60話:ビアンラボの精鋭部隊!決戦直前のラストブレイク!!(宿屋/後編)
文字数 3,757文字
【出会い編/宿屋(前編・中編)】のあらすじ
幹部「マイティーダーク」のボス「エディール」の悪事を暴く為
ヒルハイドタワーに向かっていたビアンラボの精鋭部隊は休息、そして日頃の疲れを癒す為
小町『テディシア』の宿屋に泊まる事に。露天風呂で寛いでいる中、
エディールの友達でチーム『カインドフォース』のメンバーであるエンディア達が現れる。
そこで語られたのはエディールのとある過去の一幕。
彼を思うエンディア達は助けたい気持ちで次男であるルーディスと探し始めようとする…。
ただ、レサリアの口から言い放たれた彼の居場所は…
シャウトシグマの力により消え去った「クロスピア」。
****
ここは女性露天風呂『ミクロイド』――。
チーム『カインドフォース』のメンバーである
ユリシール、システィアがゆっくりと大浴場ではなく露天風呂の方に浸かっていた。
久し振りの露天風呂だわ。いつもは家のシャワーばかり…。
たまには極楽な気分を味わうってのも良いわね。
あら。見ないうちにシスティア…
胸が大きくなったんじゃないかしら?
そうかなー?
あまり気にしてないんだけど、私も成長してるって言う事なんですねー。
ただ、ユリシールさんみたいにもっとグラマラスな身体目指したいんですよっ!
あら。そう言ってくれるなんて光栄だわ…。
じゃあ、私が美ボディを維持する方法教えちゃおうかしら。
でも、この方法がシスティアに合うかどうかは分からないわ。さあ、どうする?
"成功に近道はない"って言いますもんねー!
私、頑張りますっー。絶対ユリシールさんになって見せるんだからっ!
楽しそうな会話を露天風呂でしていると、彼女達とは違う客がやって来て
ユリシールの身体よりくっきりとくびれがあり、
彼女以上に美ボディを保っているヘレンという女性が入って来た。
ヒルハイドタワーの施設にある露天風呂を管理している会社の女秘書こそが、
ビアンラボで働く妹のセイラの姉ヘレン。世の中の男性を魅了する超ヤバいスタイルを見せ付けて来た。
あら。貴方達…。湯加減はいかがかしら?
私はヒルハイドタワーとこの宿屋の露天風呂を管理している
会社の秘書を務めているヘレンよ。宜しくね…。
初めましてですー。
でも、まだ若く見えるのに秘書を務めているなんて凄いですっ!
ほら、ユリシールさんも挨拶しないとっ!!
貴方が噂のヘレンさんですか…。初めまして。私の名前はユリシール。
ヒルハイドタワーにあるパソコンで貴方を拝見した事があるわ。
ファーストルックをする女性だとお伺いしています。
私達にもやって貰っても構わないですか?
あら。じゃあ今回はシスティアちゃんを拝見させて貰いますね。
ユリシールさんはもう完璧よ。
だって女性の方が肌を晒すのは相当な努力が必要だもんね。
服装を見ただけで分かるわ。合格よ!
じゃあ、システィアちゃん…。
まずはファーストルック(第1の視線)…、お胸。
そうだね。貴方ならもっと育つわ。えっと、いつもだったら
セカンドルックとファイナルルックまでやるんですけど、
今日は多忙だからここまでにしていいかしら?
ちょっと待て…。ヘレンと言ったな…!
俺もやってくれないか!?
ああ…。そうだ、俺もファーストルックして貰いたいなあ。
彼はもちろん…身体には相当自信があるんだ。
露天風呂から聞こえてきた男2名の声の持ち主を知っているユリシールは
ちょっと危険を感じ取ると、女性露天風呂と男性露天風呂を分け隔てている丸竹が
彼のパンチでなぎ倒され、物の見事に彼女達のグラマラスな身体をしかと目に焼き付けてしまい、
否な応でも見てしまって頬を赤く染め上げてしまう精鋭部隊、そしてエンディア、ハディーサ…。
ちょっ、ちょっと…。
だ、駄目ですって! うわっ…、女性に自分の身体を晒すのはちょっと…。
や、止めて下さい…!
タプタプのお腹は女性には絶対に見せたくないのに…。
って、もう遅いですよね…。ショック…!!
ここぞとばかりに自分の身体を主張してくるエンディア、ハディーサは
ジハイド所長の忠告を無視した結果…、丸竹をなぎ倒す所業に出た。
ただ、今回のこの件に関してさすがに仲間同士でもユリシール、システィアもちょっと怒っていた。
おい、ヘレン。
早くやってくれよ…! 俺の大胸筋はもう準備オッケーだぜ…。
この為にトレーニングしてるんだ。オラッ!!
早く見てくれよ…。湯冷めしちゃうじゃないか…!
