☆. Alchemy 錬金法
文字数 2,785文字
第壱話: ラスト・バリア
私はオリーブをいくつか食べた。それは今までに食べたことがないほど美味しかった。
彼がどこで手に入れたのか知りたかった。
「オリーブに乾杯しよう。これほど美味しくなるまでにはオリーブは沢山の行程を通ってきたのだからね。」
「このようなオリーブを作るには、特別のやり方が必要なのだ。」
「このオリーブを作るには、まず、最高級のオリーブを見つけて買ってこなくてはならない。」
「それを何回かていねいに水ですすいで、塩分を全部洗い流す。分かるかね?」
「次によく洗ったビンを用意する。完全にきれいなものでなければならない。」
「その中に洗ったオリーブをいれ、オリーブの上から沸騰したお湯をいれる。」
「オリーブがふくらむ。オリーブが十分にふくらむまで湯をそのままにしておく。」
「ただし、長すぎてはいけない。皮が破れてしまうからだ。」
「それから水を捨て、レモンの輪切りをいくつかと、生のミントの葉を加える。」
「最後にびんを一番しぼりのオリーブ油、それもできる限り純粋なもので満たす。」
「これはオリーブのエッセンスだ。」
「きつくしっかりとびんのふたを閉め、四十日間、置いておく。」
「こうして完璧なオリーブができあがる。」
「ついでに言えば、七日目には、もうすばらしくおいしくなっている。」
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第弐話: スーフィー
[第一の領域]
野の小麦、小川の水、岩に含まれた岩塩。
[第二の領域]
努力や知識によって......
小麦を刈り集め、それを挽いて小麦粉にすることができる。
小川から水を汲み、将来のために蓄えておくことができる。
岩塩を掘り起こし、精製することができる。
[第三の領域]
これらの三つの素材が正しい量と割合で混ぜられ、捏ね合わされて、練り粉が
作られる。そこにイースト菌が加えられ、生命の要素が付加される。そして最後
に、パンを焼くために窯(火)に入れられる。この一連の作業の成否は蓄積された
知識とともに、それを取り扱うさいの直感的な能力にかかっている。
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第参話: グルジェフ
種々の金属粉でいっぱいの容器か蒸留器を想像してみよう。
その粉は互いに結合していないので、蒸留器の位置が偶然変わるたびに、その相対的な位置が変わる。もし、蒸留器が振られたり、指でたたかれたれたりすると、一番上にあった粉末は底かあるいは真中辺に来て、同時に底にあった粉末は一番上にくるかもしれない。粉末の位置には不変性はなく、またこんな条件下では永続的なものはありえない。これは我々の精神生活の正確な描写だ。瞬間瞬間に新しい影響が一番上にある粉末の位置を変え、その場所に、全く反対にある別の粉末をもってくるのだ。科学は、このような状態を機械的混合常態と呼ぶ。この種の混合における粉末の相互関係の基本的な特徴は、その相互関係が不安定で可変的だということだ。機械的混合常態では、粉末の相互関係を安定させることは不可能だ。しかし、粉末は融合させることができる。粉末の性質がこれを可能にするのだ。そのためには特殊な火を蒸留器の下で燃やさなければならず、粉末を熱し溶かすことによって最終的にそれを融合させるのだ。
この融合を可能にした火は摩擦によって生じる。もし自己のすべての欲望に負けてしまえば、あるいはそれを煽ったりすれば、内部の葛藤、、あるいは火は生じない。
しかし、もし確たる目標を達成すべく自分を邪魔する欲望と闘うなら、それは火を生み出し、しだいに彼の内的世界を統一体へと変容させていくだろう。
出典:
ラスト・バリア ルシャッド・T. フィールド(著)角川書店 (1997)
スーフィーの物語 イドリース シャー(編)平河出版社 (1996)
奇蹟を求めて P.D.ウスペンスキー (著) 平河出版社 (1981)
