Just altered 11「里に集いしら」の噺。

文字数 8,072文字

*未だ初稿にして読むハ控えるべし。十五日後ぐらいが丁度いい按配哉?。畏。

今回ハ飛ばしが相応しき内容也てに御座候う。
偶にハ本当に話者の忠告を聞き入れしされるが良ろしかろ…。
「 止めときナ晴レ!」
ひとの悪口聞くハ詰まらなきにも程にも程が有る程に!。
「十字架の道へと飛びナ晴レ!」
千倍、時の価値たるが活かさるるに依りて…。

〈暗転〉

吾に弱点ありし。

一に醜きもの、二に醜きもの、三に醜きものなり。

是れ見掛けたるに関わるに有らず。
誓って面立ちが造作に付きて言ふに有らず。
飽く迄、我執の際立ちたる者ら会ひてに憶ゆるもの也…。

其の看護婦と出会いしに即座に呼び起こされしは我が母也し。
見栄へ痛く違ひけれ。然れど中身たる悉く良く似て同じと憶へられん。

全ての原因ハ氏育ちにあるかと思ふ。
親子間、若しくハ兄弟間に大ひなる確執ありえしたる哉。
然もなくば嫁姑が問題、是れ拗れに拗れして長きを経たるが実態也し哉。

間違いなく似たる乃宿業負いて居りたらん。
際立ちしたるノ因業備ひて在りたらん。
質悪ふしたる業病持ち、其処に闊歩して在りにけり。

彼女、吾にとりて最悪が存在也し。
剥き身にて傷つき易く居りたれば、吾好みて苛め乃行ひたり。
ただ厳しく躾けんの思いたるのみと宣いして…。

こころに歪み、拗れ、捻れ、抱えして居らば己が面子に矢鱈と拘りたる。
且つ更年期が障害長引き曳きずりにて目に付きたるの些事凡ゆるに気障りたる。
然して、怒り打ち撒けんとすんのせんのヲ旺盛に猪突に行ひ賜われし。

己が本質、実態、現状、悉く全く自覚乃預かり知らぬ有らぬる人也し。
選りにも選ったりの相手哉。流石は天也し哉!。

憎まれっ子世に憚るが伝へ通り。
特大最強最悪の逆菩薩なりし。
頼りにすべきの直感、我に斯く明瞭に伝へ知らせておりにけり…。

✔︎「哉」ハ「かな?」として使われし。
✔︎ 由などなく、ただ生まれもってのみの業足りしかや?。
✔︎ 我が母も厳しくせんとして吾に当りたる。此れも一種の愛也したるや?。
 「違ふな〜」… 頽落し果てたらばもふ其れもただノ苛めにしか他ならず。


〈暗転〉

件、燻しが里

初めて「里」に連れられて参りし折、最初に感じしは内における薄暗きこと也し。
時の堆積が故の饐え淀みしたるの気、著しく満載せりと感じしに御座候。
いと嫌に吾思へば一刻も早ふに此処去りたいの思いで一杯也し。

然れど。其処は其れ、働き口喉から手が出る程に求めし身なれば、
いと和かなるの体保ちて引率者の側に控へ居りしにて候う。
其の時ハ苦しき限りの立場にておりしに候う。

まさか、よもや、此処での勤めに至るとハ露とも思ふて居りませなんだ。
然して、嫌と想わば其れへと至るの至言が通り此処が正に長の職場と定まるに
軈てに至らん。是れ幾つもの変転ありしてからの噺に御座候う。
正に主の采配の他、是れ能わず為されず到り得ず哉。

閑話休題、何でも陣屋が建築ハ古くハ瘋癲病院なりしと聞けり。隆隆たる鉄骨
棍句麗土、五層造りの建屋也。敷地、其の物も悪戯に横に長ふして薄く歪なる
土地柄也し。前は荷車の通行活発なる街道、裏は飯給陸蒸気馬車の線路ありぬん。
何と、両に怒涛の荷重が往来に挟まれ恵まれたる場所にて其処ありなむ。

