61話:古城脱獄開始!悪意と脅威のオルーム再び!!
文字数 3,575文字
【前回のあらすじ】
幹部「マイティーダーク」のボス『エディール』にはルディースという次男がいる事が発覚。
クロスウッドの何処かにいる事は間違いないという断言を残し
精鋭部隊からレサリア、そしてクロスの兄であるグレイスは
エンディア達と共に探しに行く。
ただ、彼等は相当頭がキレるようで
昨夜の会議の内容から、新たに皇帝が2人の暗殺者を用意した事が判明した…。
えっ…!?
オルームさんやゼロシードさんみたいな奴が他にも居るんですか…。
怖い…。ダメだよ、絶対に勝てっこないよ…
何怖がってるんだ…!?
奴等を倒さないとエディールは帰って来ない可能性だってあるんだ…!
さっき言ったよな…。何かあったら俺等を頼れって…!
お前それで良くそんな事言えるな。
エディールは…、俺達を庇って皇帝に連れていかれたんだ…
彼に出会ったから生かされてるようなもんだ。
当たり前じゃないか、あの笑顔をもう一度見るまでは
この身が朽ち果てようが助けるのが義務だ。
お願いだ、グレイス…。怖がらないでくれ…!
怖気付いてすみません…。
お、俺だって…出来るならこの性格を打破してクロスに顔立てしたいんだ…
その為にはエンディアさん達の協力が必要なんです。お願い出来ますか?
ああ…。同じ目的を果たす仲間同士じゃないか…!
全然頼って良いんだからな。どんな時だって俺達は笑顔を大切にするメンバーだ。
グレイス、お前の笑顔見せてくれないか?
はいっ!
これが俺の笑顔です…、って言うのも可笑しいですよね!?
素敵だぞ…。もっと自信持て!
俺達で良ければ手伝ってやるからさ…。
むしろレサリアさんはクロスピアの事を知っている人ですから…。
もちろん頼りにしています! 早くルディースさんを見つけましょう!!
そう言ってくれるなんて嬉しいです。
グレイスさん、皆さんと一緒に頑張りましょう!
笑顔を大切にする「カインドフォース」メンバー
エンディア/ハディーサ/ユリシール/システィア
名前の由来は「親切の力」。
強さを兼ね備えながらも、心の何処かで優しい感情を持つ。
困っている人を助ける…、助けを必要としている人の話を聞く。
今のエディールからは闇の強さしか感じ取れないけれど、
元々は皆を助けてくれた"善"の心も何処かにあると彼等は信じている。
それが彼等が思う本当の"友達"像なのかもしれない…。
****
ここは小町『エジェテール』古城――。
インバとクロスが閉じ込められた牢屋に現れたシルヴィンが力だけでねじ伏せ
見事に脱獄を果たす。誰にも見つからないようにそろりと古城から脱出しようと企む。
階段を上り、鎧兵が所狭しと飾られている不気味な部屋に辿り着く。
えっと、左右両方に扉があるな…。
どっちに進めば脱出出来るんだ? ちょっとシルヴィン、扉の鍵は…。
ダメだ、鍵が掛かっている…。
無闇に攻撃すると奴等に気付かれるからな。
ちっ…。ここに入る時は普通に入れたのになあ…
この部屋にあるのは鎧兵…5体だけか…。
ちょっと待ってくれ…! 何で正面を向いてないんだ?
そういう事か…。これは謎解きって言う奴だな…!
要するにこの場合は…5体ある鎧兵が向いている方向が多い方が正解のルートか…。
でもさ、もう1つの扉何処に繋がっているか気にならないか?
お、良いねえ…。じゃあ扉開けてみるか…!
何があっても知らねえ…からな。
鎧兵が沢山ある部屋の不正解ルートにある扉を開けるシルヴィン…。
目の前に広がるのは明かりも付いていない真っ暗闇の部屋――。
忍び足でシルヴィン達の元に近付く謎の一人の男性の姿が…
【????】
お前等誰だ…。
ぶっ殺されたくなかったら5秒数え終わるまでに扉を閉めろ…! 行くぞ…。5…
バタンッ と扉を物凄い勢いで閉めるシルヴィン。
突然暗闇の部屋から現れた彼のヤバすぎるオーラにビビり始める…。
敵? 味方?
どっちにしても戦闘力は桁外れである事は間違いなさそうだ。
ちょっと、アイツの顔見た?
ヤバすぎるんだけど…。何かかなり強そう…!
そんなにヤバいのか…?
シルヴィンが先頭に立っていたから良くは見えなかった…。
まさか俺達が脱獄した事がバレたんじゃないのか…。これはマズいな…!
1回牢屋に戻るべきなのか、それとも…。
いや…、どっちにしてももう後戻りは出来ない…!
