あらすじ 目次 登場人物

文字数 1,203文字

あらすじ

小学校の同級生同士が結婚する。九年とちょっと前、そんな噂がキッカケとなって、どうせなら、クラス会を開こうとなった。それ以降、毎年十月の第三土曜日に開かれ続け、そして今や、クラスを飛び越えた同期の会へと進化している。
そんなキッカケを作った二人、向井幸喜と美津子夫婦の間には、ここ数年、不穏な空気が漂っていた。そんなところに、やはり同級生だった坂本由子から、幸喜は何やら不思議な話を聞かされるのだ。
「矢野直美って、覚えてる?」
そう言って彼女は、忘れ去っていた過去を話し始める。
六年生の夏休み明け、直美は二度と、学校に出てこなかった。
「先生がなんて言ってたか覚えてないけど、あれって絶対、転校じゃなかった」
 そうしてさらに、そんな事実は、妻である向井美津子にも飛び火して……。
直美はたった十五歳で死んでいた。さらに美津子は直美に向けて、「安心して死んでちょうだい」とまで口にしていたのだった。
いったいどうして? 
自分は、彼女の死にまで関係するのか? 
そんな過去の記憶に苦しんでいる頃、幸喜と仲の良かった同級生、本田幸一が大事故を起こす。そんなことから、次々と過去の真実が明らかになり、それらは新たな旅立ちだけでなく、あるはずのなかった……狂気をも生み出してしまうのだ。


目次

第1章 同級生           
第2章 埋れていた記憶                   
第3章 矢野直美                          
第4章 本田幸一                           
第5章 1994年                       
第6章 高尾山                    
第7章 変化                                    
第8章 直美の日記                        
第9章 もうひとつの視点                      
第10章 十月十九日(土)                        
第11章 2017 鎌倉                    
エピローグ その行方 


登場人物

本田幸一      同級生 
本田博       幸一の父
本田秀美      幸一の母
向井(吉田)美津子 幸喜の妻
向井幸喜      美津子の夫
渡辺(金子)ゆかり 同級生
坂本由子      同級生
原悠治       同級生
清水隆       同級生
大山        五郎の常連
矢野直美      同級生
矢野稔       直美の父親
矢野順子      直美の母親
村上久子      国立病院の婦長
山本裕行      同級生
谷口寿夫      坂本由子の同級生
藤間邦之      坂本由子の同級生
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