昨今たらば瘋癲病院あるハ環境立地的に其れ相応しからずに思はれん。
かって近隣より追い出し喰らわれししたか潰れんのしたかや?。
また近くにハ「浪速学問所」控えしてありぬんも故が一つに考へられん。

侭の建屋、安ふ手に入れしことは間違いなかりき。然して、何ら大したるの
手を入れることもせじ。殆ど金かけずして囲い込み陣屋へと業改めしたる。
窓に嵌められしの鉄格子は流石に撤去されし哉。

二階層の大部屋に初めて伺ひたるに噺ハ戻り給わん。時分は昼頃たる。共同部屋の奥
まった隅に車椅子在りし。其れ動かぬよう厳重に壁に紐で結わえつけられておりし。
其が一角、特別にぼやけてして何やら奇妙に薄暗く感じしに候ふ。壁に固定されしが
何の為也しか最初ハ全く分からじ。座に小柄にか細き老婆目閉じておりけり。
まるで干からびて正に今崩れ落ちんが如くに頭ヲ垂れて座りおれり。何と齢九十を
遠に越えしたると。珍しくも禁制の太帯にて厳重に拘束されておられし…。

吾を連れ参りし古株同心、こころ易くに手もて此のお婆触れて声掛けなむ。
即座に老婆目覚めして触れられるの手払い除けして口悪くも罵りてヲ返さん。
見掛けと違い、いと激しき性分たるの持ち主たると吾覚へし。
「可愛げないやっちゃ」などと古株、憎み零しして其処を共に去りたる…。

補記、

お婆見掛けに関わらず乱暴者也し。物投げし〜の車揺すりて倒れしぃ〜の、
騒動数多起こせし人也き。また札付きの悪口使い足りし。皆の揃い座りたるの
中央席へ「吾移せ〜の寄越せ〜乃!」五月蝿かりし。物投げたりの悪さすんのと
悪口激しきヲもて皆の賛同得られずして是れ叶へられず。隅に捨て置かれるばかり
とならむ。其処の主也し。拘束、娘御様の了解とりもちしての対処なりき。

ある日ある時別所にて新たなる職場への移動伝えられし。あの古株からに依りて。
是れ古株の好意から又吾への期待から起こりしこと也し。然れど、行ってみらば
其処ハ彼処「燻しの里」也。嫌ハ一切言えず。選択肢ハもう他には勿かりき…。

「此処と違って彼処やったらなんぼでも金稼げる出〜」が口説き文句也し。
二重陣屋体制ヲとりにて望めば延々と勤務させることが出来にて候う。
要ハ「或る倍徒」の体裁取らせして働くの話也。

夜勤するもの不足すらば、ほんま延々に、勤め行いするが叶う職場也き。
確かに不思議と労基へ訴えする者居らざりき。集いし者ら、皆、懐乏しく
して居りたれば願うに叶ったり以外思ふこと無かれにけり…。


〈暗転〉


件、里の同心たち。

扨、やっとこさ本題に辿り着きてに御座候…。

✔︎その一、猪豚。

里に、老看護婦一人居りけり。
背丈低ふして、よう肥えておいで也き。
見掛けまま疣猪に似したり。

各部屋毎に一人雇ふべし乃御定メありてに候う。
定年遠に過ぎける老看護婦定まりて居りなむ。
然れど此方、豪腕たりけり…。

明かさば、里たるハ、真面な由緒正しき奉公人が選ぶ職場で勿かりき。
外れも外れ、いいところ、酷いとこ。
其の訳たるハ、有るべし管理が一切無きにしてからに…。
扨も兎も角、還暦過ぎたらば勤め選べる身分でも勿れに哉。