解説:
第壱話: ラスト・バリア
ここではオリーブに、何の意味が託されているかが先ず大事になる。「美味いオリーブやろ」。そう..ならば、本トークの各エピソードが、このオリーブの一個一個だとボクは暗に伝えていることになる。美味であってくれればとは願うが、これは分からないので、他の意味で読まれることをお勧めする。恩寵に恵まれた人々の人生として...。オリーブは喋らないのだが、当人達にとって、語られるプロセスは苦しみと悲しみの連続でしかない。その必要性は、エゴを取り除く為のものだ。ここでは「塩抜き」との表現にされている。洗い流す、”水”の登場も大切だ。レモン、ミントそしてエッセンスにも、それぞれに意味を託すことはできる...。当然、すべてのコントローラーは神であることは言うに及ばない。信仰があればこそ、人生の意味をこのように受入れることが可能になる。
第弐話: スーフィー
第一の領域は、自然が手配をしてくれているもの。人間に無償で与えられている世界について。第二の領域からは、人間が汗水たらして、苦労して手に入れるべきものがあるという現実が示されている。身を(粉)にする。知識(水)を蓄える。健全な精神(塩)を獲得する。第三の領域は、人類のすべてが生きるものではない。何らかの理想/規範/信念/信仰等(生命の要素)の価値観で人生を歩む人たちの為だけの話し。そういった人生には、一つの珍しい可能性が用意されている(*)。苦しみ(火)が伴うので窯に入れられるになる。叡智に関しての学びの積み重ねも必要。最後は、自己の魂としての、なんらかの選択が時節時節で、その渦中で、為されなければならない。たった一人で決めて、孤独に実行しなきゃならない。『直感的な能力にかかっている』は重要な言葉です。これらの作業は【生あるうち】でしか行い得ない!。(生きていることは本当に大切なのです)。しかも成功する人は少ないらしい。まあどっかの生では成功するだろうけど...。きっと「いいパンが焼ける」。
(*)天職が与えられる..らしい。
第参話: グルジェフ
ノーコメント。
蛇足:
ボクは、Gは、スーフィーよりもサーンキヤの人ではないかと考えている。いや、パタンジャリの転生ではないのか?。彼の語る、三の法則、オクターブの法則、トロゴオートエゴクラートの概念は知っておいたほうがいい。
シャー氏は、人間としては信頼できないタイプらしい。
ボクは、更にもっと信用できない!。
私はオリーブをいくつか食べた。それは今までに食べたことがないほど美味しかった。
彼がどこで手に入れたのか知りたかった。
「オリーブに乾杯しよう。これほど美味しくなるまでにはオリーブは沢山の行程を通ってきたのだからね。」
「このようなオリーブを作るには、特別のやり方が必要なのだ。」
「このオリーブを作るには、まず、最高級のオリーブを見つけて買ってこなくてはならない。」
「それを何回かていねいに水ですすいで、塩分を全部洗い流す。分かるかね?」
「次によく洗ったビンを用意する。完全にきれいなものでなければならない。」
「その中に洗ったオリーブをいれ、オリーブの上から沸騰したお湯をいれる。」
「オリーブがふくらむ。オリーブが十分にふくらむまで湯をそのままにしておく。」
「ただし、長すぎてはいけない。皮が破れてしまうからだ。」
「それから水を捨て、レモンの輪切りをいくつかと、生のミントの葉を加える。」
「最後にびんを一番しぼりのオリーブ油、それもできる限り純粋なもので満たす。」
「これはオリーブのエッセンスだ。」
「きつくしっかりとびんのふたを閉め、四十日間、置いておく。」
「こうして完璧なオリーブができあがる。」
「ついでに言えば、七日目には、もうすばらしくおいしくなっている。」
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第弐話: スーフィー
[第一の領域]
野の小麦、小川の水、岩に含まれた岩塩。
[第二の領域]
努力や知識によって......
