかを話し合った。
 だが悩む時間はなく、答えを出さなければならなかった。
 玲璃が髪をかきむしる。

『くそー。どうする?誰がどっちだ?どっちが誰だ?』

『…あたしが蘭菜と人質助ける方行くから、愛羽と玲璃は眩さんと一緒に麗桜を追って。何より、あの人絶対助けてあげて』

 そう言ったのは蓮華だった。

『そうするか~?でも、そっち2人だぞ?大丈夫かよ!』

 人質のいる場所には少なくとも数人の見張りがいる。本当なら5人で行って救出したいが生憎場所が全然違う方向である為、時間的に考えても厳しい。
 二手に別れるとしたら蘭菜と蓮華では少し心配ではある。

 ふと眩が蓮華の肩に腕を回した。

『大丈夫、やな?最初から行くゆーてたもんな?そやろ?』

 蓮華は首を縦に振った。

『上手くいって冬に会うたら、すまんと言っといてくれ』

 蓮華と蘭菜はうなずくとすぐに出発した。

『あたしらも早く行こう!』

 玲璃が言って愛羽たちも自分の単車まで走った。

 眩は瞬と激闘を繰り広げる煌の側を通ると妹に向かって声をかけた。

『煌…ここは任せたで』

 押されているのが見ていて分かる。だが傷だらけになりながらも立派に戦う実の妹に眩は笑いかけた。今この場を任せられるのは彼女しかいない。
 煌は振り向かないままで大きく息を吸いこんだ。

『こんなん見とらんと早よ行かんかい!!』

 眩はそれを聞くとニッと笑って走りだした。
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