40話:ビアンラボ侵入開始!ジハイドvsライオット!!(後編)
文字数 4,826文字
ここはヒルハイドタワー…。
シャランアゾールが崩壊する前にブリジスのスキル「星」によって飛び立ったが
オルームとのバトルを経てダメージを喰らってしまい、上手くコントロール出来ず
ガラスを突き破り、最悪な事に最上階にいるオルーム達の元に辿り着いてしまう。
皆を捕らえようとする中、何かを企みながらジルバに忍び寄り始めるエディール。
刻印は認められし者の証…
さあ、皆の事を忘れて私の指示を聞いてくれませんか…。
そして弟のルドスの事を忘れるがいい!!
彼の深い闇がジルバの額にある刻印に強く反応し始め、赤く染まり出す…
うっ…。や、止めろ…。
お、俺はルドスを決して忘れない…!
確かに先走りして、周りの事見えない奴だけど大切な家族なんだ…。
闇が足りてないようですね…。
グレイザーさん、オルームさんも自ら望んで覚醒したんです…
やむを得ない…。この手は使いたくありませんでしたけど、仕方ないですね…。
じ、ジルバさんっ…!
エディールさん、止めて下さいっ!
く、苦しんでいます…。
や、止めるんだ…!!!
ジルバが苦しんでいるのが分からないのか…。うっ…、く、苦しい…!!
ジルバさん、もうこれ以上…。
あ、ブリジスさんっ…、遅かったみたい…!!
ジルバに襲い掛かるエディールの深い闇を阻止しようと
ブリジスとキルディーの二人が動こうと作戦を練ろうとするが、
思いは届かず彼は完全に落ちてしまう…。
残念でしたね、ブリジスさん…キルディーさん。
ジルバさんは完全に闇の世界へ誘いました。
さあ…ご覧ください、これが彼の新しい姿です…。
うっ…。は、はぁ…はぁ…
や、止めろ…。絶対にお前の味方になんか…
お、俺は悪には屈しない! ルドスが悲しむ姿は見たくないんだ…
な、何だと…
闇を注いだのにまだ平気でいられるのか…。
貴方が初めてです…、何がルドスを動かしているんだ!?
お前には分からないだろう…。
幼い頃に両親を亡くし、俺がルドスを育てて来た。
その分、彼に対する愛情が強いんだ…!
もし俺を殺したらルドスもお前を絶対に許さない!!!…。
そうか…。残念だ…
ただ貴方の刻印、瞳が赤いままです…
ルドスさんを殺せばもちろん言う事聞いてくれますよね…。
ど、どういう事だ…。
ま、まさかビアンラボに早く行けって唆した理由って…
ああ…そうだ…。オルームさんは知っていると思いますけど、
アンドルディシアのメンバーであるルディアさんが向かっているんですよ…
ただヒルハイドタワーに来た以上、逃げられません。
ジルバさんも捕らえさせて頂きます…、話が長くなりました。
ブルさん…、後は宜しくお願いしますね。
いや、何でもありません…。
お前達を地下収容所に連れて行く。はぐれるなよ…!
エディール様、失礼します…!!
ルドスへの想いが強く、深い闇に操られそうになっていた
ジルバはエディールの猛攻を自力で喰い止める。
ただ、完全に抑えきれたとは言えない雰囲気で、その後遺症が彼の瞳と刻印に表れている中
傷付いた彼等と共にブルが地下収容施設まで連れて行く事に…。
****
時は同じくビアンラボ。
アンドルディシアのメンバーである「ルディア」の思うがままに動かされているライオットが
1階にいた職員を襲撃し、3階にいるリリカルラビットの元に少しずつ辿り着こうとしていた。
そんな中、会議室に急いで向かい、クロスが皆に
今起きている事を事細かく説明している様子が見受けられる。
お前等、呑気に話している場合じゃない…。
ライオットという人物の魔の手が近付いている。
お前等は早く逃げてくれ…! 多分だが彼の狙いは「リリカルラビット」…!!
な、何やて!! 何もしとらんぞ…。
なぁ、アルム、アル、ユメ!?
