47話:ナギとブルの襲来!ヒルハイドタワーからの刺客!!
文字数 3,324文字
前回のあらすじ
幹部「マイティーダーク」メンバー、ヴィルゼート。
グライド研究所で暗躍していた1人。彼は大切なデータを置き忘れて来た為
エディールの手によって監禁されていた。ただ翌日に迫って来た
計画、幹部全員でやり遂げて
皇帝に報告したい為、反省をきちんとして貰い、彼を解放する事に…。
そして翌日…。
いよいよ計画実行の日が到来。
メンバーのナギとブルがビアンラボを襲撃しようと向かっている中…
1つずつ遂行しようとヴィルゼートがいた痕跡を消す為、グライド研究所を襲うエディールとオルーム。
彼等の最終手段は…「崩壊」。
エディール様、僕はいつでも良いぞ…。グライド研究所の職員、片っ端から殲滅させて貰った…
残念ながら、そこまで女性がいなかった…
綺麗な血拝みたかったのになあ。
私達を裏切ったグラスさんに良い報告が出来ますね…。
この場所でも所長に就任出来るなんて…やはり優秀な頭脳をしていますね。
惜しい人を無くしましたよ…、ただ裏切りは排除。
さあ…、始めますよオルームさん…
ああ。力が有り余っているんだ…グラスの怒る顔…、考えただけでもワクワクするな…!
彼の怒り、そして恨みを…全て力に変える。いいぜ…エディール様!!
さあ、グライド研究所…崩壊だ…見る影もない程にぶっ飛ばしましょう…
シャランアゾールの時と同じように、エディール…そしてオルームの
周辺に禍々しい黒い煙を帯びながら、バリアのような黒い球体に包み込まれながら
突如発生した火花と共に、彼等の周りから少しずつ地面が削り取られていくかのように
建物も崩壊していく。1階から徐々に瓦礫、ガラスが散乱して行く。
まるで現実世界で実際に廃ビルを壊して行くかのように
グライド研究所は見る影を失い、崩壊してしまう。
そして地面には大きな穴が開き、二人の力がどれほど恐ろしい物か物語っていた。
力を使い過ぎましたね…、オルームさん。
グライド研究所の崩壊を手伝ってくれた褒美をしましょう。
いつまでもその覚醒の姿を維持するのは辛いですよね…。
体力温存の為、元の姿に戻らせてあげましょう…
グレイザー、オルームの覚醒は全てエディールのスキル技でやった所業。
もちろん彼には二人の力の管理者でもある為、割と積極的にメンバーと接しようと心掛けていた。
悪を働こうとする者が、普通だったら体力温存して欲しいから「休め!」とかは言わない…。
あくまで同じ計画を成功する者同士。ヴィルゼートのように反省をして貰いたいから
地下収容施設に閉じ込めた。やり方は少し強引だけれど、彼の悪の中には
少し優しさも残っている…。
ただ、エディールには深い闇に落とすような辛い過去を味わって来た。それはまだ先のお話…
****
ビアンラボ、会議室――。
モニタールームでクロスウッドの様子を見ていたスタッフが
ジハイド、クロスの元に駆け寄り、「モニターを見て欲しい」と促して来た。実際に見てみると…
ここは、え、えっ…!?
ぐ、グライド研究所が…。な、何故だ…!
いや、ちょっと待て。この映像のここを見て欲しい…!
豆粒のように見えるけど、誰か居る。もっとズーム出来るか!?
あっ、はい! 少々お待ち下さい。えっと、この機械で…。
こ、これで良いですか!? ん…、ちょっと待って下さい。
クロスさん。これはまさか…!
動き始めたか、エディール!!
ただ、何故グライド研究所を襲撃した…!?
需要無い筈だぞ…。それとも何か狙いがあるのか?
差し詰めここで暗躍していた幹部、ヴィルゼートさんがいた痕跡を無くす為でしょう。
それにグラスさんは所長を務めながら協力者だった。
彼達ならやり兼ねませんよ…!
それに見慣れない奴もいるな…。
ジハイドさん、彼の事何か知っていますか…?
