0.2 Mom ある夫婦の話し(2)。

文字数 3,207文字

  あるタイプ論がある。リソ氏のものにおいて、自分の幼児期に関する部分を読んでみると、こんなことが書いてある...。「なになに、両親との一体感が持てなかった〜?」「両親間の問題、二人の確執葛藤などを側で敏感に感じることにより、結果、不幸で孤独な時を過ごすだと〜」。「果たされるべき親としての役割、良き[人としての手本]とは認められなかったことから結果、自分の主体性をまとめるにおいて感情と想像力を利用するだと〜」....。『えらい本質を突いてくれるやないか〜!』(強浪速調で)。他の内容においては、いろいろ承認はできない記述も多くあるのだけれど、骨子としてはまったく正しい。*この骨子を表すために、敢えて独断的に言葉を紡いでいってられると思えなくもない。まあ、いいんだけれど...。ボクは、あまり熱心に、このタイプ論を学ぶことはしない。*P.H.O'Leary+他による最初の本だけは別で、[ Simple & the Best ]としてみなしてはいる。あまり[頭]先行で行くことは個人的に好きではないのだ。[感覚][感情]等の原始的な情報が十分に整理/消化されてから、これらを理解するのが自分の流儀なのだから(年月がいる)。また、非常にデリケートな部分に触るので慎重に行わなければならない。リソ 氏のものは情報が多い分、注意しなければならない。”才走る”ことは絶対にあってはならない領域なのだから。頭だけで、人の有り様を、とやかく言うのは絶対に許されることではない。

  このタイプ論では、二つの可能性を思ってしまう。一つは現実とは別に[個人の傾向性](バイアス)により、世界を色眼鏡で見てしまっているというケース。*ならば、すべては単なる個人の囚われ(偏見)による誤解でしかない。もう一つは、世界自体が、タイプを顕在化する目的で創造され、緻密な調整演出を加えながら維持されているのが実は本当であるというもの。*もしかしたら両方とも並び立つのか?。ボクは勿論後者の支持者である。世界は世界自体に準拠する。すべては(ある目的の為に備えられている)マボロシ。よって、求められるままに”果たされたならば”、「過ぎ去りて全ては善し」と承認されうる。この世界観は創造主への信頼信仰があればこそなのかもしれない...。いや、そんな大層なことではなくて、ボクが単なる[バカ]なだけなのかもしれない!?。

  「母はボクに対しては、ひどかったな〜」。会社から二人が家に戻り、家族での夕食時に、それは始まる。毎度毎度、夕食事には過去の、あれこれの不満話が引きずり出されて来ては追訴が始まる。小言で始まり最後には激昂をともなうヒステリーへと変わる。会社で神経を磨り減らして帰ってきている。二人ともストレスが溜まっていたのだ。その[捌け口]として、ボクは的になっていた。その主な理由はというと、ボクが彼らの求める学業が修められていない、希望する学校に進学できていない事にあった。特に高校においてだった。*二人の期待は大きかったのだ。母にとって、息子は、自分が思いを尽くしたにもかかわらず、裏切り失望させられた感が強かった。だいたい小学校の三年ぐらいから、この色合いは始まっていた。同時に会社は忙しくなり出していた頃だ。三者懇談の後、二人っきりになると、どんだけ怖い顔で脅されてたことか...。落ち着きがないですねとか、プリントの提出を怠るが問題ですよと先生から伝えられたからだ。『あなたの息子さんは、いい加減で、だらし無い』と聞こえたわけだ。母は世間体をいたく気にする人だった。「父さん帰ってきたら、思いっきり怒ってもらうからな!」「コテンパンにしてもらうから」と...。こう言われたボクは、とても怯えていた。父はメチャクチャなことをする人だったからだ...。

  最初は、あれ程までではなかった。小学二年生ぐらいまでは、いい母親だった。明るく利発で、料理も上手でユーモアもとてもある人だった。寝る前には色んな本を読んでくれた。ボクは普通に好きだったと思う。それがだ、父の事業の片棒を担ぐにおいて、ストレスに晒され続けることになる。資金繰りを父は母に丸投げをしたのだ。このことが、彼女の性格に異常な歪みをもたらしていったのは確かなことだと思う。*これも原因の一つでしかないが...。父は夢見るひとだった。構想を戦略を練るのが好きなひとだったのだ。戦争における将軍気取りだったのだろう。しかし、現実のお金の出入りに関しての思慮は欠いていたのではないか?...。事業の拡大に関することには、気前よくゴーサインを出していた。そうすることの根拠は、あるにはあったのだろうが、性急すぎる面があり、また安易でもあった。土地、建物、設備、人件費、資材購入、メーカーは、でかい投資が必要になってくる。入ってくる分が、即座にそれらを賄える訳もなく、絶えず母は支払いの資金繰りに追われていた。これが問題だった。まったく不条理極まりない苦しみでしかなかったであろう。見栄っ張りで、真面目でもあったので、支払いを遅らせることようなことは絶対にできなかった。やがては精神に異常をきたす。小学4年生のころの思い出で、母がおかしくなったので家族で、都心の川にかかった橋をみんなで行ったり来たり歩いたことがあったのを思い出す。*淀屋橋かな..。やがて、時はバブル景気に突入していった際には、株式の運用で資金繰りをするようになっていく。それも。とんでもない額を銀行から借りて、名うての証券会社の言いなりになって...。信用取り引きだ。根性も度胸もあったればこそなのだろうが、やはり正面(まとも)ではない。これは、幸運なことに、ギリギリのタイミングで、H先生の介入により止めることができる。『止めなさい』と言われたのだ。丁度、あるステージへの移行が完了しつつあるタイミングでもあった(手形を出さないで現金払いのみ)。そして、その後は、会社の業績枠においてのみで資金繰りを行うに方針は変更される。*これも、ボクの与り知らない奇跡だ。

  人は弱い...。立場が得られると、人間は変わってしまう。偉い人になってしまう。お金の支配権を手に入れてしまうと、途端に欲深くなってしまう。上が居ないとなると、もう自制心がどっかに、ふっ飛んでってしまう。[我]がすべてになる。こうなることの怖さも知らない、分からない。”永遠に自分は生きている”とでも思うが如しの振る舞いとなる。地位にしがみつき、周りがライバルにしか思えないようになる。また、運が傾くこと、老いて死ぬことが怖くて怖くて性がなくなり、あやしげな専門家達との交流を始めてしまう......。

  間違いなくタイプ2。それも、すごく拗(こじ)れて退落したやつ。コード:鬼子母神。育ちとしての実家との関係にも問題があった。なぜか、ボクの回りには、このタイプが何時も配置されて関係を持たされる。それも健全でないものが...。妻もそうだ。これにも理由はあるにはあるのだろうが...。[Holly Denying]としての備え。もしくは、たぶん「すくたれや」なんだと思う。

補記:

出だしのタイプ論は、Gのもたらしたエニアグラムから派生したもの。

P.H.O'Leary+他による日本で最初に出版されたものは、キリスト教における知性がまとめあげたものだ。このバックグラウンドが分かるかどうかで評価は天地ほどに別れてしまう。すばらしい研究成果だとボクは思う。
*これだけで、[All and Everything] だと思える。


今回の母においての内容は準備したものの半分もここにはない。
上書き保存を失敗して大半はどこかに消えてしまった。
これも天意なのだと思い、そのままとした。


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