７２話：熱血エンディアの陣！シルディートの猛攻を振り切れ！！（中編）
文字数 3,286文字
エディールの傘下であるゼロシード、エバス、スティードが
続々と改心成功していく中、とうとう幹部「マイティーダーク」のメンバーであり
唯一異世界からやって来たナギがブルとブリジス、２人の友情のお陰で良心を取り戻し元の姿に。
その一方、皇帝のお膝元である暗躍組織「アンドルディシア」のメンバー
シルディートは捕らえたクロスに扮し、彼の協力者のお陰で
グレイスが現在ビアンラボに居る事が発覚した為、ビアンラボに向かう。
ただ、グレイスは弟と違って頭脳派……
彼の言葉巧みな質問によりあっさりとバレてしまうけれど
以前扮装したオルームに再び姿を変え、嘲笑しながらビアンラボを地の底に陥れようとしていた――。
【悲報】オルームに扮したシルディート、ビアンラボ殲滅開始――。
皆さん下がってください。お願いします。
勝てば臆病じゃなくなるんだ。クロスに自慢出来る兄になって…みせるんだ……！
だったら殺してくれないと……止められないよ。
ただ、僕を殺すとクロスはどんな反応するんだろうな。なあ、グレイス。どうだ？
兄としての株が下がるだけだぜ。＂他に解決方法は無かったのか？＂とか……
どうだ？ 憎しみが膨れ上がったか？ そうだよ、その意気だよ。
受け止めてやるからさ、早く来てよ！！
クロスも望んでいない筈だ。俺は自分なりのやり方で……！
そのまま壁を貫通して、近くの樹木に強打直撃してしまい戦闘不能――。
シルディートが来る前にルディースの事を簡単に説明をしてくれた彼のお陰で
まるで大物を護衛するかのように女性陣は取り囲んでいた。
邪魔者１人排除とﾎﾞｿｯ と呟きニヤリとした表情で
ｺﾂｺﾂ と足音を立てながら近くのテーブルや椅子をﾊﾞｷｯ と
真っ二つに素手で壊して行く姿を見る女性陣は怯える事しか出来ない。
もうこのまま終わりなのか？
誰か助けに来てくれないかな？
グレイスも彼の圧倒的な強さにより一撃で敗退。後はルディースがエバスを助けた時のように
何かの力を発揮しなければ今の状況を打破する事は不可能に等しい……。
ただ、シルディートもまだ本気を出していないらしく
憐れむような目で一番近くにいるティーネを見つめる。
じゃあ、次は君達だよ。ふん。これで守っているつもりか！
ねえ、僕の目をきちんと見てくれない？
ニヤリとした表情で斜めに傷を入れ始める。
彼女が流血している様子をオルームは病的過ぎるレベルの顔をしながらアハハと高笑いしている。
僕に逆らった罰を受けるのは当たり前でしょ。さっきも言ったけど僕女が嫌いなんだ……
苦しんでいる様子を見るの大好きだから、何度でも見れるんだ。ティーネは脱落だな！！
次は誰がいいかな……。ディゼールさんを裏切ったセイラ。お前にするか？
や、止めて下さい……。私はまだやる事が……
ただ、守られているルディースも彼のやり方に
とうとう怒りが刺し、以前ソルノーゼから与えられた＂キューツ＂の力を使用しようと
汗を垂らしながら照準をオルーム扮するシルディートに合わせていた。
君達では勝てっこない。暗躍組織「アンドルディシア」、
要するに皇帝のお膝元であるメンバーなんです。
ここは私が食い止めます……、その間に皆さんは！！
ちっ。オーラが解除されちまったじゃないか……！
と言っても切り札が無くなった訳ではない。
ビアンラボ崩壊すればもちろん僕の話聞いてくれるよな？
崩壊してしまいます。それでも良いんですか……？
元々ここは崩壊する予定だったんだ。ただエバス含むスカラダークの計画は失敗。
だから僕が皇帝の許可を得て壊しに来たんだよ。言って置くけど……
幹部「マイティーダーク」「スカラダーク」「アンドルディシア」の結成……
そして、リリカルラビットを使った実験まで全て皇帝の指示。
さてと遅くはなったけど、ビアンラボの襲撃……
俺の仲間に手を出してないだろうな！？
お前等、遅くなって済まなかったな……。後は任せろ！！
１５階から落ちて来たブル、ブリジス、ナギを無事にキャッチして助け出した
チーム「カインドフォース」男性陣であるエンディア、ハディーサはエバスと共に
シルディートが襲撃しているビアンラボへとようやく到着し、
危機一髪を迎えていた女性陣の元に急いで駆け付ける。
ただ、そんなんで僕に勝てると思ったら大間違いだぜ！
良いだろう。表に出りゃ良いんだな！！
お前だけは許さん。ユリシールとシスティアはティーネの手当て……
ハディーサはグレイスの元に向かって状態を確認しろ。
絶対に勝たないといけない奴が目の前にいるんだ！
必ず勝ってこい！！！
ここは崩壊寸前のビアンラボの目の前にある草原地帯。
四方八方森に囲まれていて、北の奥の方にはエディール達が根城にしているヒルハイドタワーが見える。
これ以上建物に被害を出さないよう、少し離れて彼等は睨みながらも対峙する。
例え敵であろうとまず自分から挨拶する事を心掛けているエンディアは
静かな闘志を燃やし、対戦相手であるシルディートの事をもっと知りたいと胸を躍らせるけれど
グレイスと女性陣を襲撃したせいで、怒りの方が勝っていた。
そしてもう１つの名前は「モダンカウボーイ」！
何処の名前かは色々察してくれ。
対戦相手にも自己紹介する。それが礼儀だ……！！
それと、１つだけ言わせてくれないか？
いくら変装のスキルを持っていてもそれはお前の実力じゃないぞ……！！
正々堂々と勝負がしたい、それと間違いを正す事が俺の役目だ。
さあ、シルディート……変装を解くんだ。
仕方ない。お前の望み叶えてやろうじゃないか！！ ちょっと待ってろ……
戦慄が走るような眼差しをする彼とは違い
シルディートは常に冷静さを維持し、どんな時も分析行動する眼差しをしながら
変装を解き、元の姿の状態でエンディアの前に立ち尽くす。
改めまして、皇帝のお膝元である
アンドルディシアのメンバー……、シルディートです。
エンディアさんと同じように、もう１つ名前があって「サイバーシティ」と言います。
挨拶はこんな感じで良いんですか？
許される行為だと思ってやったのか？
ふざけてるんだったら容赦しないぞ。
私は女性嫌いになった過去があるんです。もう止められない…、抑えきれない。
皇帝に＂全てを捨て、女を始末する事だけ考えろ！＂と有難い言葉を頂いたんだ。
だからシャランアゾールの時、ユズキを襲ったんだ……
泣いてる姿見て何も思わなかったのか……？
命の尊さをもっと知ったらどうなんだ。もう怒ったぞ！
シルディート、戦闘の準備をしろ！！！