ここから無事に出られる事に賭けるしかなさそうだ…
鎧兵の間を無事に攻略成功したシルヴィン達…。
ただ、さっきの部屋にいたヤバそうな彼に顔を見られた事は想定外…
****
真っ暗闇の部屋の中で、誰にも近寄れないオーラを放出しながら
王座の間にいる皇帝と連絡を取り始める…。
シルヴィン、インバ、クロスが脱走した…
それでも俺の出番はまだなんだろ?
いつになったら戦わせてくれるんだ!!!
貴方の出番は当分先です…。
シルディートさんの一件でちょっと予想外な事が起きてしまった…。
もう少し待っていてくれますか…?
最近戦ってないから身体が鈍ってるんだ…。所詮3人だ…!
俺のスキルで仕留めりゃいいんだろ?
まあ、いいだろう。ただ脱獄した事だけは伝えたからな!!!
体力温存するから寝る…。邪魔するなよ。
1階にある王座の間はさすがに素通りする事は出来ない…、まさに無謀なチャレンジ。
ただ彼等もこの古城から脱出出来ない限り、明日どころか今日を生き抜く事すらも儘ならない…
シルヴィン、インバ、クロスの3人はいざという時に廊下の窓を突き破って
出られるように窓伝い(まどつたい)に歩き始めて行くと、また1つの扉が…。
今度はインバが扉のノブを摘み、開けてみると…。
【?????】
お待ちしておりました…。
シルヴィンさん、インバさん、そしてクロスさん…。
まずはシルディートさん…。貴方の出番です!
ああ…。やっと説教終わって自由の身だからな。
ドルシード、こいつ等に何時でも変装出来るようにすればいいんだよな?
【ドルシード】
いや…。変装するのはクロスさんだけだと皇帝からの指示です。
えっ…!?
ドルシードは初対面だが、シルディートはお前…クロスウッドで指名手配中な筈…
お、俺に変装して何をするつもりだ!?
えっ…!
俺の兄貴が何がしたのか…?
アイツは臆病だからお前等に手出しなんか…
やはりそう来たか。だと思ったよ…!
別に何にもしてねえ。クロス…お前に変装して兄のグレイスを襲うだけさ…
大好きな弟に殺されるならアイツも本望だろ?
ハハハ…、良い気味だぜ…。
く…。クロス…、こいつの言い成りなんかになるな…!!
許さないぞ、シルディート!!!
俺に喧嘩売るのか…? ふん、良い度胸だ。
その敬意に表して俺の変装スキルを披露してやろうじゃないか…!
そうだな…、コイツで行こう。クロスなら見慣れた顔だぜ…!!
シルディートの周りに特殊な煙が発生する。
この煙は変装のスキルを発動した際に必ず起きる現象の1つ。
青い髪色をしていて、鋭い目付き、如何にも挑発する口癖を持つに特化したキャラクター…
そう…、彼が変装したのはシャランアゾール…そしてグライド研究所を
エディ―ルと共にぶっ壊した『オルーム』
【オルーム(シルヴィン)】
僕が襲撃した奴等の顔を覚えてさえいれば、スキルは何回でも使えるんだ…。
と言う事で、もちろん僕の事覚えてるよね?
特にインバにはお世話になったな…
エジェテール…。ざまあねえな…!
お、オルーム…。
よくも俺達の故郷(ふるさと)を崩壊させたな…。
泣いている子…、怯えている大人…、お前は全て殲滅したんだぞ…!!
お前の顔を一度でも忘れた事はない…。この悪魔め…
だからどうした…。
僕の目の前で声を荒げて泣いている方が頭狂ってるんだよ…、バーカ。
泣けば助かると思ってるの? 手を差し伸べて来たから殺してやったんだ…
赤ちゃん、子供、大人…、逆らったら僕が全員殺しちゃうよ…。
ふざけるな…。
お前、人の命を何だと思ってるんだ!?
ハハハ…、弄ぶ為の命だろ!?
どうせいつか死ぬんだ。寿命が早くなっただけの事…
そう思えば楽に死ねるだろ…。何寝言言ってるんだ?
そんなの僕からしたら日常茶飯事だ…
インバは悪くない…。狙いは俺なんだろ?
だったら王座の間に連れてけ! それで十分だろ?
それがお前の決断か…。
良いだろう。ただ相手は僕じゃない…。
ここはドルシードに託してやる…!
オル…いや、シルディートさん…。選んでくれて有難うございます…!
アンドルディシアの御意見番である私の強さを見せればいいのですね…
そうだ…。ただ、手加減はなしだ…
奴はスキル"膨張"の所持者だからな!
1つだけ聞かせてくれ…。
ドルシードさんは皇帝と繋がりがあるのか!?
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