然れど女、動き俊敏にして活力大いに備えして有りなみん。
根性恐ろしく剛毅にして絶倫たりけり。
魂魄、良く鍛え練られ乃積み増されされており、只者には有らざりし。

吾なれば、全く歯が立たぬる程までに…。
手強き限りで、吾堪えのみしか行い得ざりき。
如何にして其れ鍛えしかハ知りたくも勿しにて御座候。


✔︎その二、番頭(ばんがしら)。

里の頭、若き男子也し。背丈高ふして大柄。
歳は三十路かなり過ぎして、未だ独身なりし。

彼、かって馬車操りにおきて事故起こせしと聞けり。
老人多く載せ給ひしておらば一騒動悶着成れしと。
其ハ別の陣屋にてのお話。因って、詳しくハ知らぬる。
其処、辞めざる得なくなりして、里に拾われてして移れ越しけり。

ところで、世間ヲ未だ知らぬる若衆、彼等が介添えの仕事にて世に出るハ良からぬ
事かと吾思ふ。何ら生産性なき仕事につきて。又正直申さば、甲斐なき限りと某に
ハ思はれにてに御座候。唯一価値とされんこと有りとすらば、自我の滅却ヲ目的と
して此の仕事すること也ける哉。是れ以外に前向きなる価値は一切無かりしとさへ
思ハれん…。

相手からの依存心ヲ上手く引き出せたれば満足、吾討ち取ったりの気分。
かって、一人が熟練そう吾に語りたる。是れが達成感なると…?。
当り障り無きよう上部だけ関係取り持ちせしたれば、もうそれで十分。
生活が回るよう無事整へしたならそれでもう十分と思いして働きたる。
御定めにある事以外、一切の情状酌量の行うが余地勿かりし。
時のみに縛られて計られて働きしたる。

此れら全部、吾が聞きして見たまいしが同僚らの様子也ける。
仕事たるにおける普通たるの意義、意味、核心が此処には無き限りと思はれし。
其が故に、甲斐無きが為に、異常なる「檻」たるが形成され給いして結かり。

異常なまでの格差意識、生え出で備われして蔓延されん。
鋭敏にして敏感なるの自己意識、育まれて育ちて際立つのがされん。
然して是れ、大いに差別たる行ふヲ好みたるに至らん。

上位たれば下位に高圧的にものを言ひ。
面倒ごとの全て、己避けして、下位に押しつけせん。
相手弱き立場なら乱暴なるのもの言い采配、己に易く許し給いしにけり。

全てハ御公儀が定めたるの制度なるものに起因せり哉。
階級制度に示されたる立場と正文化されし事柄のみにてこと足りん。
一切情が思ひやりが活かされる舞台勿かりけり。

然して、吾繰り返して述べん。世間ヲ知らぬる若衆、彼等が介添えヲ生涯の仕事として
世に出るハ良からぬことかと思ふ。其処のみで長き年月が経さらば、何やら人間として
可笑しな仕上がりになるに依りて。兵役の体裁もて奉仕義務として徴集するが良き事か
と思ふ…。然れど老人皆、硝子細工の如く居りたれば、是れも難しき哉。

長きの脱線終えして話をば戻さん。里の番頭が正にこれが典型的な一人也し。
けったいな人格備われて仕舞われしにと吾感じたり。
「ひと」たるが居らない…。

簡単に謂わば、長きものには巻かれろの模範たりし哉。
あの猪豚が意にのみ添いて、こころ乃砕きてヲされておられし。
正しきこと言へず語れず、行ふ能わず哉。

彼、一切の面倒ごと憎みたり。難ごとに目閉じ耳閉じ口閉じたりが其が構え也し。
日常の凡てが滞りなく無難無事に過ぎゆくことのみが彼が願い也し。
それのみにて足り給う…。

然すれば猪豚に依りもて是れの一兵卒たるにて日々ハ満足として居れり。
猪豚が気に障りしことあらば、彼も同じく怒りたり。彼が感情露わす
はこの時のみ也し…。

かって彼、興味深きこと吾に語りし。
前の職場、其にて若衆同心ら皆して嫌いたる乃老人苛め殺したるヲ見したりと。
こころに消えぬ衝撃受けして、若き同心ら嫌いになりたると…。

