25話:シャウトシグマの真実!エバスとクロスピア!!
文字数 3,353文字
*この話にはほんの少しグロテスクな表現、描写と顔アイコンが含まれてます。
無事にヒルハイドタワーから逃げ切れたと思い込んだ
ネルフ、ユウマ、ライオット、クロスの4人。けれども現実はそう上手く行かない…
突如として出口周辺に発生した闇を帯びた煙の中からクロスに手を差し伸べた
最上階にいるボス、エディール。死を賭けたバトルと言う名のゲームが始まる…
まずは、貴方からです…。
私に傷を1つでも付けられたならここから出してやる…
良いんだな、エディール…。
だったら早くケリをつけてやる。行くぞ!!!
膨張使える事忘れたのか?
ふん。俺にバトルを挑むなんて、エディールも落ちぶれたな!
拳を大きく膨れ上がらせ、ダッシュしながらエディールの元に近付き
とんでもない破壊力のパンチを繰り出し、エディールは突き飛ばされ壁にぶち当たる。
ヒルハイドタワーの最上階の壁が壊され、周りには瓦礫から発生した砂埃が舞う。しかしながら
何事もなかったかのように服装に付いた砂埃を掃い、不気味な笑いをする。
服が汚れたんですよ、クロスさん…
私の服を汚したのは貴方が初めてだ…。
そうか。だったらもっと汚して、服引き千切ってやる!!!
いいよな、エディール…!?
クロスは彼が立ち上がれないようにスキル「膨張」を駆使して
腹部に数発強烈なパンチやキックを繰り出してる為、徐々にダメージを与えていると思い込んでいた。
しかしながらエディールは全て痛みを闇に変えていた為、時は既に遅し。
更なる闇の力を倍増させてオーラを爆発させていた。
ダメですね、クロスさん…
ひたすらこんなダメージを与えても、私は痛みも全てパワーに変える力があるんですよ…
だから貴方がいくら攻撃しても無効化出来るんです…。
はぁ…、はぁ…。
こいつ強すぎる…、いくら膨張のスキルを使っても
無駄じゃないか…! どうすればいいんだよ!!
貴方の攻撃はもうおしまいですか?
なら次は私の番ですね…。私に立ち向かう勇気を見せた貴方に称賛を与えます…
ただ、言いましたよ。死ぬ覚悟で挑んで下さいと…
だから、貴方はここまでです…。
貴方相手に本気になる必要ありませんでした…
実力の差と言う物を見せてあげましょう…。
さっきより膨れ上がった闇のオーラを纏い、エディールはコツコツと足音を立てながら
スキル「膨張」を使っても倒せずに荒い息を立てているクロスの元にやって来る。
そして彼は不気味な笑いを手を前に出し技を発動する…
決して逃れられないダークな色をした炎を手から出し、クロスは成す術なく炎の中に閉じ込められ
物凄く苦しめられている。さっきまでエディールに攻撃した分の力も加算されている為
彼に敵う者など誰一人いない…。彼はその炎を耐え抜くが、頭から顔に向けて
大量の血液が流れ出してしまい、立っていられない状態に陥っていた。
ぐ、グハッ…。
はぁ…、はぁ…、何て力だ…。
か、勝てない…! こいつどんだけ闇を抱えてるんだ!!
倒れ込んでいるクロスの腹部に闇の力を纏った重みのあるキックを喰らい
ヒルハイドタワーの最上階には彼の悲鳴が鳴り響いていた。
痛いですか、クロスさん…
私に喧嘩を売ったんですよ、貴方は…。
これぐらいやらないと気が済まないんですよ…
うわああああああ! や、止めろ…。
こ、降参だ…。俺はお前に勝てないんだ…
だったら殺せ! ルドスに会えないまま俺は死ぬんだ…。
その時、ヴィルゼートを捕まえたブルが用事を終えてヒルハイドタワーの最上階に戻って来る。
ただ、その用事を幹部「マイティーダーク」を束ねるエディールは全く知らない…
(僕さっきまで何やってたんだろー。
ヴィルゼートを捕まえるまでは覚えているのに、
その後の事全く覚えてないんだよなー。)
す、すみませんエディール様…。
帰りが遅くなりました。確か、そいつの名はクロス…だよな?
