24話:ライオットの反撃!誘われし悪魔のエディール!!
文字数 4,049文字
ここはヒルハイドタワー、最上階。
捕らえていたこの塔の所長であるライオットとクロス達の脱走、
そして自滅したリオルドの事をずっと深く考えていて、身勝手過ぎる行為に対して腹を立てていた。
イライラが止まりませんね…
皆さん、身勝手過ぎます。この腹立たしい気持ちをどこにぶつければいいんですか…?
そんな顔しないでよー。
僕達がいるじゃんっ! ねえ、ナギ…。
ああ、そうだな…。
エディール様。次は私達に任せて下さい…
必ずや貴方の計画通りに事を進めさせて頂く…。
じゃあー、あの空に浮かんでいるモノを何とかするのはどうかなー?
しかしながらあの空中にあるのは一体何だ?
エディール様、説明を…。
ちょうどいいタイミングだ、ゼロシード…。
エディール様、どういう事だ?
****
ここは山岳地帯の麓町「オークステリア」
デュードビレッジの激闘からレシールを連れてやって来たノルドイドとヴィルゼート。
エディール様に連絡するまで捜索をしていたが、なかなか手掛かりが見つからなかった所
郊外に出てみるとまるで施設が1つ無くなったような形跡があるのを発見。
そして上空に浮かんでいるのも気にしていた為、聞き出そうとしていた。
エディール様、オークステリアの郊外に
何かあったんですか? 大きな空き地がある!
まるで大きな建物が1件建っていたような形跡があるぞ…。
何か上空に浮かんでいるあの要塞のような物と関係があるんですか?
レシールから聞いたぞ…
上空に浮かんでいる要塞、そしてオークステリアの郊外にあったモノが瓜二つだと…。
まさかとは思いますけど、エディール様、俺達幹部に何か隠し事がありますよね!!
****
再び、ここはヒルハイドタワー最上階。
麓町「オークステリア」の郊外にある跡地を見て、ノルドイドはエディールに盾突いて来た。
上空にある空中要塞「クロスピア」の一件を幹部に任せていない事。
それに関して聞き出そうと少し危険な行為に出だした。
仕方ありませんね…
これだけは貴方達に言わないと決めていたんですけどね…
良いでしょう。真実を伝えます…
シャウトシグマはあの空中要塞クロスピアの何処かにあるんですよ…
はっ!? どういう事ですか、エディール様…。
だったら最初からそう言ってくれたら良かったんですけど。
ちょうどいいです…。貴方には言う事があるんですよ、ヴィルゼートさん…
貴方何故グライド研究所にあのデータを忘れて来たのです?
す、すみません…エディール様。
あの時はルドス、そしてグラス、クロスの対応に
追われて集中出来なくて慌ててしまい、すっかりデータを置いて来てしまいました…
"すっかり" じゃないんだよ!!!ちゃんとしたらどうだ、ヴィルゼート!!!
だから私の協力者のスティードに全てを任せた…
ビアンラボのスタッフと偽ってデータを回収、そして分析、
そこからリオルドの居場所を突き止める…、彼だから出来た…。
ヴィルゼート、この一連の流れ…お前に出来るのか? 何とか言ってみろよ!
それにリオルドさんの自滅、地下収容施設から逃走したクロス達…。
一つ言いますけど、今貴方達を信用していませんよ…
どれだけ私の計画に泥を塗ったか覚えてるんですかね…。少しは頭を冷やせ…。当分動かなくて結構だ…
グレイザー達には私から言って置く…。じゃあな!!
****
麓町「オークステリア」。
失態を犯してばっかりの幹部「マイティーダーク」のメンバー。
遂にボスのエディールに信用されなくなり、少しの間休止せざるを得ない状況に陥ってしまった。
おい!!
お前、何してくれたんだ?
エディール様、終始怒っていたぞ…。
レシールは俺が預かる。
ボスの機嫌を損ねたお前と一緒にいられるか…
何処かに失せろ! 俺は何としてもあの要塞に行く…、どんな手を使ってもだ!
じゃあな!! ヴィルゼート。来い、レシール…
遂にノルドイドは同じ幹部のヴィルゼートに呆れ果てて
彼を見捨ててレシールを連れて何としてもあの空中要塞「クロスピア」に行くことにするが
さすがに飛ぶ能力はなく、どのように行けばいいのか試行錯誤しながら適当に彷徨う事に…。
そしてヴィルゼート1人だけ取り残されてしまう…。
くっ…、ボスからの信用が無くなった今
俺はどうすればいいんだ? ノルドイドには飽きられてしまう…
とりあえずグレイザーの元に向かうか…
彼奴だったら俺の言い分もきちんと聞いてくれそうだし…
ヴィルゼートが振り向く一瞬のスキを狙い、スキルの技を小声で言い彼はその場で倒れていく。
ただ、そのスキルは「捕縛」。という事は、彼を狙ったのは…?
お見事です、ブル様…。
さて、出て来て貰いましょうか…。
そこにいますよね、シドルフさん!!!