恐怖が彼の人格ヲバ形作り給いし哉…。


✔︎その三、熟年女同心。

歳は五十代。元は美人さん也しかや?。
然れど、今なれば狐憑たるが如きの相貌に成り変われしたらむ。
其の性格、悪鬼羅刹が如くに他ならず…。

大概、美人に見ゆる等は人並外れて「気」強けれ。
こころ捻れ拗れすらば、ヒトの粗捜しする好むに至らん。
然して御注進魔と吾呼ばわん。

易かろしと見給いしの相手、苛めする乃異常に好みたり。
吾以外にも被害者たるハ幾人も男女問わずに居りにけり。
職場の移転あらば噂拡散されもて伝説の悪女として界隈にて知られり。

攻撃的なるハ鋭角にして、陰湿なる乃苛め行ふホ殊に好みたり。
是れ迄が人生、碌なもので勿かりしかりしことの窺い知れん。
其が訳たるハ、結局、背負いたる自業自得のなれの果としか思へじ。

似たるハ寄りて集まらん。
あの修羅抱えしの看護婦が良き相棒足りして如実の活躍のせり。
この二人、吾にとりて地獄の牛頭馬頭の如くして最悪の嗜虐魔たりし。

細かき実際ハ述べん…。
然れど、逐一監視され、粗探しが為されて報告乃されん。
日々の良き憂さ晴らしたりし哉。

此れも更年期障害も真っ最中也し。
実家にて問題難儀ごと山積と聞けり。
矢張りハ嫁姑問題也しかば。

主の程良くの采配なくば、吾保たじなりし哉…。


✔︎その四、男若衆同心等。

皆、某より遥かに若くて居りたり。四、五名也しか。
配置が組み替え繁盛にあらば、主に居りたるハ三名。
皆、其の人間の出来上がり、可笑しけれ。

若さ故の勢い元気のみ誇りて居れり。
夜勤明けから十三に朝から呑みに参りしけれ。
如何に今月、長きに渡り働きせしか。よってこれほども稼ぎたったり。
介添え行いし方々に付きて、誰がこんなんせしあんなんせし…。

吾、新米なりて、又意識、従来通り朧なれば、山程駄目出し喰らわされん。
例えば皆が食事中、「気い張って確り監視しとかんかい!」。
朝食の賄い作りたるに、「何それ入れろ言ったやろ!」。
何しか、しょうもない事に於て、文句小言ヲ言ふとうて言ふとうて
堪らなき姿に有りにて候う。

是れ、猪豚と年配女同心が行ひするヲ見て真似てに起こり給ひし。
場に備われたるの大勢が影響力、計り難くにして、傾き一にして起こりにけり。
言われるハ吾にとりてどれも些事なる事この上なしけり。
気にせず仕舞いが徹底され、殆どが糾弾捨て置かれし。
此れも返って彼等の気に障りしこと也しかば…。


追文、

日々のことなれば、だし巻き卵の今朝有る無しは大事たりるるや?。
厠の床、雑巾使わず、粗紙使ひしハ糾弾浴びるに相応しきか?。
濡れ多くもすらば紙もて応急対応するが正解ならん…。
外にて耳欹てて、葉音が様子伺いしてたり。

差別する意識異常に強かりし。結果、内輪にて格上格下への意識強烈也し。
裏返さば、深き重きが劣等感、我が立場に覚へしたるが所以かな。
然して、行き場無き不満は、嗜虐に傾きて憂さヲ晴らさんとす。
弱き、逸れ、痴れ、なるを敏感に察知しにて是れ攻撃するへと傾き至らん。
是れは仕様が無きことかとも思ふ…。

