44話:封印された過去!ジルバとブリジスの傷跡!!(前編)
文字数 3,120文字
しかしながらやはり結果は完敗。改めて彼の強さを実感した。そんな中
エディールも連戦で身体を休める為、ヒルハイドタワーの28階にある
露天風呂に浸かりに行く。そして1週間後の野望の最中に
アルクの蘇生を企んでいるビラン達もまた、休息を
摂ろうと大浴場でリラックスしていると、ブリジスの背中に
大きな傷跡が残っているのをライトが発見。
ただ、ジルバの両親を殺したのはブリジス。
その逆恨みとして彼の背中に大きな傷跡を残したのはジルバと判明してしまう。
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ヒルハイドタワー最上階。
二人の過去を事情聴取するかのように、エディールが聞き始める。
それはまだ、彼が星に全く興味を示さなかったある夏の日の夜の出来事……
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ここはミナージュフォレストから近い
ブリジス、そしてジルバ宅がある小町『スターリーナイト』。
ジルバ、ルドス宅――
お風呂場近くから聞こえた気持ちよさそうな鼻歌を聞くのは
これが最後だと思わず、玄関の扉を強く開けて外へと飛び出す。
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その頃、皇帝と名乗る者が
ブリジスと言う少年の両親の元を訪れていた。
理由として、過去に付き人を務めていた為、家の場所も特定されていた。
彼を貸してほしい! と脅され仕方なく承諾させられ
皇帝に連れていかれる事に。
良いから黙って付いてこい…!
お前にはやって貰いたい事がある。
この辺に高い場所はないか、えーと、確かブリジスだったか?
両親以外の人と触れ合う事など一切無かった為、初対面の人と話を
交わすのは不安と恐怖しかないと思ったが、色んな事に興味を
持つ年頃。両親の躾(しつけ)がきちんと出来ている子だった。
話をしながらも小高い丘に到着して
ブリジスの人差し指に何か細工を施し始める皇帝…
どうだ、ブリジス。お前の人差し指に何か感じる物はあるか?
あそこに2つの星が見えるでしょ。
両手の人差し指でなぞるように下に向けて降ろしてみてくれるかい?
皇帝の指示通りに、なぞるように下に向けて降ろすと
一瞬彼の目にその星粒が動いたように見えたが、そんな訳ないと
首を振り皇帝がそのシーンを見せないようにと会話しだす。
またお前には何処かで会えそうな気がする。その時は宜しくな!!
取り残されたブリジスも家に帰ろうと笑顔で家路に着こうと歩き出す。
小町『スターリーナイト』にあるルドスとジルバの自宅、そして
ブリジスの自宅が先程の星落下で崩壊してしまい、そのまま
お互いの両親は衝撃時の瓦礫、硝子の散乱により
身体の上半身から下半身にかけて、大量出血をした状態で息絶えていた。
弟に目を合わせる事が出来なかった。星を観に行くなんて
言わなかったら、こうなっていなかったと涙ぐむけど、家に居なかった
お陰で命拾いをした事、彼等は膝を地面に付けて
亡くなっている両親に『ごめん』と何回も謝り続ける…
それはブリジスも同じ。
パパやママと築いていた温かい家庭も、一夜にして絶望へと落とされた。
死んでいる事は分かってる……
けれど、ついさっきまで一緒に夕飯食べながら笑ってた光景を
思い出し、瓦礫の隙間を通り抜け外に出て来る。
パパとママが亡くなった事を受け止めきれずに、堪えていた涙。
静寂が辺りを包み込む中、
ブリジス、ルドス、ジルバは夜が明けるまで泣き続けた。
そう、涙が枯れるまで…。
ただ、ブリジス自身が皇帝の指示でお互いの両親を
殺したと明らかになるまで、かなり年月が掛かった…。
時は過ぎ、それから数年後…
彼等は立派に成長を遂げ、ルドスはビアンラボの職員、ブリジスは
まだ麓町『オークステリア』にあったクロスピアの職員として働き始めていた。
そんなある日、クロスピアにいるブリジスの元に
テレポートするかのように皇帝が突如として現れ、運命の再会を果たす。
あの時は黙って立ち去ってしまって済まなかったな!
もちろん俺の事、覚えているよな?
案内したい場所があるんだ…。
そこから彼の運命が大きく変わる事になるなんて、誰も知る由もない。
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大陸『クロスウッド』の何処かにあるお城。
禍々しい雰囲気に包まれた王座の間。
皇帝とブリジスが現れ、二人の見知らぬ男性に出くわす。
1人は白い蛇を連れていて、もう1人は黒い羽根を身に付けている…
敵に回してはいけない雰囲気を醸し出している中、奥ではそれとは
別に違う男性が戦いを繰り広げていた……
それに一つ一つのパンチとキックが重い…!
敵う相手じゃなかった…。申し訳ございません、エディール様…
皇帝の口から、とある真実と同時に裏切りを見せ始める…。
そして自分の家族まで葬ったのはブリジス、お前だ!!!