第41話 スーツの女
文字数 1,363文字
愛羽たちが厚央を離れてから間もなく1台の車が現れていた。
校舎の中にいた優子やアジラナ、熊小路、他全学年全員が一斉に外へ出てくるとその車の周りに並んだ。
中の人物は出てこず代わりに窓が開いていく。
厚央の女たちは声を張り上げ挨拶し、鋭い目をしたスーツの女が中から喋った。
『おう。なんかこの辺お巡りがうろついてんけどなんかやったのか?』
すぐに優子が前に出ていく。
『大したことじゃないです。ちょっとガキと揉めただけで、もう終わりましたから』
『もめたってどこのガキとだ?』
『いや、どこっすかね。よく見てなかったんで…』
優子は嘘をついた。だがアジラナはそれを許さなかった。
『ヒラツカニシコウダッタカナ?ムコウハユーコヲシッテルフウダッタ。アトオダワラカラモキタンダ。ロクニンズツダッタヨ』
スーツの女は興味を示した。
『たった12人で殴り込みに来たってのか?夜叉猫と悪修羅嬢か?』
アジラナはニヤニヤしている。優子はアジラナをにらみつけた。だがそんなのお構いなくアジラナは喋り続ける。
『チガウチガウ。オダワラノヤツハボーソーアイドルトカユーチームラシイヨ、タカヅメサン。タッタロクニンデボーソーゾクダッテサ。ワラッチャウヨネ』
『へぇ。とにかく訳分かんねぇ勘違い野郎がのりこんできた訳か。ちゃんとぶっ殺して金取ったのか?』
『イヤイヤ、トチューデオマワリキテニゲラレチャッテブッコロセナカッタンダ。デモダイジョーブ、ヒラツカノロクニンハウチニケンカウッタカラテキタイニンテイシタシ、オダワラノヤツモヤシャネコトイッショニツブシチャウカラ』
『ウチにたてつく奴はガキだろうと容赦しねぇよ。シャブ打ってハメ撮りさせてでも金にしてやる。なんだ優子そんな顔して。ケンカしてんのか?アジラナと』
『いえ…』
『ユーコハオコッテルンダヨ。ソイツラユーコノシリアイミタイダッタカラ、ソイツラブッコロシタクナインダヨ』
『知り合い?』
『いえ、ちょっと顔知ってるだけで…』
『そうかそうか、優子は優しいからな。分かるよ。でもなぁ優子、お前が総長なんだからよ、あたしの言いたいこと、分かるよなぁ?』
『…はい。分かってます』
『ならいいな。覇女、夜叉猫、悪修羅嬢に加えてそいつらもキッチリぶっ殺せ。神奈川の暴走族は全部鷹爪組が面倒を見る。その為にまずCRSがそいつら全部潰して1番にならなきゃいけないんだよ。優子、お前に任せてんだからな。半端は言うなよ?』
『…はい。大丈夫です』
このスーツの女は鷹爪肖 。
厚央、そしてCRSの黒幕だ。
『優子、これ預かっててくれ』
鷹爪はスポーツバッグを取り出すと優子に手渡した。
『じゃあな。今日はあたしも忙しいからよ。四阿と先生と一緒に横浜行ってくるからよ』
『センセイ?』
『あぁ。今日は神奈川制覇に向けて記念すべき第一歩になる』
それだけ言うと鷹爪は行ってしまった。
その場を解散すると優子は1人美術室に戻りバッグの中身を確認した。
おおよそ見当はついていたがやはり中身は覚醒剤だ。ドラム型のスポーツバッグがパンパンになるほど詰め込まれている。
『…しかし、それにしてもいつにも増してすごい量だな、くそ。毎回毎回どっからそんなに湧いてくるんだか…』
持ち運ぶには目立ち、めんどくさいサイズだ。
優子はそれを美術室に隠しておくことにした。
校舎の中にいた優子やアジラナ、熊小路、他全学年全員が一斉に外へ出てくるとその車の周りに並んだ。
中の人物は出てこず代わりに窓が開いていく。
厚央の女たちは声を張り上げ挨拶し、鋭い目をしたスーツの女が中から喋った。
『おう。なんかこの辺お巡りがうろついてんけどなんかやったのか?』
すぐに優子が前に出ていく。
『大したことじゃないです。ちょっとガキと揉めただけで、もう終わりましたから』
『もめたってどこのガキとだ?』
『いや、どこっすかね。よく見てなかったんで…』
優子は嘘をついた。だがアジラナはそれを許さなかった。
『ヒラツカニシコウダッタカナ?ムコウハユーコヲシッテルフウダッタ。アトオダワラカラモキタンダ。ロクニンズツダッタヨ』
スーツの女は興味を示した。
『たった12人で殴り込みに来たってのか?夜叉猫と悪修羅嬢か?』
アジラナはニヤニヤしている。優子はアジラナをにらみつけた。だがそんなのお構いなくアジラナは喋り続ける。
『チガウチガウ。オダワラノヤツハボーソーアイドルトカユーチームラシイヨ、タカヅメサン。タッタロクニンデボーソーゾクダッテサ。ワラッチャウヨネ』
『へぇ。とにかく訳分かんねぇ勘違い野郎がのりこんできた訳か。ちゃんとぶっ殺して金取ったのか?』
『イヤイヤ、トチューデオマワリキテニゲラレチャッテブッコロセナカッタンダ。デモダイジョーブ、ヒラツカノロクニンハウチニケンカウッタカラテキタイニンテイシタシ、オダワラノヤツモヤシャネコトイッショニツブシチャウカラ』
『ウチにたてつく奴はガキだろうと容赦しねぇよ。シャブ打ってハメ撮りさせてでも金にしてやる。なんだ優子そんな顔して。ケンカしてんのか?アジラナと』
『いえ…』
『ユーコハオコッテルンダヨ。ソイツラユーコノシリアイミタイダッタカラ、ソイツラブッコロシタクナインダヨ』
『知り合い?』
『いえ、ちょっと顔知ってるだけで…』
『そうかそうか、優子は優しいからな。分かるよ。でもなぁ優子、お前が総長なんだからよ、あたしの言いたいこと、分かるよなぁ?』
『…はい。分かってます』
『ならいいな。覇女、夜叉猫、悪修羅嬢に加えてそいつらもキッチリぶっ殺せ。神奈川の暴走族は全部鷹爪組が面倒を見る。その為にまずCRSがそいつら全部潰して1番にならなきゃいけないんだよ。優子、お前に任せてんだからな。半端は言うなよ?』
『…はい。大丈夫です』
このスーツの女は
厚央、そしてCRSの黒幕だ。
『優子、これ預かっててくれ』
鷹爪はスポーツバッグを取り出すと優子に手渡した。
『じゃあな。今日はあたしも忙しいからよ。四阿と先生と一緒に横浜行ってくるからよ』
『センセイ?』
『あぁ。今日は神奈川制覇に向けて記念すべき第一歩になる』
それだけ言うと鷹爪は行ってしまった。
その場を解散すると優子は1人美術室に戻りバッグの中身を確認した。
おおよそ見当はついていたがやはり中身は覚醒剤だ。ドラム型のスポーツバッグがパンパンになるほど詰め込まれている。
『…しかし、それにしてもいつにも増してすごい量だな、くそ。毎回毎回どっからそんなに湧いてくるんだか…』
持ち運ぶには目立ち、めんどくさいサイズだ。
優子はそれを美術室に隠しておくことにした。