第141話 争いのない国
文字数 408文字
神楽は心臓の音を確かめる為に瞬の胸に耳を押し当てた。
『…』
しかし動きが感じられないどころか小さな音だって聞こえない。
『おい…』
あぁ、ダメだ。逝ってしまう。
兄縁と同じ、この世界と違うどこかへ。
争いのない国へ。
あぁ、またそうやって失なわれてしまう。
『…バカ野郎。寝てんじゃないよ…』
神楽は声を震わせた。
『お前にはまだ説教が残ってるって、言ったじゃないかよ…』
いや、震えているのは体だろうか。神楽は瞬の胸ぐらをつかみ体を起こさせるとビンタした。
『おい、起きろ…』
琉花も千歌もそれを見て文句を言おうとした。だが神楽を見て言うのをやめてしまった。
あの神楽が泣いている。
『…おい、起きろよ。お前、あたしの夢応援してくれるって言ったんだろ?お前が言ったんだから、ちゃんと見届けろ。人の背中押しといて…こんなとこでカッコつけて死んでんじゃねぇよ!』
神楽がまた平手を振りかぶるのを風雅が後ろから肩を抱いて止めた。
『…』
しかし動きが感じられないどころか小さな音だって聞こえない。
『おい…』
あぁ、ダメだ。逝ってしまう。
兄縁と同じ、この世界と違うどこかへ。
争いのない国へ。
あぁ、またそうやって失なわれてしまう。
『…バカ野郎。寝てんじゃないよ…』
神楽は声を震わせた。
『お前にはまだ説教が残ってるって、言ったじゃないかよ…』
いや、震えているのは体だろうか。神楽は瞬の胸ぐらをつかみ体を起こさせるとビンタした。
『おい、起きろ…』
琉花も千歌もそれを見て文句を言おうとした。だが神楽を見て言うのをやめてしまった。
あの神楽が泣いている。
『…おい、起きろよ。お前、あたしの夢応援してくれるって言ったんだろ?お前が言ったんだから、ちゃんと見届けろ。人の背中押しといて…こんなとこでカッコつけて死んでんじゃねぇよ!』
神楽がまた平手を振りかぶるのを風雅が後ろから肩を抱いて止めた。