訳の分からぬ程に細かきの作法、介添え技術なる名称添えて讃へて居れり。

格別に隔絶され閉じたる業界也し。一度入りたれば抜け出すこと是れ能わじ。
奉仕が精神にて御役立ち致しまする。是れ現が夢にありにけり。

自我の滅却を前向きな目的と思ひして、日々の業務が面倒ヲ此れに利用するハ、
若衆に出来まじきかな…。

相性の悪さ際立ちて二人の間にありせし。遠に長くに憶え知りたるの彼の母上と同じ
性向備われしヲ即座に感知しせり。何らかの宿業定めて有りしハ確かなことがと存ず。
易くに謂わば最たる【怨憎会苦】の柵なりしもの也。
傲慢強欲たらふくに詰め込まれしが腹、是れ肥へに肥へして醜き限り也し…。

あの拘束帯のお婆、吾が入浴担当也し。一番面倒足れば。して何ら問題なし。
単に手間と注意が多きのみなりて。逆に吾、気晴らし此の方にて行いたる。
其ハ厠にての介添え時の噺。側に控へして両手の指もて渾身の変顔作りもて
見つめて居りたり。婆、気障りして、怒りてして「そんなん見とふ無い!」と
檄して曰われし。吾変顔作りたるまま声なき笑い堪へに堪へして見つめ続けて
居りたり。此方との毎度毎度の密室ハ楽しきばかりにて有りしに御座候ふ…。


この様な輩に恵まれしハ不幸也しか幸い也しか?。
過ぎたれば良かれしとしか思われじ。
散々に苦しき目に遭わされ其れに耐えることが出来たが故に。

約一年と半年居れり。此処ヲ去りたるハ介護福祉士なるの資格とるためにで
御座候う。必要とされる実務経験年数の満ちたれば、試験勉強する乃時間が
如何しても欲しく思ひして。こころの余裕是れ要れりしかば。

又、天よりの伝令ありせし。佳しなにと…。

陣屋に住まいせらるる者らが多く、皆、吾が多くから苛められしヲ見給ふ。
其れ気付くも居れば、介さぬも居れり。
中に真っ当なるご婦人居りて、吾に機会見つけて囁けるハ
「きっと相応しき人々が集ひしたる場に軈てに貴方ハ辿り至らん」也し。
是れ預言と聴き憶えして今日に至る。未だ叶わざりし…。



〈暗転〉


看護婦なる者ら、如何に作られんや?。
看護学校なるの現場にてハ、如何なる原理が備わり、
また是れに沿いて、実務なるもの、如何に教えられんや?。
其の原理の起源は如何なるものなりしや?。

吾答えるに能わず。
然れど、検討ハ付き申さん。
以下ハ、其れがしの妄言として御聞き流し頂きに御座候。


件、看護婦業

看護婦たるハなるまでも大変、なってからも大変也。資金要る、時間掛かる、研修と
名を借りて、現場にただ働き、いや金払って働かせて貰い、其処で練りに練りて練り
されてが為されん。そして、軈てにやっと仕立てあげられるする職種たりん。
其が現場にては緊張著しくありもて、且つ駄目出し先輩資格保有者らから連発されん。


なったらなったで、其の後も又大変。軈てに良き職場に着けるは少なき哉。
万一付けしても、過酷なりしが其が定めたり。身入り良くとも、心労激しく伴い
消耗著しいハ必須なり。異常なまでの緊張苦しみ経るも少なからず居りぬん。
ましてや緊急救命医療たれば…。是れ超人製造現場足らんや。

抜けしこと有り。其ハ女子の城也しこと。
男なれば、其のややこしきの実態、分かりて筆に認むるは不可能。
兎も角も、厳しき限りの環境足らんやかと思ふ。

吾何にも知らず、つらつらと述べ給いし。
すべてハ、看護婦の卵ら、また同じ職位ばにて働きたる彼女らとの接触におきて
断片聞きして察ししせりがすべてなり。粗方、想像妄想にて妄言に過ぎん哉…。


