06話:ライトとの出会い!デュードビレッジ到着!!
文字数 3,389文字
ここは大陸「クロスウッド」を見渡せる何処か高い場所。
何処までも見渡す限りの森、そして海を見下ろしながらブリジス・キルディーは誰かと話をしている。
ここからの景色はいつ見ても格別ですね…、ブリジスさん。
そうですねっ!
でも眺めを悪くするような出来事もあるんですよっ!!
リリカルラビットの事ですね…。
逃げ出した4匹を見つけたのはいいですけど、
肝心なミフィールさんがいないとなると少し厄介ですね…
そうなんだよねっ!
無理にでも引っ張ってきていいんだけどさー
その為にビアンラボに行ったんだよー! 視察をして来たからね…っ!!
スティードは僕を"味方"だと思っているみたいだからね!
あの所長が何処まで気付いているかは分からないけどっ…
ブリジスと何者かが会話している所を横入りしてくる彼等の手下…。
形相を変えて物凄く慌ただしく入って来る。
す、すみません…。やっぱり俺にはこの一件向いてないです…。
申し訳ございませんが、降りさせて貰います…!
ブリジスの手から放たれた大きな星は手下の元に向かい、
彼を連れて遥か上空へと飛び立っていく。その光景を見るキルディー、そしてもう一人の人物…。
ブリジス様……、申し訳ございませんでした……!!!
手下は星に乗ったまま、ブリジスに謝罪をしてそのまま空へと姿を消してしまった…。
また一つ星が増えたねっ!!
今日の夜も綺麗な星空が見られるなー。楽しみだー。
後は貴方の指示に従うからねー。宜しくお願いしますっ!!
行くよっ、キルディー!!
(ブリジスさん…。かつて一度だけ怒らせた事あるけど…
背筋が凍るような目付き…思い出すだけで…)
冷徹な目をするブリジスは容赦なく自分のスキルで部下を切り捨てる…。
ただ、ミントやブル達と一緒に過ごしていた時の感情とは全く違う為、本当に味方か分からない…
そんな中、ブリジスとキルディーを取り仕切る謎の影が気になる発言をし始める。
ミフィール…か…。
ミントと言い、私の指示を聞かないなんて…。
再教育が必要のようですね、残念ながら…。
****
ここはデュードビレッジ。
なんとかブルの案内で歩き疲れながらも辿り着いたルドス達。
もう歩けない! って言いながら地べたに座り込む男性陣、そして足をマッサージしあう女性陣
有意義な時間が過ごせる! と張り切っているリリカルラビット4匹の姿が見られる。
お疲れ様ー。ここがデュードビレッジだよー。
さっきも言ったけど、クロスウッドの中では割と大きめな村なんだー。
僕で良ければ案内するよー!
ここが泊まれる事が出来る宿なんだよー。
あっ、ここに来るときに三角の形をした寝泊り出来る"テント"の事言ったよねー!
それもここで頼めば、泊まらせてくれるんだよー。
見た事がないな…。確かに興味があるぞ!俺は"テント"で寝てみたい…!!
拙者も是非オルガ殿の意見に賛成じゃ。テントは浪漫!!
特に夏の時期がお勧めだけど、現在のクロスウッドの季節を知らんぞい。
それは真(まこと)か…!
ヒョード殿、オルガ殿、ルドス殿、そしてブル殿…
是非男性陣はテントで泊まらないか?
一方、テントに泊まるのを嫌がっている女性陣の姿も…。
私は外で寝るのは嫌いですわ。施設の中なら良いですけど…
男性陣はこういうワイルド系が好きと聞いたことがあります。本当でしたわね…
確かに私も嫌ですー。要するに"アウトドア"って言うんですよねー。
反対ですっ!! ブルくんも一緒にこの建物の中で寝ようよー。
僕も一度こういうテントで泊まってみたかったんだー。
外で寝るのは慣れているんだよー! 犬達と一緒に寝るのが好きでねっ!!
分かったよー。
じゃあとりあえずスカピーノ以外にも見て回りたいから案内続けてー!!