えっと…、青い髪をしているな。ワックスで髪を立てたような髪型をしている…
奴の名はオルーム。スキル「断割」の所持者で暗殺者だ。
クロス…、彼だけには近付くな…。
1人残らず殺すという「殲滅」が好きなせいか、慈悲も容赦も無い。
それに彼は…、一夜にして「エジェテール」という町の住民を
片っ端から皆殺しにしたと言う報告を受けている。それに建物も見る影が無い…
エジェテール…、オルームの出生地だ。
それと町の外れには絶対に立ち寄ってはいけない城があるんだ。
最近誰かが良く出入りしているのを聞く…。ただ、可笑しいんだ…
その場所は山岳に囲まれた町なんだけど、誰も近寄れないようにバリアが張り巡らされている。
それと…、そこに行ける道が何処にも無いんだ。まるで誰かに消されたかのように…。
モニタールームでクロスとジハイドが
グライド研究所を崩壊したエディール、オルームの話題をしていると
モニターの映像が次々と途絶えて行く。
何事だ! とまた違うモニターに示しだされた映像を見るとそこにはブルとナギの姿が確認される…
****
ビアンラボ、玄関前――。
ルディアと刻印が入ったライオットの襲撃を受け更に警戒を強めた筈…。
数人のスタッフが彼達のスキルを喰らって、幹部としての実力を見せ付けられていた…
強すぎる…。こ、これが
幹部の力なのか。ナギ、お前異世界人とクロスさんから伺っている…。
はぁ…はぁ…。何故エディールの味方に付いた!?
そんな事どうだっていいだろ…。
エディール様の魅力に憑りつかれただけだ…
男だったら誰だって強さ…、力に憧れあるだろ?
それとお前、俺のスキルを思い存分喰らったのに
まだ倒れてなかったのか…。このくたばり損ない!
良いだろう。とっておきでトドメさしてやる…。地に足付けない程に…
ブリディッシュストライク…!!
そして、砕けろ…。
両手から冷気を纏い、抵抗して来たスタッフの足を思い切り掴み凍り付かせる。
凍り付かせた足をナギの「砕けろ」発言で、地に足付ける事が出来なくなる程、
足の骨を折られてしまい、戦闘不能に陥ってしまう。
ナギ…、良くやった。
さあ、ビアンラボへ突入するぞ。
最終確認だ。エディール様の計画を成功させるために授かった俺達の任務は何だ?
常識な事言わせるな…!
俺達の任務はシャウトシグマの破壊、そしてクロスの連行だ。
連行に関してはあの皇帝から直々の指令だ。丁重に受け答えしないとなあ、ブル…。
よし、十分の用だな…。
さあ、ナギ。くれぐれもスキルを暴発させないように慎重に任務を遂行させるぞ!
無情にも彼等に太刀打ちできない中、嘲笑うかのように玄関から中へ入り
幹部「マイティーダーク」のボス、エディールの顔に
泥を塗らないように成功する事だけを
考えて、任務を遂行し始める…
ただ、肝心なシャウトシグマを持っているルドス、樹木のスキルが使えるシドルフは医務室で休養中。
体力に自信あるのは…、ゼシア、グラス、そして
ビアンラボのスタッフであるクロス、ジハイド所長だけと認知している彼等。
そんな中、玄関から入って来た2人の前に
アルバートとゲイミが現れ、彼等に果敢に立ち向かおうとしていた…
もう信じられない…。
こんな緊急時に、スタッフが倒されちゃうなんて…
まじ、有り得ないんだけどー。ねえ、アルバートさん。
そうだな。ご飯食べ終わったばかりだから
軽く運動しないと…。ちょうど君達が来てくれた…!
少し付き合ってくれないか? 期待に応えられるか分からないけど、僕かなり強いよっ!
お前達もビアンラボのスタッフか…。
初めて見る顔だけど、計画邪魔をするなら始末しないといけない…。
お前、死ぬ覚悟はあるのか!?
「死ぬ」の言葉に過剰反応したアルバート。
勢いよく飛び出し、ブルの頬を思い切りブッ叩き玄関の扉を壊し、外へと突き飛ばしてしまう…。
い、痛てぇじゃないか…!!!
良いだろう。丁重に対応しようと思ったけど、もう手加減しないからな…。
覚悟しろよ…。お前、名前何だ!?
名はアルバート。
クロスさんやジハイド所長と同じ、ビアンラボのスタッフだ…。
嘲笑っているように見えるな…。ただ君達に言いたい事がある!!
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