03話:グレイザー様の休息!熱いプライベートに危険な香り!!
文字数 3,103文字
先日エディールに叱られたグレイザー。
今日は彼に言われた通り"自由"…要するに完全に1日オフ。
とりあえず飯だ。
くそっ! 俺は料理が苦手…。ここにある物で適当に喰らうのみ。
その時、自宅に幹部の一人であるノルドイドがやって来た。
手に何か持っているようで、食い入るようにグレイザーは玄関先で見始める。
グレイザー様の私服…
やはりダークな色がお好きなんですね…。
ふん。ほっとけ…
何着たって別にいいだろ?
お前こそ何しに来た…。それとよく俺の家が分かったな?
エディール様から地図を渡されたのですけど、曖昧でしてね…。
探すのに一苦労しましたよ。
あ、そうです。
これ…グレイザー様に差し上げます。
逆に俺は料理が好きなんでね。
余ってしまったので、様子見と共にお家を伺ったんですよ。
実は起きてからもう既に3時間経とうとしている。
さすがに空腹のグレイザーでもお腹が鳴り、ここぞとばかりに号令を出してくる。
あらら。さすがのグレイザー様でもお腹は鳴るんですね…。
う、うるさい…。わりぃな、ノルドイド…。
ちょうど冷蔵庫に何もなくてな…。困っていた所だ!!!
実は全部餌を平らげてしまった為…もう食べるものが無くて…。申し訳ございません…。
さすがの空腹には耐えられず、ノルドイドが持ってきてくれた
料理を玄関先で喰らうグレイザーとウルグ。
この時、さすがに彼も食に感謝をしながら食べている様子。あまり見せない一面。
食べ終わったら笑顔で「ごちそう様…。」じゃないのか?
おっと…。俺をからかうな…、ノルドイド。笑顔はしないと言った筈だぞ!!
冗談だ。お前が笑わないという事は幹部、
そしてエディール様も知っている。俺はヒルハイドタワーに向かうぞ。
後でディゼールさん、ヴィルゼートさんも
貴方の所に伺うと言っておりましたよ…。常に連絡ツールだけは持ち歩いて下さいね…。
では、失礼します。じゃあな、グレイザー、そしてウルグ。
やはり幹部の一人として見ている為、
ノルドイド・ディゼール・ヴィルゼートはグレイザーの事を気にしている様子。
****
食べ終わってから約1時間後。
この退屈な1日をどのように過ごすか考えている中
何か閃いたようで、出かける準備をし始めていた。
おい、ウルグ…。俺は出かけてくるから留守番頼んだぞ…。
****
ここは大陸「クロスウッド」にある
現実世界で言うところの街「シャランアゾール」。
宿屋や、様々な企業が開発した武器・防具・アイテムなどの専門店など、
トレーニング施設や、地味だけど割と訪れる人が多い公園、そして冒険者が訪れるギルドとかもある。
ここにしかないんだよな…トレーニングジム。
一杯食ったからなあ。体動かさないと…!
****
トレーニングジムがある場所まで来たが、「本日休業」と書いてある看板を見て無言と化すグレイザー。
ちっ! 今日に限って休業日かよ…。
枯らすぞ、おい!!!
ダメだ、グレイザー。
スキル「枯渇」を無闇に悪用するな…。
お前も今日が休業日と知らずに来たみたいだな…ゼシア。
【ゼシア】
よう。張り切ってきたのになあ。
だったら公園でランニングでもしないか? トレーニングの代わりに…
良いぜ。俺の"アレ"もランニングしたがっているようだ…。
お前、キャラチェンでもしたのか?
ちなみに名前は何て言うのだ…。
グレイザー、ストップだ。
これ以上言うと、色んな意味でアウトになるぞ…。
安心しろ…。
俺がそんな事を言うとでも。ふん!"くだらん"ぞ…。
おっと、彼奴の口癖が出ちゃうとはな…。
でも、そんな下ネタというくだらない発言をしている
キャラが世の中には沢山居るんだぜ。
呆れたもんだな…。ナギという男性を調べていたら
突然姿を消したプロレスラーの資料が一緒に挟まってあった。
そいつは下ネタをよく言う奴みたいだぞ。会ってみたいもんだな…。
そうか。長話はランニングしながらでも出来る。公園へ行くぞ!
休業日の文字を見たせいか、トレーニング気分だったグレイザーが
羽目を外し、見慣れない一面が明らかに。
それと彼はゼシアに「幹部」の一言も発してないのを見ると、
マイティーダークという組織に入っているという事は教えていない様子。
彼がナギについて調査をしている時に挟まっていた突然消えたプロレスラーの資料は一体何を
意味しているのと今も不思議に思っている。*本編では触れませんので、あしからず。
****
地味と訪れる客が多い公園「アゾールパーク」。
ゼシアとグレイザーがテンポよく走っていると、前からディゼールとヴィルゼートがやって来る。
それを見たグレイザーは「やばい!」と思い、ゼシアに「見るな!」と心で訴えるが…。
ディゼール、ヴィルゼート…!
よくここにいる事分かったな…!!
連絡ツールが教えてくれたんですよ…。グレイザー様は今日非番みたいですし、
仕事中ですけどエディール様にちゃんと断ってきているので、安心して下さい…。
ちゃんとリオルドの調査はしていますので、安心して下さい……グレイザ―様。
ふん。丁寧に教えてくれたつもりか?
どうせ俺の監視だろ、朝ノルドイドも来たからな!!
監視なんて滅相にもない…。
同じメンバーですからね。心配なんで来ただけですよ。
安心して下さい。危害は加えません…。だが、グレイザー様。
自分達を邪魔するものはいくら友達だろうが…。分かっていますよね?
くっ…。わ、分かっている!!
お前等、ここに用があって来たんじゃないのか?
もう用済みですよ。
この街のギルド"メルダッシュ"にお邪魔したんです…。
リオルドの事を聞きましたけど、やはりこの街にも手掛かりはなかった…。
その帰りにグレイザー様を見つけたんで、このように話しかけたんです…。
まあ、友達と一緒にいるようなんで非番楽しんで下さいね。
また明日、ヒルハイドタワーでお会いしましょう…。
では失礼します。
ディゼールとヴィルゼートはニヤリと笑いながら帰路に就く。
その様子を見るグレイザー…。
何か服装が凄かったな、グレイザー?
ん、あれ? おーい……聞こえるか?
(ヤバい、あの2人にゼシアを見られた…。どうすれば…!!)
あ、ごめん…ゼシア…。
お、俺もう今日は帰る! 悪い!!
まるでランニングの続きのように、ダッシュしながら帰っていくグレイザー。
突然ディぜールとヴィルゼートが現れてゼシアを見られた為、彼は結構"何か"を思い詰めている。
そして、お気付きになった方もいると思うけれども
幹部の時の性格、そしてゼシアに見せる性格は全く違う。
彼にとってゼシアは切り離せない存在の様子。それは彼の"過去"に繋がる入り口。
(あの2人…以前何処かで…!
それに…グレイザーってあいつ等の仲間なのか…? 信じたくない…!!)
(あの時、俺を助けた時みたいに…。
グレイザー自身から話してくれるの待っているからね!!)
****
ここはシャランアゾールのギルド「メルダッシュ」。
一人の男性が訪れていた。
あの…ブリジスさんとキルディーさんは
まだ到着していませんよね?
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)