せっかく露天風呂で暖まっていたのに…。風邪引くぜ。
ほら、ヘレン…。さっさと…
パチンッ パチンッ
ユリシールは二人の頬にビンタをする。
****
ここは大部屋『クルキング』――。
夕飯を食べ終えて、寝る前にビアンラボの精鋭部隊と会議するまでの時間まで
露天風呂でエンディアとハディーサがやった行為に関して説教されていた。
もう信じられないっー!
エンディアさんの馬鹿っ! 女性の敵ですよー!!
本当に済まねえ…。お前等の楽しそうな声が聞こえたからつい興奮してしまった…。
ユリシール…、まだ怒っているのか?
当たり前です!!
エンディア様、受付で「常識は弁えている」って言ったばかりですよね…。
いくら自分の身体目的でもやっている事は卑劣、そして犯罪行為です…。
反省して下さい…。ハディーサさん、貴方にも言っているんです! 気を付けて下さい。
反省している…。
もう二度とやらないと誓ってやる!!
友達を失うのはイヤだ…。本当に深く反省している…!
エンディア様、ちょっと夜風に当たりに行きませんか?
まだ時間まであるからな…、良いだろう。
確かこの宿屋、屋上があるんだったよな…。星でも見るか、久し振りに…!
****
ここは宿屋、屋上――。
吐く溜息は白く回りを包み込む。ちょっと肌寒いけれどその分
星が限りなく透き通って見える為、星空を堪能するユリシールとハディーサ…、そして
たまたま居合わせたジハイド所長とグレイスの2人も一緒に会話をしていた。
星って興味無いけど、目で見ても鮮明に見えるんだ…
いつも仕事ばかりだから、たまにはこんな時間も良いのかもしれませんね…。
あ、そうだ。エンディアさん…、ちょっとお聞きした事があるんですけど宜しいですか?
えっ、知ってるだろ…?
幹部「マイティーダーク」のボスだ…
確かに彼は闇に墜ちてしまいました…。ただ…、彼の心の中に
まだ"善"の気持ちが残っているのなら、俺はきちんと向き合いたいんだ。
今日からは仲間ですね、エンディアさん、ハディーサさん!!
俺達精鋭部隊と一緒にエディールさんを助けましょう…!
今後とも宜しくお願いします。
笑顔出来るじゃないですか…。見られて安心しました…!!
実はここだけの話…。
エディールさんが笑顔を1番大事にしてるんだぜ…。
エンディア、ハディーサ含め
「カインドフォース」メンバーとの会話は
この後も続き、寝る前に精鋭部隊と一緒にやった会議も深夜遅くまで掛かり、綿密に打ち合わせをした…。
****
そして翌日…。
いよいよそれぞれの目的を果たすべく
旅立ちの時を迎えようとしていた。
ただお前等と出会えて本当に良かった…。
それと今日から『フォースカインド』は6人だ。
宜しくな、グレイス…そしてレサリア。
はい…! 皆さんの足手纏いにならないように頑張ります!!
皆さんで必ずエディールさんの次男、ルディースさんを見つけ出しましょう…。
歓迎ありがとうございます…。
微力ながらも皆さんのお力添えになれるよう頑張りますね!!
ただ、クロスピアの事になると必ず
エバスさんが深く関わってくると思いますので
皆さん用心だけはして置いた方が良いです…。
大切な仲間に指1本とも触れさせやしないから安心しろ…。
なあ、ハディーサ!?
ああ…。殺さない程度にびっちり落とし前つけてやるから大丈夫だ…。
これがジハイド所長からの条件だからな。絶対に守ってやる!!
ありがとうございます!
じゃあ、頑張って来て下さい…。良い報告待ってます!
出会いと別れの繰り返し…
それは「カインドフォース」のメンバーが織り成すエディールを改心させるための旅でもある。
皆と過ごした思い出を胸に、エンディア達は近くにある森の奥へと姿を消して行く。
それを見送るビアンラボの精鋭部隊も、いよいよ
マイティーダークの本拠地、ヒルハイドタワーへ…。
さあ、もうすぐヒルハイドタワーだ…。
必ずエディールの悪事を暴くぞ!! 皆、戦闘の準備は出来たか?
****
先に森の奥へと姿を消していったエンディア達――。
あっ、クマさんの落とし主現れなかったよー。
じゃあ、これは私の物だねっ! やったー!!
ああ、そうだな…。
お陰様で"例の情報"が手に入ったからな…。
少しはビアンラボの精鋭部隊も役に立つんだな。レサリア、グレイス…ご苦労様。
安心してくれ。俺達は先回りをするのが好きなんだ…。
もちろんレサリアとグレイスのお陰で知れたからな、感謝する!!
ああ…。皇帝が新たに俺達を邪魔しようと暗殺者2名雇ったみたいだ。奴等は双子だ…!!!
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