2.3 Are we computers ?  アネクドーツ1。

文字数 1,040文字

  なにをどう思ったのかは今では分からないが、ボクは人間はコンピューターだと言っていた。みんな少しずつプラグラムが違うコンピューターなのだと。何らかの閃き(認識)があったのだろう。驚きとともに絶望感も抱いていた。まさかコンピューターだとは...。だから、誰であっても、こちらが真剣に答えを求めるならば、回答が返ってくると言う。どんな問いであってもだ。ただし、それを知りたいという思いは本物でなければならないとも言っていた。*(”言ってた”という表現はおかしい。本当は〈思った〉〈考えた〉なのだがシックリくるものを敢えて採択した)。

  ボクは、これを実験もした。場所は美容院で相手はボクの髪を切ってくれていた馴染みの年配の女性だった。とても人柄のいい人だった。どんな問いだったかは憶えていないが、結果はまあまあの感触だったように思ったと記憶する。

  ナイトクラスに心理学をとっていた。先生は長身の年配の男性だった。誠実な人に見受けられた。授業の最後にボクは一人残り、彼に私たちはコンピュータなのかと問いかけをした。ボクは、かなりショックを受けていたので誰かに聞いてもらいたかったのだ。彼は否定はしなかった。少し沈黙してから、そうなのかもしれないと答えた。他にも、この先生との逸話はいくつかあるのだが。もう一つだけは残しておこう、ボクが黒板に何やらモデル図を描き問いかけをしている。図は大きな円で中に十時の線があった。ボクは縦線の上下両端に矢印を書く。中心から上へ向かうベクトル、そして下へ向かうベクトルだ。そして中心が今の存在だと表す。ボクの問いの内容は、もし上が善へ向かうあり方、下が悪へと向かうあり方だとすると....、右斜め上や左斜め下に向かうベクトルに表される存在志向はありえるのかというものだった。彼は「無い」と答えた。在るのは上への、善に向けての存在志向だけだと。何故かというと、”It works” だからとだけ答えた。えらくにこやかで威厳、自信に満ちた表情で答えられたのが印象に残る。その後、彼は彼で、おかしなことをボクに伝えだす。床に立て膝で腰を下ろし、下に手を広げ ”この地球も生きている” とボクに説いた。一個の生命体だと。

補記:
ベクトルの話は身もふたもない言い方をするなら、悪を取り混ぜての生き方は
ありえるかの問いでしかない。ボクは両方を選べないものなのかと考えていた。
*当然、下手なものの話ではない。霊感の源泉としてのものの話だ。
  
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