****
ここは訓練場「チャートラス」。
冒険者が己の鍛錬、武器のレベル上げ、トレーニングなど様々な場面を想定して作られた施設。
二人の男性が持つ剣の迫力に、観衆も「うおー!」「がんばれー!」と大声を出して応援している。
ルドスも食い入るように見てみると、訓練場のスタッフが彼の元にやって来た。
おー、そこの君ー。
剣持ってるじゃん!! どうだい!?
君もやってみないかい?
俺の相手はお前か!
ん、よく見ると…武器は持っていないのか…!
そんなんで俺に対抗するなんて良い度胸だな…。
大丈夫です…。俺が勝てる確率100%、
貴方が負ける確率100%…! 自信持って言えるぜ…!!!
言ってくれるじゃないか!!
なら、正々堂々と勝負だ…。
確か名前はライトだったな! 宜しくな!!
お? 互いにライバルし合っているね…。
君達良い目をしている…! 悔いのないよう良いバトルを見せてくれよ!!
あ、あの…お兄さん…。
一つ聞きたい事があるんですけどー。
この訓練場で技のぶつかり合いがあるんですよねー。
見ているこっち側に影響を及ぼす事は無いんですかー?
それなら大丈夫だよ!
この訓練場を囲っている杭にはちょっと秘密があるんだよー。
あ、ちょうど今バトルが終わったみたいー。ちょっと見ていてくれる?
直前のバトルが終わると、杭に施された魔法が解除された。
どうやら観客を巻き込まないように杭周辺から上空まで
この訓練場を囲むように、バリアが張り巡らされていた模様。
だから例え砂埃が舞っても周りには影響はしない…。
これが"魔法"って言う技術ですか…。
俄かに信じがたいですけど、目の前で見てしまったので信じざるを得ない状況ですわね…
す、凄いです…。
魔法かあー。俺も魔法扱ってみたいなあ!!
訓練場に入っていくルドスとライト…。
それを応援し始めるナギ、ヒョード達も食い入るように見る。
お先にどうぞ、ルドスさん。
どんな攻撃だろうと食い止めてみせますよ…。
この減らず口め…! 今後悔させてやる!!
ショックウェーブ!!!
ブライドゼータを一振りしたルドス…、まずはお手並み拝見という事であまりダメージを受けないような
技で挑発するが、ライトは避けようともせず衝撃波の前に手を翳し、素手で受け止め
それを握り潰す。その光景を見た彼はもちろん、ナギやヒョードも驚きを隠せない…。
ルドス殿は強そうなイメージがあるけど、それを上回るライト殿も天晴れじゃ!
(持っている剣が
レプリカなんて是が非でも言えませんね…。
本物の剣を触れてみたいぞ…!)
(ふーん。ナギさんは本物の剣を触れた事無いのか…。これは良い事聞いたぞ…!)
ルドスさんを応援したいけど、ライトさんも凄いよー!
二人とも頑張れー!!!
な、何だと…俺の技を受け止める…だと!
お前こそ、何か技を出してみろよ!!
物凄いスピードでルドスの目の前に現れ、彼の拳…いや形を変え
「虎」の鋭い牙を持つ拳が
彼の腹部に見事にクリーンヒットして、バリアが張られた杭へと物凄い威力で吹き飛ばされる。
右手に持っていたブライドゼータも地面に落とされてしまった…。
うぅ…(腹を抑える)
痛いじゃないか…! なかなかやるじゃないか!!
降参だ。素手でも対抗出来るが、お前…スキルの持ち主だな…! 何というスキルだ?
僕のスキルは
「獣拳(じゅうけん)」って言うんだ。
ブリジスさんから頂いたんです!!
実はシャランアゾールのギルドで彼を待っていたんだけど、
なかなか来ないから気分転換に散策してたら、
デュードビレッジという場所があったから立ち寄ったんだぜ!
なるほど…。どうりで強い筈だ!!
でも、久しぶりに骨のあるやつが現れたからな!
手ごたえがあったぞ!! ありがとな!!! この借りは必ず返してやるぜ。いいな?
2人(ルドスとライト)のバトルを食い入るように建物の影から見ていたグレイザー、ディゼール。
どうやら二人はライトの事を知っている様子…。
グレイザー様…。確かライトという人物は…!
もちろん覚えていますよね?
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