本家が弁、此れも妄想たるに過ぎないが付け加ゑん…。

おそらく最初にモデルとして採用されたのは修道院における作法行法躾け。
共同生活における軋轢を糧として耶蘇精神鍛えし処。
其の歴史の中から形式形態なるものが編み出されてきた。

何らかのまとまった形式性が必要とされたからなのだろう。
目の付け所は流石。ドンピシャ。
ナイチンゲールは医学知識たるものまで其処に必須として持ち込んだ。

日本は、とんでもないものを輸入したに等しい。

現場における研修では、個人は丸裸にされる。ヒトとしての根源的な弱みを克服する
ことに課題は置かれる。当然に苛めの効能が最大限に自覚的に利用されている。
効果はそれなりに有効であることは、出来上がり達と接すれば分かる。
卵さん達とペア組んでた時に色々教えてもらった。

但し、いつの頃よりか其の効果結果だけ優勢になり精神性なる部分は抜け落ちて
しまっている。飽く迄、金銭の魅力、また社会的立場の名誉を求めてあの職業を
選ぶのかな?。

成るに大変な出費努力であったことから、事後は恐ろしく気位が高く掲げられる。
ましてや、介護士などを見る目ときたら…。
「あんたらとは出来が違うのよ」の思いは避けられまい。

介護の現場、特に施設なんかにおいては、彼女らは無くてはならない存在としてある。
協働作業もままある。
其の権威権勢をもて介護士に当たるは自然な流れ。

恐ろしくの専制君主たりうる。

尊敬できる方々も数多おられました!。


〈了〉



付録:没原稿

起源は古くからノ修道院で有りしかと思ふ。
其は修練道場と呼ぶに相応しけり。
共同生活における軋轢を糧として耶蘇精神鍛えし処也。
後の世の教練集団なるもの、須く是れを起源とせしと思ハれん。

其処ヲ修めしものら、甘く見ることハ能わず。
格別なる存在の生み出すことしばしばなれば。
ある意味、超人也し…。

看護学校なるの始原に於て、取り込み、真似されたるが海外の伝統。
意味分からぬままに、丸呑みしたるが舶来ノ様式。
単に、他に該当する内容無かったが為のみ。
但し、其ハ正しくあれらに源流を持ちたるもの也し。

弗洛倫斯南丁格爾(ないちんげる)の功績はあくまで看護の近代化。
医学的専門知識をさえも必要たるを訴えした御仁。
彼ノ女性の精神的背骨、耶蘇精神其の物也し。

然て本題、伝統と有効性備えしも、真価理解さぬまま取り入れれば違う物へと
変わってしまふ。核心たるの精神性、是れへの理解なくして様式がままだけで
しか勿かりし。然れど、様式の備え持つが効果ハ備えて持ち込まれたるハ事実
なりき…。

緊急医療なる分野ありし。是れ人命が関わるが為、尋常ならざる緊張もて関わること
要りし。一切の間違い許されまじ。瞬時の判断要する世界なりき。
看護婦と言えど、求められるハ同じ也き…。


蛇足、

嫌いたるものあらば、戸をば引き下ろして締め出ししてしまふ。
然て本心置くハ眼前より数百光万光年を隔たりての彼方とせん。
是れが其れがしの呪われたるの浅ましき作法習慣也。
詰まりは、是れこそが正真正銘、真実の弱点なり。
此れもやはりハ恐れに起因せん。

聖書が教えしハ、焼かれようが、切り刻まれようが、ぶち殺されようが、
分け御霊に一切の影響なかれしとのこと。

肉体のみならず、こころにおいても何ら恐れを持つは不要也と。
全ては過去の記憶が自らを縛っておりにて候う。
其の習慣化されし対処のあり方、其のものを破壊せよが
彼乃もう一方の教へでも有りなむ…。

醜ひあひるの子。




ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み