はい。僕達何にもしていません…。
捕まる理由が無いんですけど、狙われているんですよね。
けれども、ここには心強い味方が沢山いるんですっ!
安心して良いんですよね!! もちろんクロスさんもその一人…だよねっ!?
クロスさんっ、私達を魔の手から救って下さい…
お、お願いしますっ!!
ああ、もちろんだ…。ビアンラボの職員として大陸を管理する義務がある。
どんな悪だろうが、俺等で喰い止めてリリカルラビットを
守ってやるから安心してくれ!!
いや、ルドスは控えろ…。
お前には彼と一緒にリリカルラビットを守り抜いて欲しい…。
俺の予想だと…彼はスキルを持っている。そうなんじゃないのか、シドルフ!?
ああ…。ゼルシードと言う奴に
枯渇を奪われた代わりに「樹木」と言うスキルを頂きました。
戦闘ではなく、妨害向きだと思っています…!
やっぱり…。ゼルシードのスキルの仕組みが大体分かって来たな…!
今、ジハイドがライオットの対応をしている筈だ。いつ突破して来ても可笑しくない…
ルドス、シドルフ…。俺からの指令だ! 出来るよな!?
****
時は同じく、ビアンラボ2階。
1階で襲撃した職員を睨み付けながら階段を上ってくるライオットを見つけ
所長であるジハイドが彼を止めるべく、モニタールームから急いで駆け付けた。
よう。ジハイド…。
あの時以来だな…! リリカルラビットを奪いに来た。
何処にいるかお前なら教えてくれるよな!!!
言いません…。ライオットさん、どうしたんですか!?
ヒルハイドタワーの所長として行くべき場所、間違っていますよ…
エディールさん達の計画を阻止する! って口語していたじゃないですか…。
そんな事知るか!!
居場所教えないなら、力ずくでも言わせるぞ!!
お前もサンタジアでブッ叩かれたいのか…!?
監視カメラで見させて貰いました…
サンタジアで叩くなんてライオットさんらしくないです…
本当に止めて下さい! これ以上するなら…
手加減しないぞ…!!ライオット…、意地でも止めてやる!!
やるのか…?
良いだろう、何処からでもかかって来い…!!
意地でもライオットの非情行為を止めるべく、
ビアンラボの所長、そして友達でもあるジハイドが彼を止めに入る。
しかしながら、やはり争い事になると的中していたアンドルディシアのメンバー「ルディア」は
いつの間にかビアンラボの3階にある会議室の扉を
吹き飛ばし、ルドスとシドルフも倒されて大ピンチを迎えていた。
****
3階、会議室。
ホワイトボードの方に避難しているスキルの持たない男性陣、女性陣…そしてリリカルラビットが
ルドスとシドルフが倒されるのを見てしまい、ルディアの風貌に怯え始める。
シドルフさん、お願いですから立って下さい…!
こ、怖いです…。貴方達位しかこの御方に勝てる人居ません…
女性陣の応援が飛び交っても、ルディアの実力を直に喰らい絶望しか感じていない
ルドスとシドルフ…。大ダメージが二人を襲い、床に膝を付けて荒い息を付いている。
はぁ…、はぁ…
つ、強過ぎる…! こいつ一体何者だ!?
シャウトシグマでも太刀打ち出来ないとは…!!!
う、うぅ…。
スキルを使っても倒れないなんて…、実力の差があり過ぎる。
こ、こいつには絶対勝てない…!!
二人の攻撃を喰らっても傷一つ付いていないルディアを恐れる…。
彼はニヤリと含み笑いし、上から目線で自分の実力を誇らしげに語り始める。
強い奴いないのかよ…。
ルドスのシャウトシグマ、シドルフの樹木も大して強くないな…。
起きろよ、まだ戦闘出来るだろ? 楽しませてくれよ…!!
まあ、その様子だと立てないようだな…。
残念ですね。さて、リリカルラビットの皆さん。
行きましょう。もし来ないとルドスさんとシドルフさんを…
そうですね…、クロスさん。貴方のスキルで殺して貰っても良いですか?
膨張、ゼルシードさんから頂いた事知っていますよ。
どういう経緯で頂いたのかは知りませんが…
…………!!