小麦を刈り集め、それを挽いて小麦粉にすることができる。
小川から水を汲み、将来のために蓄えておくことができる。
岩塩を掘り起こし、精製することができる。
[第三の領域]
これらの三つの素材が正しい量と割合で混ぜられ、捏ね合わされて、練り粉が
作られる。そこにイースト菌が加えられ、生命の要素が付加される。そして最後
に、パンを焼くために窯(火)に入れられる。この一連の作業の成否は蓄積された
知識とともに、それを取り扱うさいの直感的な能力にかかっている。
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第参話: グルジェフ
種々の金属粉でいっぱいの容器か蒸留器を想像してみよう。
その粉は互いに結合していないので、蒸留器の位置が偶然変わるたびに、その相対的な位置が変わる。もし、蒸留器が振られたり、指でたたかれたれたりすると、一番上にあった粉末は底かあるいは真中辺に来て、同時に底にあった粉末は一番上にくるかもしれない。粉末の位置には不変性はなく、またこんな条件下では永続的なものはありえない。これは我々の精神生活の正確な描写だ。瞬間瞬間に新しい影響が一番上にある粉末の位置を変え、その場所に、全く反対にある別の粉末をもってくるのだ。科学は、このような状態を機械的混合常態と呼ぶ。この種の混合における粉末の相互関係の基本的な特徴は、その相互関係が不安定で可変的だということだ。機械的混合常態では、粉末の相互関係を安定させることは不可能だ。しかし、粉末は融合させることができる。粉末の性質がこれを可能にするのだ。そのためには特殊な火を蒸留器の下で燃やさなければならず、粉末を熱し溶かすことによって最終的にそれを融合させるのだ。
この融合を可能にした火は摩擦によって生じる。もし自己のすべての欲望に負けてしまえば、あるいはそれを煽ったりすれば、内部の葛藤、、あるいは火は生じない。
しかし、もし確たる目標を達成すべく自分を邪魔する欲望と闘うなら、それは火を生み出し、しだいに彼の内的世界を統一体へと変容させていくだろう。
出典:
ラスト・バリア ルシャッド・T. フィールド(著)角川書店 (1997)
スーフィーの物語 イドリース シャー(編)平河出版社 (1996)
奇蹟を求めて P.D.ウスペンスキー (著) 平河出版社 (1981)
解説:
第壱話: ラスト・バリア
ここではオリーブに、何の意味が託されているかが先ず大事になる。「美味いオリーブやろ」。そう..ならば、本トークの各エピソードが、このオリーブの一個一個だとボクは暗に伝えていることになる。美味であってくれればとは願うが、これは分からないので、他の意味で読まれることをお勧めする。恩寵に恵まれた人々の人生として...。オリーブは喋らないのだが、当人達にとって、語られるプロセスは苦しみと悲しみの連続でしかない。その必要性は、エゴを取り除く為のものだ。ここでは「塩抜き」との表現にされている。洗い流す、”水”の登場も大切だ。レモン、ミントそしてエッセンスにも、それぞれに意味を託すことはできる...。当然、すべてのコントローラーは神であることは言うに及ばない。信仰があればこそ、人生の意味をこのように受入れることが可能になる。
第弐話: スーフィー
第一の領域は、自然が手配をしてくれているもの。人間に無償で与えられている世界について。第二の領域からは、人間が汗水たらして、苦労して手に入れるべきものがあるという現実が示されている。身を(粉)にする。知識(水)を蓄える。健全な精神(塩)を獲得する。第三の領域は、人類のすべてが生きるものではない。何らかの理想/規範/信念/信仰等(生命の要素)の価値観で人生を歩む人たちの為だけの話し。そういった人生には、一つの珍しい可能性が用意されている(*)。苦しみ(火)が伴うので窯に入れられるになる。叡智に関しての学びの積み重ねも必要。最後は、自己の魂としての、なんらかの選択が時節時節で、その渦中で、為されなければならない。たった一人で決めて、孤独に実行しなきゃならない。『直感的な能力にかかっている』は重要な言葉です。これらの作業は【生あるうち】でしか行い得ない!。(生きていることは本当に大切なのです)。しかも成功する人は少ないらしい。まあどっかの生では成功するだろうけど...。きっと「いいパンが焼ける」。
(*)天職が与えられる..らしい。
第参話: グルジェフ
ノーコメント。
蛇足:
ボクは、Gは、スーフィーよりもサーンキヤの人ではないかと考えている。いや、パタンジャリの転生ではないのか?。彼の語る、三の法則、オクターブの法則、トロゴオートエゴクラートの概念は知っておいたほうがいい。
シャー氏は、人間としては信頼できないタイプらしい。
ボクは、更にもっと信用できない!。