07話:蒼彩の洞窟とのお別れ!ブリジス登場!!
文字数 3,307文字
グレイザー様に逆らったから?
彼は怒ると怖いと知っていたはずなのに…。
どうやらティムとティーネというガキを助けたからだ…。
彼女等がグレイザーを挑発したと報告を受けている。
アルクがお前を大切にしていたという気持ちが表れたんじゃないのか!?
だから命と引き替えに彼女等を守った。
"大切な物は目の前にある"…。これがお前の兄が選んだ道だ!
蒼彩の洞窟の最奥にいたウォシアと決着をつけると同時に
幹部のノルドイドに「協力者であるアルクの死」が告げられて、弟のオルガは泣き叫んでしまう。
その様子を見るユウマ、そしてミント。
オルガ…。お兄ちゃんが亡くなった事は残念だけど…、きちんと前を向いて欲しいんや!
オルガくん、泣かないでっ! それとノルドイドさん…。
さっき、貴方の口からティムちゃんとティーネちゃんの名前が出たんですけど…
確か…グレイザーさんでしたよね…
あの二人は私の友達なんですっ!!
どうか許してくれませんか? と伝えてくれたら嬉しいです…。
まあ、ヒルハイドタワーに戻る際にグレイザー様に伝えて置いてやる!
さあ、ユウマ…行くぞ!!
だから、行かないって言ってるやろ!!
俺だって怒る時は怒るで!!
ノルドイドのスキル「金縛り」の怖さを見せ付けられたユウマはミント・オルガにお別れを告げようと
あまり見せないユウマの弱気な部分を見せる。
済まん…。オルガ、ミント…どうやら俺はここでお別れのようだ。
ちょっと…ユウマさん!
何言ってるんですか…! もっと一緒にいたいよー。
うぅ…。出来るならミント達ともっと一緒にいたい…!
だ、誰かお前なんかに捕まるか!!!
「えっ?」と驚きを隠せないミント、そしてノルドイドの挑発に乗ったユウマの二人に
彼のスキルが襲い掛かる。二人ともグッと歯を食いしばり、目を瞑り始めたそんな時…、
ノルドイドの元に大きな星が複数撃ち込まれ、壁へと突き飛ばす。
【ブリジス】
ごめんね。何処かの誰かさんっ!
僕はブリジスって言うんだー。間に合って良かったよ!!
突然現れたブリジスという男の子。
まるで無邪気な少年みたいな雰囲気を持っているが、マントを背負っていたり
口元から下方向に牙を見せているから敵なのか味方なのか、全く分からない…。
ブリジス…。聞いたことない名前だな! 所属は何処だ?
言わないよ。だって僕強いもん!!
勝てるって自信持って言えるからね…。
それに僕、興味あるのオルガくんやユウマくん、それにミントちゃんだもん。
イカつい人に興味ないからね…。
ブリジスさん…ですよね。お願いです!
ユウマさんを助けて下さい!!
無数の星が弾幕のようにノルドイドの腹部にあたり、彼は地面に膝を付けて少し荒い息を立てる。
はぁ…。はぁ…。
痛てぇじゃないか…!!!
俺から血を吐かせるなんて…お前、相当手馴れているな。
だから言ったでしょ、強いって!!
それと、ユウマくんの記憶の断片も取り戻したから、安心してねっ!!
さてと、悪者には居なくなって貰いましょうねっ。じゃあね、何処かの誰かさん…!!
ちっ。仕方ないな…。ここは見逃してやる!
だが、最後に1つだけ聞かせろ…。お前のスキルは何だ?
だが、忘れるなよ!
俺含めここで引き下がるような幹部達じゃないという事を…。
ノルドイドの周辺にブリジスが発動した星が大量に出現し、
そのまま彼はその場から居なくなってしまう…。そう、ブリジスはスキル「星」の所持者。
その効能は無限で、様々な攻撃/防御に使われる為、未知数。
えっ?
ノルドイドさんが居なくなった…。もしかして…
安心して!
僕は消すとか殺すの嫌いなんだー。居なくなって貰っただけだよ!
助けてくれてサンキューな!
あ、俺の記憶の断片…返してくれるよな?
ブリジスが何者かは知らないが、ノルドイドを退治してくれたお陰で
なんとか事態は収まったようだ。そして最奥の洞穴にいたウォシアも蒼彩の洞窟に住む
モンスターの承諾を得て、ここに住んでいい事になった。そして
トット達とのお別れの時間が近付く…。
ミントさん、ユウマさん!
色々とありがとうございました。それとオルガくん…。辛いけど
しっかり前を向いて歩いてくれ!
それはお兄さんも願っていると思う…。
君達ー、済まなかったよー!
これからはこの洞窟内にいるモンスターの皆様と友好を築きながら
おいらもここを任せられるように頑張るぞー!
私ももっとこの場所を居心地の良い環境に出来るように頑張ります!!
ウォシアもだよ! 今度は食べないで下さいねっ!
うんうん…。これが仲間との絆や。これでもう心配なさそうだな、ミント!
じゃあ、この洞窟を出ましょう!!
さぁ、皆さんに笑顔で手を振ってお別れを告げようね!!
笑顔で手を振り、「ばいばーい!」と洞窟に響き渡るように大きな声で言って
蒼彩の洞窟を出てきて、再び初めてユウマと喋った神秘の海の浜辺へとやって来た。
戻って来たで!!
ここが俺とミントの原点や!
ここで初めてお前さんに出会った! 何か感慨深いな!!
あの時はまだユウマさんに慣れなかったけど、今はもう友達です!! だよね!?
そうや! オルガくんに出会えた事にも感謝やな。
これからどうするんや?
俺は…、ユウマとミントと一緒にいたい。
心細いって言うのも変だけど、一人は辛い…。
お願いです!! 何でも言う事は聞きます。
何言ってるんや!
俺達はもう友達じゃないか! な、ミント!?
その時、神秘の海近くの道を何人か研究服を着ている人と、特徴的な服を着ている集団を見かける。
興味を持ったユウマは近くまで来てその光景を見ていると、話しかけられて来た。
あっ、すみません…。ほら、ユウマさん!
向こうに行きましょうよー!!
あっ、その声はお姉ちゃん!!
もう! ずっと帰って来なかったから心配してたんだよー。
ごめんなさい…ミント。私これからビアンラボに行かないといけないのよ…。
ここにいるグラスと一緒にね…。
お前が妹のミントか。さすがミフィールに似て可愛いな…。なんて冗談だ。
そう、ミントの姉はミフィール。ずっとグライド研究所にある個室で
寝泊りしていた為、家にはずっと帰っていない。久しぶりの妹との対面で少し緊張しているが、
その時、ブリジスが会話を遮るように話しかけてくる。
リリカルラビットの事を良く知っている重要参考人の存在を…!!
****
その頃、ブリジスのスキルによって姿を消した幹部の一人「ノルドイド」は、
木漏れ日の森…死の森付近に現れ、誰かと激しいバトルをしていたが
まんまとグレイザーとエディールの魔の手から逃げられてしまう光景を見てしまう…。
ふん。誰かと思ったらノルドイドか…!
お前、ユウマと記憶の断片が見当たらないけど、どうした?
逃げられました…。申し訳ございません、エディール様!!
はぁ…。
ティム・ティーネ・アルムには逃げられ、今度はユウマ・ミント・オルガですか…。
貴方達、幹部の資格あるんですか?
しっかりしろよ!!!!!
グレイザー、ノルドイドは二人揃って「申し訳ございません…。」とボスのエディールに謝罪する。
彼は薄気味悪い表情で最後にこのように語る…。
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