殺せない…。それとゼルシードには恨みしかない。
ただルドスとシドルフがやられるなんて…、想定外だ。
クロスとルドス、シドルフのやり取りを見ていたリリカルラビットの4匹が
彼等を守るように一つの決心を固め、ルディアに伝え始める。
や、止めてくれ…!!
争いはあかん。またヒルハイドタワーに逆戻りか…。
でも、みんなと久しぶりに会えて楽しかったで!!!
必ず助けに来てくれい。待ってるで!!
怯えている姿は見たくないです…。
ティムさん、ティーネさん! 僕はここまでです!
あの時はクッキー有難うございました。美味しかったです…。
ここは前向き…、前向き…。
でも皆に会えなくなるのは辛いですっ!
また会えるよね…、待っていますよ!!
今までありがとうございました…。
寂しいよー! でも、ここは行かないとダメな雰囲気ですので…
ルドスさん、あの時は色々と…な、泣いてないんだからっ…!!
皆にお別れの挨拶と言った所か…。
終わったようだな。潔い決断だな!
じゃあ、行くぞ…。ん!? お前、何を見てる!?
えっ!? あ、あ、何でもないです…。
す、すみません…。顔が合っただけです…!!
リリカルラビット、名はアルム、ユウマ、アル、ユメ…の計4匹。
皆にお別れを告げ会議室を去ってしまう。一方その頃、窓ガラスがガチャーンと割れる音が
聞こえる方から外で傷を付けて横たわっているジハイドの姿が。
い、痛てぇじゃないか…。や、止めろ…。ライオット…!!
もう十分だろ…! 友達じゃないか…。
そんな事も忘れてしまったのか!?
あ? 俺には友達などいない…。
悪いな。ビアンラボのスタッフだろ?
倒される運命だ…。さあ、とどめを刺してやる!! すぐ楽になるぜ…。
ちょっと待って下さい…ライオットさん。
お陰様でリリカルラビットを捕まえる事に成功しました。
ジハイド所長にはもう用事がありません。ただ、ビアンラボのスタッフを殺せと
皇帝とエディール様に言われていますよね。でしたら…
ライオットの攻撃をモロに喰らい、大ダメージが残る中
リリカルラビットを見事に捕獲成功したルディアが現れ、ジハイドに向けてスキル発動…。
その後、彼がどうなったかは誰も知る由もない…。
【悲報】リリカルラビット4匹、離脱。
そして、次の物語はビアンラボを襲撃してから翌日のお話。
いよいよリリカルラビットにまつわる物語へと軸は動きます。
更に物語の舞台はいよいよヒルハイドタワーへ…。一人の女性研究者シェリアと妹がビアンラボに到着
【シェリア】
さぁ、着いたわ。ここがビアンラボよ…!
皆が待っているわよ。ただリリカルラビットに会えないのは残念だわ…
長旅だったわ。ミア、ちゃんと例のモノ持って来たかしら!?
【ミア】
はいっ! ちゃんと肌身離さず持っています!
リリカルラビットの秘密ですよね…。
私も気になっているんですよ。お姉ちゃんがなかなか語ってくれないからさあ…
ミア、これは誰にもナイショなのよ…。
さあ、皆の元に向かうわよ。待ちくたびれている筈よ…!!
****
ヒルハイドタワー最上階。
エディールを筆頭に幹部、暗殺者の二人、そしてスティードと話し合いを交わしている。
皆さん、いいですか…。例の計画まで残り1週間ですよ…
今、手元にあるのはリリカルラビット4匹とそしてブライドゼータ。
記憶の断片は自ずとも彼等が持って来てくれる筈です…
気を引き締めて、必ず計画を成功致しましょう。
ああ…。もちろんだ!僕の強さを知らしめる出番も近そうだ…
その時は殲滅…。で良いんだよな!?
ああ…。邪魔する者がいたら捻り潰して下さい…
もちろん手段は選びません…。もし倒せなかったら私に言って下さいね…
ああ、俺はルドスを…。あの時の借りがまだ終わってないからな…!
オルームはブリジスだろ? お互いに頑張ろうな…
【グレイザー/オルーム】
全てはエディール様、そして皇帝の為に!!!
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