【シドルフ】
…………。
ゼ、ゼルシード…! お前、よくも…俺のスキルを。
お前はスキルを使いこなせていなかった。
使えないスキルなど持っていても無駄。他の人に譲渡した方が本望だと思いません…?
ただ、
あの方もスキルをきちんと使いこなせているか微妙なんですよ…
だから出番はありませんよ、シドルフさん。
今作業中なんですよ…、何処かに消えて貰いませんか?
ブル様、こいつも捕まえてヒルハイドタワーの収容施設にぶち込め!
そうだ。あのオーラを解放するがいい…
エディール様がお前の愛する犬を殺した…
お、おい…。ど、どうした?
こいつ苦しんでるぞ…。ゼルシード止めろ!!!
は? ブルが苦しんでるだと…。
そんな事あるか…。こいつにはそのように言い聞かせるだけで
闇のオーラが深くなるんだ。そうエディール様に言われている…
シドルフノバーカ…、オマエモカンキンシテヤル!!
ニガシハシナインダカラ…!!
ブルの闇深いオーラはかなりの広範囲に渡り包み込み、スキル「捕縛」は物凄い威力に膨れ上がらせ
シドルフの身体に縄を縛り付けてギュッと締め付けられてしまう。
ただ、再びブルはコントロール出来なくなり暴走してしまう。
や、止めて…。い、痛いよ!
お前だって苦しいんだろ? 俺が助けてやるからそんな事止めるんだ!
ウルサインダヨ…!!
モウイイヤ、コイツコロシチャオウ。ジャアネ!!!
く、苦しい…。止めてくれ…!!
お願いだから正気に戻ってくれ…。
お、おいブル…。その辺にして置け!
シドルフを殺すな。痛めつけるだけにしろ!!
や、ヤバい…。こいつ闇の力が倍増し過ぎて
コントロール出来なくなっている…。どうすれば?
何してるんですか、ゼルシードさん…。
余計な仕事を増やしちゃ困りますよ…
な、何故貴方がここにいるんですか? レイディアさん…!!
【レイディア】
お前が言ったんだろ…?
コントロール出来ない彼を遠回しに止めて欲しいと…。だったら俺が止めてやる!!
ふん。余計な仕事を増やすな、これ以上。
突如としてシドルフ、ゼルシードの前に現れた
コントロール出来ずにいるブルを止めに来た白い服を纏い、肩には白蛇を携えている
如何にもヤバい雰囲気を持つレイディア。彼は一体何者?
ただ、一つ言えるのは相当強そうな事…
****
ここはヒルハイドタワー1階。
次々と幹部「マイティーダーク」の手下をクロスのスキル「膨張」、ライオット所長の打撃コンボで
打ち倒して行き、もうすぐ外に出られそうな所でクロスの身に事件が起きる。
突如としてクロスとネルフ、ライオット所長、そしてリリカルラビットのユウマの周りに
禍々しい闇の煙が発生して、その中からクロスの服装に手を伸ばし、ずっと掴んだまま離さずにいる…
どうした、クロス?
な、何だ。あの煙から手が出てないか…?
目の錯覚か? いや、本物だ…
く、クロスさん!
一緒にヒルハイドタワー出るって約束しましたよね。
出口までもうすぐですよ!!
そうや!
せっかくライオットはんが助けてくれたんや。
出口はもうすぐや! 一緒に出るんやで!!
いや、先にここを出てルドス達と合流してくれ!!
俺の直感だが、多分ここから近い場所にいる。彼等はここを目指してるからな…
いいか、ネルフ。辛かったんだろ?
弟のヒョードに何度会いたいと思ったか。それがようやく叶うんだ…。
ほら、お前ずっと大切にしてきたその笑顔…、弟に見せてあげな!!
ライオット!
ネルフ、ユウマを任せたぞ。絶対逃げ切れよ!!!
ライオットはクロスの指示通りに
ネルフとユウマを連れてヒルハイドタワーの外に無事脱出する事に成功。けれども
クロスは突如として現れた闇の煙から出て来た手に引っ張られ、煙の中に消えていく。
****
ここはヒルハイドタワー最上階。
やはり、闇の煙を出した張本人はエディール…。
今もご立腹のようで、腹が煮えくり返るような口調で話す。
ここはヒルハイドタワーの最上階です…。
おやおや、クロスさん…本当に逃げ切れるとでも思ったんですか?
けど悪いな! ネルフ、ライオット、ユウマは無事に逃げ切れたぞ…。
そうですか…、それは残念です。
私は他の幹部とは違う所があるんですよ…。見てくれませんか?
全て恨みに変えこのように出せるんだ。
幹部の皆はここまでしか出せない…。ただ私はその一段階上に行けるんですよ…
見せるのは貴方が初めてです!!
ああ…、深まっていく闇のオーラ…。
さあクロスさん…、私と死のゲームを始めましょう。
言って置くけど勝率は少ない…。それでも宜しいでしょうか?
こいつ、ヤバい…!!!
だ、駄目だ。あいつの目を見るな…。
彼奴の気迫にやられちゃ負ける…!!
私の闇は誰よりも深い…!さあ、クロス。私を楽しませてくれ…、死ぬ覚悟で!!
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