第118話 ボク
文字数 1,326文字
愛羽と綺夜羅がそこにたどり着いた時には旋は地面に突っ伏させられていた。
『めぐ!珠凛!』
綺夜羅は駆け寄っていった。
『はぁ…はぁ…ダメだ綺夜羅。あいつ、強いのなんのって…珠凛なんて足折られちゃってんだよ?』
『あいつ?』
すぐそこの壁に寄りかかってレディが立っていた。
『てめぇか…』
『あらあら、君たちまで来ちゃったの?本当に使えない兵隊共だなぁ』
レディは首をかしげながらゆっくりとこちらに向かってくる。
『めぐ!珠凛を連れていけ!コイツはあたしに任せろ』
言われて旋は珠凛に肩を貸し歩きだしていった。
『口だけは大きいみたいだね。月下綺夜羅』
綺夜羅のフルネームを知っている。何者だ?
『うるせぇ!このマスク野郎!喋る時は取りやがれ!』
『ふふふ、何言ってるの?バカ丸出しだよ。あー嫌だなぁ、バカの相手は』
綺夜羅は挑発されるがままに突っこんでいった。
『その鼻へし折ってやる!』
おもいきり体重を乗せた綺夜羅のパンチがブンと空振りすると、まるで薄い布のように空中でひっくり返され地面に叩きつけられた。
『ぐっ!』(なんだ!?何をしやがったんだ!?)
突然空が見えると綺夜羅は理解もできぬまま倒されていた。そして上から顔を、鼻を踏みつけられた。
『鼻をへし折るっていうのはね、こうやるんだよ。こうやってグッと力を入れてさ』
レディは踏みつける足に力を込めた。すると愛羽がレディに飛びかかってそれを阻止した。
だが愛羽も軽々と一本背負いされアスファルトに叩きつけられ踏みつけられた。
『あ"ぁっ!』
『かわいそうだけど腕を外しておこうかな。君にチョロチョロされるのが1番困るんだ。…んっ?』
甲高い音を響かせながらRZが突っこんできた。
『ちっ』
レディは愛羽から手を放し離れる。
『大丈夫か、おめーら』
『樹さん…』
愛羽が立ち上がるのに手を借りると、ここでやっとレディが目を細めた。
『哉原樹…ちぇっ、次から次へと通しやがって』
『今頃ウチのメンバー全員到着してる頃だ。おめーらに勝ちはねぇぞ』
『あっ、その辺は気にしないでください。全部想定内ですから。そうなった時の手は打ってあります。多分負けませんよ。それにあいつらが負けようと私の計画には関係ありませんから』
『樹さん行って。麗桜ちゃんもめぐちゃんも珠凛ちゃんも行ってるから。この人はあたしたちがなんとかするから』
『あいつらのこと頼んだぜ、先輩』
『くたばり損ないがよく言いますね』
その通りだ。2人共とっくに底が見えてる。だが樹はギアを入れた。もう優子はすぐそこだ。
残りたい気持ちはやまやまだがRZを発進させた。
不思議なことにレディは樹のことなど見向きもしなかった。樹が行ってしまったというのに焦る様子など1ミリも見せなかった。
『ずいぶん余裕じゃねーか。いいのか?私の計画とやらは崩壊寸前なんだぜ?』
『ふふふ』
レディがそう笑った時だった。
(あれ?今の声、どこかで…)
愛羽はその声を聞いて妙な胸騒ぎを覚えた。
『分かってませんね。哉原樹に白桐優子は止められませんよ。後は君たちをここで始末すればボクの計画は全て予定通りです』
(…ボク?…もしかして…この人…)
愛羽はとんでもないことに気づいてしまった。
『…冥ちゃんなの?』
『めぐ!珠凛!』
綺夜羅は駆け寄っていった。
『はぁ…はぁ…ダメだ綺夜羅。あいつ、強いのなんのって…珠凛なんて足折られちゃってんだよ?』
『あいつ?』
すぐそこの壁に寄りかかってレディが立っていた。
『てめぇか…』
『あらあら、君たちまで来ちゃったの?本当に使えない兵隊共だなぁ』
レディは首をかしげながらゆっくりとこちらに向かってくる。
『めぐ!珠凛を連れていけ!コイツはあたしに任せろ』
言われて旋は珠凛に肩を貸し歩きだしていった。
『口だけは大きいみたいだね。月下綺夜羅』
綺夜羅のフルネームを知っている。何者だ?
『うるせぇ!このマスク野郎!喋る時は取りやがれ!』
『ふふふ、何言ってるの?バカ丸出しだよ。あー嫌だなぁ、バカの相手は』
綺夜羅は挑発されるがままに突っこんでいった。
『その鼻へし折ってやる!』
おもいきり体重を乗せた綺夜羅のパンチがブンと空振りすると、まるで薄い布のように空中でひっくり返され地面に叩きつけられた。
『ぐっ!』(なんだ!?何をしやがったんだ!?)
突然空が見えると綺夜羅は理解もできぬまま倒されていた。そして上から顔を、鼻を踏みつけられた。
『鼻をへし折るっていうのはね、こうやるんだよ。こうやってグッと力を入れてさ』
レディは踏みつける足に力を込めた。すると愛羽がレディに飛びかかってそれを阻止した。
だが愛羽も軽々と一本背負いされアスファルトに叩きつけられ踏みつけられた。
『あ"ぁっ!』
『かわいそうだけど腕を外しておこうかな。君にチョロチョロされるのが1番困るんだ。…んっ?』
甲高い音を響かせながらRZが突っこんできた。
『ちっ』
レディは愛羽から手を放し離れる。
『大丈夫か、おめーら』
『樹さん…』
愛羽が立ち上がるのに手を借りると、ここでやっとレディが目を細めた。
『哉原樹…ちぇっ、次から次へと通しやがって』
『今頃ウチのメンバー全員到着してる頃だ。おめーらに勝ちはねぇぞ』
『あっ、その辺は気にしないでください。全部想定内ですから。そうなった時の手は打ってあります。多分負けませんよ。それにあいつらが負けようと私の計画には関係ありませんから』
『樹さん行って。麗桜ちゃんもめぐちゃんも珠凛ちゃんも行ってるから。この人はあたしたちがなんとかするから』
『あいつらのこと頼んだぜ、先輩』
『くたばり損ないがよく言いますね』
その通りだ。2人共とっくに底が見えてる。だが樹はギアを入れた。もう優子はすぐそこだ。
残りたい気持ちはやまやまだがRZを発進させた。
不思議なことにレディは樹のことなど見向きもしなかった。樹が行ってしまったというのに焦る様子など1ミリも見せなかった。
『ずいぶん余裕じゃねーか。いいのか?私の計画とやらは崩壊寸前なんだぜ?』
『ふふふ』
レディがそう笑った時だった。
(あれ?今の声、どこかで…)
愛羽はその声を聞いて妙な胸騒ぎを覚えた。
『分かってませんね。哉原樹に白桐優子は止められませんよ。後は君たちをここで始末すればボクの計画は全て予定通りです』
(…ボク?…もしかして…この人…)
愛羽はとんでもないことに気づいてしまった。
『…冥ちゃんなの?』