ナギ、彼はどうして傷付いている?
エディール様に喧嘩を売った。それだけだ…
でも見てみろ、ブル。彼奴は直に死ぬ…
そうか…
エディール様に手を出したのか…、哀れだな。
ちょうどいい所に来たな…
ナギ、ブル、こっちに来るんだ…。
闇の力を自由にコントロール出来る彼は余計な体力を使わない為、抑え気味にし
エディールに呼ばれたブルとナギは、血を流しながら倒れ込んでいる
クロスを睨みながらボスの元へ駆け寄る。
おい、クロス…
ナギとブルは私の歴(れっき)とした幹部だ
ただ、幹部となる前はルドスの友達だった…。どういう事か分かるか!?
えっ、そうなのか…?
だったら目を覚ましてくれ! ルドスが悲しんでるぞ…
頼むから彼の悲しむような事だけはしないでくれ、お願いだから!!
悪いな、クロス…。
ナギとブルはもう完全に幹部の身体になってるんだ。
いくらお前の声でも響かない…。残念だったな!!!
さあ、ナギとブル…。
2人のスキルでクロスに絶望を与えてやれ…。
そしてお別れを告げるんですよ…、彼はもうすぐ死にます…。
や、止めろ…。お、お願いだから!
る、ルドスに…何としても会うんだ!
こんな所で負けてたまるか!!
クロスは死ぬ覚悟でエディールが攻撃指令を出したナギとブルに挑むが、
もう身体はボロボロ、立ち眩みもしてしまい真面に前を向けない様子。
嘲笑うかのようにナギとブルはスキルを発動する。
ここまでのようですね…クロス。
ブリディアンバイト!!!
ブルとナギのスキルが共鳴し合い、一つの強力な技に変貌しクロスの元で大爆破を起こして
彼はヒルハイドタワーの窓を突き破って外へと放り出されてしまう。
ナギ、ブルも加わりエディール含める幹部「マイティーダーク」は計7人…
かなりの実力を誇る幹部とボスを倒す術はあるのだろうか…、それはまだ誰も知る由もない。
思い知ったか、クロス…。これが、マイティーダークの力だ…!!
****
ヒルハイドタワーの外でナギとブルのスキルを真面に喰らい、突き破った窓の破片が身体中に刺さり
顔、そして身体からも大量出血していて気絶をしている。
その頃、空中要塞「クロスピア」では…
確かシャウトシグマって、ブリジスさん達が
探している剣だったよな…。でも何でこんな所にあるんだ?
もーう、何だか分からないよー。
ミントちゃんもユズキちゃんもあの怖そうな人に連れて行かれちゃったしー
確かにあの殿方、エバスさんとおっしゃっておりましたわ…。
ミントさん、ミフィールさんの父なんですよね?
確かにエバスは彼女達の父だ…。
それと…、これは言っていいのかな…?
でも、口止めされてるんだよな…。
(おいレサリア…。お前よくもシャウトシグマをこんな場所に持って来たな…。
計画にない事を勝手にされると困るんだなぁ…。
クロスピアを浮かせた理由分かってるのか?)
(シャウトシグマは私が預かって置く…。計画にない事をしたお前を
許す事は出来ない…。逆らった罰として監禁する!!
それと他言無用…、恨むなら自分の身勝手な行為を…だ。)
レサリアと言ったな…。
お願いだ。俺達はビアンラボに向かわないと行けない…
その為にはこのクロスピアを脱出しなければならない。
もしここに本当にシャウトシグマがあるならそれの在り処も教えて欲しい。
シャウトシグマは、禁忌スキルと共鳴するブライドゼータと対を成す古の剣…善の心を持つ方が使用すると真の力が発揮されると言われている…
俺はその剣を代々先祖から受け継がれてきた一家の5代目の当主なんだ。
もしそれが本当ならミフィールさんが
ブリジスさんと一緒に動いている理由も訳が付きますね…
確か彼は、彼女がシャウトシグマに近付く為のカギと言っておりました…。
ちょっと待って…、少なからずブリジスさんはこの場所に何かしら関係ありますけど…。
よく聞いてくれ…。
ブリジス、キルディーはエバスの傘下。
要するにこのヒルハイドタワーで暗躍するエディール様に雇われた者達…、
奴らの組織名は…。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)